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知らなきゃ損!別居中に相手から生活費を受け取れる「婚姻費用」とは? | ビューティーガ

時刻(time):2020-08-18 08:14源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
コロナで夫婦仲が険悪になっている…という話をチラホラ聞きます。でも経済的な問題から、なかなか別居や離婚に踏み切ることができない妻もいるでしょう。特に子供を育てながら、パートなどで働く主婦は、ガマンしている人が多いのでは。 写真はイメージです(以下同) 別居中に、生活費を受け取れる「婚姻費用」とは? そんな悩みを持っている女性の一助となるの

 コロナで夫婦仲が険悪になっている…という話をチラホラ聞きます。でも経済的な問題から、なかなか別居や離婚に踏み切ることができない妻もいるでしょう。特に子供を育てながら、パートなどで働く主婦は、ガマンしている人が多いのでは。

夫婦喧嘩と子供

写真はイメージです(以下同)

別居中に、生活費を受け取れる「婚姻費用」とは?


 そんな悩みを持っている女性の一助となるのが、「婚姻費用」(通称・こんぴ)。意外と知られていませんが、別居中でも、収入が多いほうの配偶者に生活費を請求できる、という制度があるのです。

 主に離婚問題に携わる森元みのり弁護士は、婚姻費用の概要を次のように解説します。

「『夫婦は互いに養う義務がある』と民法752条で定められています。そのため、別居しても戸籍上の夫婦関係が続くと、収入の多い方から少ない方に生活費全般(食費、医療費、教育費など)を支払う義務があって、それを婚姻費用といいます」(森元弁護士、以下同)。

 婚姻費用を受け取る権利は、結婚してから離婚するまで続き、金額は算定表によってほぼわかるそうです。

「家庭裁判所のホームページからダウンロードできますから、誰でも算定できます」

 たとえば、夫=給与が年500万円、妻=給与が年100万円、子供=1人(0~14歳)の夫婦が別居した場合、算定表によると婚姻費用は月8万~10万円。別居から離婚までの間は、この月額を夫から受け取る権利があるわけです。

婚姻費用算定表

婚姻費用算定表の例(子供1人、0~14歳の場合、令和元年版)裁判所サイトより

 といっても、夫がすんなり払うとは限りません。婚姻費用については、夫婦で話し合ってから、公証証書を作成するのが望ましいですが、難しい場合は婚姻費用分担請求調停を申し立てるといいそうです。

「ただし、不倫やDVなど、自分が別居の原因を作ってしまった当事者には、婚姻費用を請求する資格がないことも理解しておきましょう」




自営業の夫が赤字を装って、婚姻費用を逃れようとした例


 では森元さんがこれまで手掛けてきたり見聞きした案件で、印象深かった婚姻費用にまつわる裁判とはどんなものでしょうか?

別居
「お子さんの教育を巡って、夫婦の意見が合わなくなって別居した40代の夫婦です。婚姻費用を巡って調停に持ち込まれると、個人事業主の夫が自分の報酬を半分と報告し、広告費などの経費の支出を倍増して、赤字申告をしました。そのため婚姻費用は数万円と定められたので、妻は高等裁判所に不服申し立てをしました。すると高等裁判所は夫の支出入を審査。夫が嘘の申告をしたとして、婚姻費用を10万円以上に定めたという事例があります」

 森元さんの心を打ったのが、裁判官の判決理由の言葉だったそうです。

「お子さんは障害をもっていたので、妻が子供のために特別な教育を施していました。その費用を巡って夫婦間で対立がありましたが、裁判官は『子供のための尊い教育費』というニュアンスで、妻の子供に対する愛情をくみ取った言葉をかけていましたね」

 裁判官の恩情がにじみ出たシーンだったそうですが、まさに裁判官次第ともいえますね。








コロナで婚姻費用の支払を中断されるケースが増えた


 また最近はコロナ禍で、婚姻費用を巡ってのトラブルが目立ってきているそうです。

「コロナ感染拡大で夫(義務者)の収入が下がったため、婚姻費用の支払を中断してしまうケースが目立っています。一方で、妻(権利者)も子どもたちの休校に伴う食費の増加などに加えて、コロナの影響で収入減になる人も。そんな中で、緊急事態宣言に伴って調停期日等が延期になり、婚姻費用を巡る話し合いの場を失ったという妻からの相談がありました」と森元弁護士。

別居2
 事例は次の通りです。

「夫婦とも40代、小学生のお子さんが2人。夫は自営業、妻はもともとは専業主婦でしたが、昨年秋の別居に伴い、今年からようやくパートの仕事を見つけたところでした。今年2月までは、夫から、月によってバラバラなのですが、月額10~15万円の婚姻費用が支払われていました。ところが今年3月からは振込が停止してしまったんです。一方、妻は職場の方針などで出勤できる日数が激減し、5月頃からは半分以下に減額され、月収が数万円となってしまいました」。

 5月に予定されていた調停期日が取り消しとなったため、担当の森元弁護士は「婚姻費用の仮払いの仮処分」を申し立てたそうです。

「6月末に、家庭裁判所で調停が開かれ、その場で裁判官が義務者に対し、いくらかでも支払うよう説得しました。現在は、裁判所の判断を待っているところです」。




あとから請求しても、一部は取り戻せる場合も


 これまで「婚姻費用」を知らなかったからといって、まとめて請求しても、全額取り戻せるとは限らないそうです。時効という考え方があるためです(ケースによるので弁護士等に相談を)。

「でも、これまで婚姻費用を請求せずに別居している人も、あきらめないでください」。

 全額取り戻せなくても、まずは専門家に相談するべきでしょうね。

森元みのり弁護士

森元みのり弁護士

<取材・文/夏目かをる>
夏目かをる
コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪」




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