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“子どもの学びのチャンス”は意外な場所にあった。東大卒の“スーパーマーケット”専門

時刻(time):2023-07-08 16:35源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
スーパーを、楽しい学びの時間にするために。 親子でスーパーマーケットに行くことが、最高の学びになることを知っていますか? こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、スーパーマーケットやコンビニグルメ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。 みなさんは子どもと一緒に
 スーパーを、楽しい学びの時間にするために。

食材を吟味する筆者の息子

親子でスーパーマーケットに行くことが、最高の学びになることを知っていますか?

 こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、スーパーマーケットやコンビニグルメ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。

 みなさんは子どもと一緒にスーパーマーケットに買い物に行くことはありますか?

 私は食育とスーパーマーケットを専門にする立場として、ある相談を受けることがあります。それは、しっかり買い出しを済ませたいのに、子どもがついてくることで落ち着いて買い物ができない、ぐずられて対応に困るといったようなことです。

 ひとたびこのような悩みを抱えてしまうと、せっかくの買い物が楽しくなくなってしまうどころか、子どもにとっても良い時間にはなりません。コレ、我慢しなければならない試練なのでしょうか?

 答はノー。実はスーパーマーケットは食育の源泉になりうる素晴らしい場所。ちょっとした発想転換をすることで楽しい学びにつなげることができると、私は考えています。

 そこで今回は、我が家(小学2年生の男の子)での実践エピソードをご紹介しながら、今日からすぐにはじめられる“親の心得や工夫”について一緒に考えていきたいと思います。








「買い出しは義務」という発想を変えてみる


 まずは、みなさんご自身の“買い物に対する意識”について確認するところからはじめていきましょう。

 もしかすると「育児や仕事の合間を見つけて買い出しをしなければならない」という状況かもしれません。改めて、私もその気持ちに共感しつつ、本当におつかれさまですと申し上げたいです(当たり前だろと思われていて、誰も言ってくれないですよね)。

 そうです、「買い物は親がしなければならない切羽詰まった義務的な行為」という考えを強く持っていませんか? もしそうだとしたら、月に一度だけでも少し考え方を和らげてみるのはいかがでしょうか?

 例えば月に一度、子どもとスーパーでの買い出しを楽しい時間として決めて、どうせなら学びにもしちゃおうという発想です。

 私は子どもと一緒に生活をする上で、勉強以上に大切にしていることがあります。それは、「食卓は家族みんなで作るもの」という考え方。

 食生活をやりくりすることは、勉強や習い事よりも根源的であり、毎日そして一生続く大事なテーマです。子どものうちから能動的な思考や行動ができるようにしておくことは、将来大きな差になっていくことを自分自身の体験を通して実感しています。

【関連記事】⇒子どもを料理好きにしたいなら、絶対にやってはいけない5つのこと

 それでは実際に私が息子と実践していることの中から、誰でも今日からすぐにはじめられる3つのアイデアをご紹介します。





①子どもに目的や楽しみを持たせる


⇒食品ロスや環境問題に興味を持つきっかけに。主体性を養う

関東地方を中心に展開するサミットストアの「もぐもぐチャレンジ」という企画に参加しています

関東地方を中心に展開するサミットストアの「もぐもぐチャレンジ」という企画に参加しています

 子どもと一緒に買い物に行くと言うことを聞いてくれない。その理由は、ごはんはお父さんお母さんが作ってくれるものという価値観を持つ子どもにとって、スーパーには確かな目的や喜びがないからです。まずはその状況を変えていくことを考えましょう。

 手法は一つに限らないとは思いますから、我が家ではさまざまな目的を設定するようにしています(子どもには伝えなくてOK)。

 例えば、サミットストアで実施されている「もぐもぐチャレンジ」という企画があるのですが、これは賞味期限が近づいた値引きシールとセットで貼られている食品ロス対策の取り組み。

 我が子はこのリスのシールを見つけて、カゴに入れるのが楽しいようで、家計にとっても嬉しく、家族全員の喜びにもつながります。もちろん食品ロスの概念について自然と学ぶ機会に。

 そしてもう一つは、時間を見つけて「買い物メモ」を書いてもらうようにしています。

息子が6歳のときに書いたレシピ兼買い出しメモ。牛肉やレーズン、ニンニク、ニンジンなどを買うことが本人にもわかります

息子が6歳のときに書いたレシピ兼買い出しメモ。牛肉やレーズン、ニンニク、ニンジンなどを買うことが本人にもわかります

 買い物を少しでも主体的に捉えてもらうために、自分が何を買わなければならないのか、子どもにもやりくりを考えてもらいます。












②上手にできることを褒める場所にする


⇒得意を伸ばす、自信をつける、器用さを磨く

玉ねぎやジャガイモを選りすぐって3個袋に入れている息子

玉ねぎやジャガイモを選りすぐって3個袋に入れています。傷がなく大ぶりなものを選ぶ“野菜の目利き”として活躍してくれることを褒めるようにしています

 学校や習い事、家庭においても子どおたちは「ちゃんとしなさい、静かにしなさい、言うことを聞きなさい」と言われ続けています。

 こんなに言われて本当に魅力的な大人に成長するの? とたまに心配になることがあります。そこで、褒める場所としてスーパーを楽しむのはいかがでしょうか?

 ポイントは、子どもの活躍シーンを作ってあげること。例えば、カートをひいてもらう、野菜詰め放題、セルフレジ、氷を取ってくるなど、なんでもいいと思うのですが、上手にできたら笑顔で褒めてあげましょう。

 ちょっとした親の意識によって、子どもは自分の食生活を考えて楽しむ力を自然と習得していくようになります。

ドライアイスの販売機の前に立つ息子

8歳になりドライアイスをセットすることが上手にできるようになりました。成長に合わせて、安全第一で新しいことにチャレンジしていくと、自信がつきます






③スーパーをワクワクする場所、発見の場所として楽しむ


⇒観察力、集中力、想像力を養う

自分で選んだものをカゴに入れている息子

食べたことのないジャムや一人で作ってみたかったインスタント味噌汁を探してきてカゴに入れています。選んできたものに対して否定をしないように心がけています

 そしてもう一つは、ここぞというタイミングを決めてでも構わないですから、「スーパーは日常の喜びを発見できる場所」であることを体験させてあげるようにしましょう。

 チラシを見てお買い得な商品を発見する喜び、おいしそうな食べ物を見つけるワクワク感、珍しいものを買ってみるドキドキ感。親も童心を思い出して一緒に楽しんでみてください。

 子ども専用のエコバッグを持たせてあげるのも良いでしょう。明日の朝ごはんにあると嬉しい食べ物を探してみる、自分一人で作れるようなインスタント食品にチャレンジするのも面白いと思います。

買い物に行く時の様子。カバンの中には自分専用のエコバッグが入っています。宝探しに行くような感覚でスーパーに向かいます

買い物に行く時の様子。カバンの中には自分専用のエコバッグが入っています。宝探しに行くような感覚でスーパーに向かいます

 スーパーで子どもが見つけてくる商品にはたびたび驚かされますが、たまにはそれを思いっきり受け止めてあげて、理解してあげることに損はありません。

 子どもの自由な発想力や自信を大切に、スーパー時間を楽しんでみてくださいね!

<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。ビューティーガール連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12




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