小さな子どもが居ると悩みのタネとなりやすい「ママ友問題」。お互い持ちつ持たれつでお付き合いが出来ればよいですが、ちょっとしたことで関係性が崩れてしまうこともあるでしょう。

　自身の友人関係とは違い、子どもありきな関係だけに対応が難しいと感じる場面が増えてきますよね。

　千葉県在住の主婦・あやこさん（仮名・33歳）は、4歳の男の子のママ。子どもの入園に合わせて運転免許を取ったことをきっかけにママ友関係でモヤッとする経験をしたんだそう……。


「子どもが幼稚園に入園したことをきっかけに、通園や習い事の送迎など行動範囲がグッと広がりました。悪天候の日の子どもとの行動に制限がかかることを踏まえて、子どもの入園に合わせて運転免許を取得したんです。

　車で行動できるようになり、外出しやすくなったのですが、免許を取得したことをきっかけにママ友との関係性で悩みが増えてしまいました」

　そう語ってくれたあやこさんは、旦那さんと3人暮らし。あやこさんはこれまで運転免許がなかったため、出かける際は旦那さんに運転してもらうか、旦那さんが不在の日は自転車で行動していたそうです。


「これまでは天気が良い日は自転車で公園に行ったり、お散歩がてら子どもと一緒に歩いてスーパーに行ったりと不自由なく生活していました。

　ですが、子どもが幼稚園に入園したら雨の日も送迎が必要になることを考えて、私も運転できた方が良いと思うようになり、入園時期に合わせて免許を取得しました。実際に車で行動できることで行動範囲が広がり、充実した毎日を過ごしています」

「1年くらい前に隣に越してきたさやさんとはママ友で、子どもたちも同級生。同じ幼稚園に通い始めてより仲良くなったんです。さやさんは車の運転ができないので自転車で子どもの送迎をしており、あまりにも天気が悪い日や、さやさんの体調が悪い日など私がさやさんの息子も一緒に園に送迎していたこともありました。

　家も隣で園も同じなので送迎することは何の問題もないですし、私も助けてもらったことがあるので持ちつ持たれつの関係性だと思っていました」

　子どもたちは入園前から大の仲良し。一緒に公園に行ったり、お互いの家にも行き来する仲だったので、2人はママ友とはいえ本当に友達のように仲良くしていたそう。


「幼稚園に入園してからは、さやさんとさやさんの息子も車に乗せて子どもたちを園に送り、月に1度程度ですがそのままさやさんとランチに行くこともありました。毎回『いつもありがとう！』と言ってくれていたので、良い関係性が築けているなぁと思っていたのですが、次第にさやさんの言動にモヤモヤするようになっていったんです……」

　園に子どもを送ったあとにランチをしていると、『夫の仕事が忙しくなっちゃって、土日も仕事の日が増えたから、たまに土日も誘って良い？』と聞かれました。うちの夫はシフト制で土日仕事のこともあったため、お互い予定が合うときは遊ぼうという話になったんです」

　子ども同士も親友のような存在だったので、一緒に遊ぶことには大賛成だったそうですが、関係が近くなりすぎたことに今では少し後悔しているんだとか。

「近所の公園や家の行き来が多かった今までとは違い、さやさんから『明日、新しくできた公園に行かない？』と提案され、車を出して出かけたことがあったんです。

　それからというもの、頻繁に車でないと行けないような遠出に誘われることが増え、ストレスになっていきました。一度『自転車で行けるところにしない？』と提案するも、『車の方が色んな所行けるじゃん！』と言われて不信感が募り始めました。

　子どもを遊ばせる目的ならまだしも、『明日コストコいかない？』など、車を出してもらうていの誘いになってきていることが気になり始めたんです。『車ありがとね！』とは毎回言ってくれるものの、ガソリン代や高速代もかかるので、次第に誘いを断ることも増えていきました」

“運転できないと行動範囲が狭くなる”というのは、経験からあやこさんも理解できると話してくれましたが、旦那さん不在の時間が増えたことでなんだか足にされている感覚に陥ったとも言っていました。


「土日の誘いを断ることが増えてから数か月たって、私とさやさんが仲良くしていたのを知っていた共通のママ友から、『さやさんが、あやこさんが毎週のように誘ってくるから出かけるたびにお金がかかって大変だった』と漏らしていたと聞き、ショックを受けました。

　私が誘いを断るようになってから、少しきまずい雰囲気になっていたので嫌な気持ちになっていたのかも知れません。仲が良いと思っていたさやさんの裏の顔を見たような気持ちになり、ママ友付き合いは深くなりすぎない方が良いと今では勉強になりました」

　子育て中は助け合えるママ友がいると心強いですが、関係性が近くなりすぎると相手への配慮に欠けてしまうこともあるのかもしれません。さやさんは、今後のママ友の関係は、程よい距離感を保って関わっていきたいと語ってくれました。

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＜文・取材／鈴木風香　イラスト／zzz（@zzz_illust）＞