“女性だからこそ”。私の経験から伝えたい、定期検診の大切さについて
みなさんは自分の身体のこと、どれくらい知っていますか?定期検診には通っていますか?私たち女性の身体の中で、自分では気づかないうちに病気が進行していることがあります。とくに女性特有の病気は発見しにくいもの。今回は、以前婦人科疾患にかかった私から、定期検診の大切さを伝えたいと思います。
みなさんは自分の身体のこと、どれくらい知っていますか?
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みなさんは自分の身体のこと、
どれくらい知っていますか?
外見を磨くばかりで、内面のこと、
きちんときにしてあげていますか?
■私のこと。
ここで少し、私のことを書きたいと思います。
私は去年の夏、ある病気が発覚し、
入院・手術を経験しました。
みなさんは、
“卵巣嚢腫”
という病気を知っていますか?
私がかかった病気はそれです。
子宮の左右両側にある卵巣は、
通常は2~3センチと、
親指の第一関節くらいの大きさなのです。
この病気は、その卵巣が腫れたり
腫瘍ができたりしてしまう病気です。
卵巣は子宮の左右両側にひとつずつあり、通常は直径2〜3cm程度の大きさです。卵巣と子宮をつなぐ役割をしているのが卵管です。この卵巣にはれが生じた状態を卵巣腫瘍といいます。多くは卵巣の片側に発生しますが、両側に発生することもあります。
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「腫瘍」というと、すぐにがんを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、腫瘍にも良性と悪性があります。卵巣の場合は、悪性腫瘍が卵巣がんを指します。しかし、実際には卵巣にできる腫瘍の9割以上が良性腫瘍です。そして、良性腫瘍の中で一番多いのが、卵巣のう腫です。
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■卵巣は“沈黙の臓器”
卵巣は、“沈黙の臓器”という別名があります。
自覚症状がほとんどなく、気付いたら
握りこぶし大にまで腫瘍が膨らんでいることも。
それがさらに成長していくと、
茎捻転を起こして激しい腹痛に襲われ、
緊急手術になることもあります。
こぶし大より大きくなってくると、下腹部が膨らんできたり、違和感を感じることがあります。卵巣は腹壁の近くにあるので、卵巣が大きくなると腹壁が引っ張られてつれるような違和感や軽い痛みを感じるのです。時には腰痛の原因になることもあります。
さらに大きくなると、突然下腹部の激しい痛みが起こり、ショック状態に陥ったり、嘔吐を起こすことがあります。これは、卵巣が茎捻転を起こした時に起こる症状です。大きくなった卵巣がなにかの弾みに根元からねじれた状態です。ねじれた部位から血行が途絶え、卵巣の細胞が壊死(腐ること)してしまうので、この場合は緊急手術が必要です。
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■そしたらどうやって気付くんだろう。
私が病気に気付いたきっかけは、
不正出血でした。
夏の1か月以上、生理が止まらなかったのです。
さすがに何かがおかしいと思い
婦人科を受診したところ、この
病気が発覚しました。
生理不順はホルモンバランスの影響で、
病気に関係はしていなかったのですが、
検査により偶然に見つかったのです。
その時には両側の卵巣が
こぶし大の大きさにまで
腫れていました。
幸い、私の場合は両側とも良性でした。
ですが腫瘍の大きさから
手術が必要だと告げられ、
すぐに入院・手術を行いました。
1週間程度の入院でしたが、
今でも小さい傷跡が3か所、
おなかに残っています。
■もしもっとひどかったら?
もし、これ以上の大きさに膨らんでいたら。
場合によっては卵巣自体を
摘出することもあるそうです。
卵巣は片側だけでもあれば排卵があり
妊娠することができますが、
両側がなくなれば妊娠することは
できません。
卵巣嚢腫は、多くの女性がなる
病気ではありますが、
それと同時にとても怖い病気なのです。
卵巣腫瘍。卵巣腫瘍とはどんな病気か 卵巣は子宮の左右両側にひとつずつあり、通常は直径2〜3cm程度の大きさです。卵巣と子宮をつなぐ役割をしているのが卵管です。この卵巣にはれが生じた状態を卵巣腫瘍といいます。多く gooヘルスケア 家庭の医学。
■不安と偏見。
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また、検査の結果を待つ間、
「もしがんだったらどうしよう」
という不安な思いが何度も浮かびました。
怖くて、家族以外に誰にも
相談できませんでした。
さらに婦人科系の病気は
時に偏見を生みます。
すぐに「子供が産めない身体」と言われたり
「男性との経験が影響してるんじゃないか」
と思われたり。
全く関係のない病気でも、
婦人科の病気といわれたら
世間の人はそう思う人がとても多いのです。
“女性”だからこそ。
なぜここまで話したかというと。
女性特有の病気は、中には
女性らしさを奪っていくものが
あります。
でも、多くの病気は検査で
発見することができるものなのです。
定期的に、検診を受けに行きませんか?
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女性特有の病気は、
卵巣だけでなく、子宮の病気、
乳がんなどさまざまあります。
ですが早期発見でして治療を開始すれば、
治療は可能です。
自覚症状が出る前に、検診で
身体の異常を知りましょう。
国の取り組み。
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今、厚生労働省は検診の推進事業を行っています。
がんや病気の早期発見のために
市区町村ごと、定められた年齢別に
検診の無料クーポンを配布しています。
がんは我が国において、昭和56年から死亡原因の第1位であり、がんによる死亡者数は年間30万人を超える状況となっています。
診断と治療の進歩により、早期発見、早期治療が可能となっていることから、がんによる死亡者数を減少させるためには、がん検診の受診率を向上させ、がんを早期に発見することがきわめて重要です。
しかし、我が国では、がん検診受診率が低い状況にあります。
このため、一定年齢の方を対象に、がん検診(子宮頸がん検診、乳がん検診及び大腸がん)の「検診無料クーポン」と、がんについてわかりやすく解説した「検診手帳」が配布されることとなりました。
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■今ではがんは”治せる”病気
がんの治療実績
(平成9年~11年診断例の5年相対生存率)
今ではがんは、早期発見・早期治療で
治すことができる病気になりました。
■事業の対象者
対象者は以下の通りです。
■ 子宮頸がん検診無料クーポン
20歳、25歳、30歳、35歳、40歳になった女性対象
■ 乳がん検診無料クーポン
40歳、45歳、50歳、55歳、60歳になった女性対象
■ 大腸がん検診無料クーポン
40歳、45歳、50歳、55歳、60歳になった男性及び女性対象
他にも、お住いの市町村ごとに
何らかの検診があることがあります。
詳しくはお住まいの地域の
がん検診担当窓口まで
お問い合わせください。
がん検診推進事業についてについて紹介しています。
■がんだけでなく、ほかの病気が見つかることも。
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検診によって、がんではない
別の病気を見つけることもできます。
早期発見により、適切な治療をして
身体に傷をつけずにすむことだってあります。
「恥ずかしい」なんて思わないで。
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「婦人科を受診するのが恥ずかしい」
「検診は行きづらい」
私も病気になる前はそう思っていました。
でも、恥ずかしがる必要なんて
ありません。
自分の身体の状態を知ることは
とても大事なこと。
1年に1度くらい、自分の身体と
向き合う時間をつくってみてください。
少しでも多くの女性の不安が
解消されますように。