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「猫の糞尿で汚れたこたつを介護スタッフが…」深刻化する高齢者のペット問題。猫を引き

時刻(time):2023-07-07 16:45源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
【 今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.111】 大福豆さん( @8DAI7FUKU10MAME )宅で暮らす、みーちゃんとちび太ちゃんは、少し変わった経緯で迎え入れられた猫たち。 みーちゃん(右)、ちび太ちゃん(左) 実は、ケアマネジャーとして働く大福豆さんが担当している利用者Aさんから譲り受けた子たちです。 【画像をすべて見る】⇒ 画像をタップすると
今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.111】

 大福豆さん(@8DAI7FUKU10MAME)宅で暮らす、みーちゃんとちび太ちゃんは、少し変わった経緯で迎え入れられた猫たち。

みーちゃん(右)、ちび太ちゃん(左)

みーちゃん(右)、ちび太ちゃん(左)

 実は、ケアマネジャーとして働く大福豆さんが担当している利用者Aさんから譲り受けた子たちです。

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認知症とガン発症で猫の飼育がままならない


 大福豆さんは、Aさんの夫・Bさんのケアマネジャーをしていました。気丈なAさんは夫の入浴介助だけを希望。

 しかし、Aさんには認知症の兆候があり、餌付けした子猫のみーちゃんを適切に飼育しているとは言いがたい状態でした。

「みーちゃんは部屋をひっかき回して、座布団に粗相。屋内外を自由に出入りしていました」

お迎えして間もない頃の、みーちゃん

お迎えして間もない頃の、みーちゃん

 Bさんの死去後、Aさんの認知症は進行し、さらにガンを発症。

 身の回りのことができなくなり、家族からの相談で、大福豆さんが勤める事業所を利用するようになりました。

 そんなとき、みーちゃん以外のもう1匹の猫の存在を知ります。ちび太と名付けられたその子は、みーちゃんの子どもでした。





愛猫を心配して入所を拒否する女性


男の子だと思われていた、ちび太ちゃん

男の子だと思われていた、ちび太ちゃん

 Aさんはやがて、室温を調整することもできないほど、衰弱。別居家族が2~3日おきに食事や飲み物を届け、猫のお世話をするようになりました。

 そして、看取り期の過ごし方を考えてもらう段階になったとき、大福豆さんは併設されているサービス付き高齢者住宅への入居を提案。しかし、Aさんはみーちゃんとちび太ちゃんのことが気がかりで、入所を拒否したのです。

「家族は里親を探しましたが、なかなか見つからず、保健所に……との声も出始めました。保護団体に相談しようかと思ったのですが、貰い手が違うと母娘猫がバラバラになってしまうという現状や、みーちゃんが産んだ子猫の中で、ビビりなちび太だけを手元に残していたAさんの気持ちを汲みたいと思ったんです」

 実は同時期、大福豆さん宅では兄弟猫を亡くした豆くんが認知症のような状態になっていました。

3兄弟の末っ子だった豆くん

3兄弟の末っ子だった豆くん

「大・福・豆という3匹の男子保護猫を飼っていた我が家なら、2匹を一緒に迎えてあげられる。認知症かもしれない豆が現役感を取り戻せるかもしれないし、Aさんにもときどき、姿を見せてあげられると思ったんです」

 そこで、大福豆さんは自分にとって“最後の猫”として、みーちゃんとちび太ちゃんを迎え入れることにしました。












お迎え計画を立てるも保護は難航


 まずは、生命の危険があるAさんを事業所へお迎えし、Aさんの家族には猫たちへのご飯と保護をお願いしました。そして、無事に保護をしたら、事業所に連れてきてもらい、2匹同時に大福豆さん宅へ迎え入れるという計画を立てました。

 しかし、警戒心が強いちび太ちゃんの捕獲は難航。そこで、みーちゃんを先に迎え入れ、ケージ生活をスタートさせることにしました。

おうちに慣れ始めた頃

おうちに慣れ始めた頃

 豆くんは同居猫の登場が嬉しかったのか、数日で距離を縮め、みーちゃんの後を追いかけるように。夜鳴きも止み、表情もキリっとしたものになりました。

ピアノの上でポージング
 そんなとき、予期せぬ事態が……。なんと、ご飯をあげにきていた家族が換気のために開けた窓から、ちび太ちゃんが脱走してしまったのです。

 家族は捜索し続けましたが、ちび太ちゃんは戻らず。そこで、Aさんに一時帰宅してもらい、家の中から、ちび太ちゃんの名前を呼んでもらうことにしました。

「そしたら、ちび太はトコトコと家の中へ戻ったそうです。Aさんの手で抱っこしたところを家族がキャリーケースに入れて捕獲し、我が家へ迎えることができました」






警戒心の強かったちび太が徐々に心を開いてくれて……


 新しい環境に怯え、ゲージ内のトイレで数日間、震えていたというちび太ちゃん。人間が会話できないほどの大声で鳴き続けました。

家に来た日のちび太ちゃん

家に来た日のちび太ちゃん

「触ったり抱っこしたりは、もちろんNG。ご飯や水も拒否。母であるみーちゃんは、ちび太にシャーと言い、便乗して豆も威嚇。2匹の洗礼に、ちび太はさらに混乱していました」

 ちび太にとって、このお迎えは、もしかしたら逆効果だったのでは……。大福豆さんはそんな気持ちになりましたが、一緒に暮らす中で変化が。

 喉を鳴らして近づいてきたり、腕を伸ばせば届くギリギリの距離でゴロンと甘えたりするなど、距離が少しずつ縮まっていきました。

ギリギリの距離でゴロン
「抱っこはまだドキドキしちゃうみたいで、数秒で逃げだすのですが、それもかわいい。最近では、ご飯を食べる前にお利口さん座りで待つ姿にハートを鷲掴みにされています」













猫たちの様子を見るのは「下手なドラマより面白い」


 また、大福豆さんの旦那さんは、みーちゃんにメロメロに。

キャットタワーを楽しむ姿
「スリスリしてニャーンと甘えるので、猫の世話をしたことがなかった夫は、みーちゃんのために真っ白なお城のようなキャットタワーを購入しました(笑)。愛情を一身に受ける能力がある美魔女です」

 人も猫も虜にするみーちゃんの女帝ぶりや、みーちゃんには従うものの、ちび太ちゃんへの嫉妬心は剥きだしにする豆くん、大福豆さんを独り占めしようとするちび太くんのユニークな猫模様に大福豆さんは日々、笑顔になっています。

向かい合う2匹
「下手なドラマを観るより面白い。新しい猫たちが家族になったことで、娘たちや夫と連絡を取り、近況を報告することも増えました」

 なお、Aさんとは今も交流があり、ときどき、動画や写真を見たり、同じ事業所で働く介護福祉士の長女さんから「新しい家族の中で元気に暮らしてるよ」と伝えたりしています。






介護職員が直面した「不適切飼育を正せないもどかしさ」


 20年以上、介護業界に身を置く大福豆さんは、これまでにも多頭飼育崩壊や不適切飼育をたくさん目にし、その度になんとかしたいという気持ちと、それができない現状に苦しんできました。

 過去には、子猫が死んだと泣く利用者が下駄箱の中にしまっていた亡骸を一緒に取り出し、庭の隅に埋葬したり、糞尿で汚染されたこたつの上掛けを調理の合間に洗って干したりしたことも。

「介護保険では、ペットの世話はNGですが、利用者にとって動物が家族で生きがいだと理解しているヘルパーほど、やむにやまれず隠れて対応してしまう。完全なボランティアです。

 2000年の介護保険施行後、改定のたびに利用者への生活援助そのものが大幅に縮小されてしまいました。ヘルパーが善意でしていたペットの粗相の始末などをする時間がなくなり、事態はより深刻になっています」













ペットと暮らす高齢者が直面する問題


 大福豆さんは現在の介護サービスは利用者の話をじっくり聞くことすら難しい細切れのものになっているといいます。

キャットタワーからのぞき込むちび太
「さまざまな動物を飼うことが普遍的になった社会には、本来ならペットの飼育が難しくなった家庭への“ホームヘルパーの犬猫版”が必要。

 最近では自費サービスとして行っているところもありますが、年金生活で自身の介護サービス料とペットシッター利用料を支払い続けることができる方は極めて少ないです」

 また、国は住み慣れた家(地域)で最期まで暮らす「地域包括ケアシステム」の浸透を目指していますが、ペットと暮らす高齢者を支えるサービスがほとんどない現状のままでは実現が難しいといいます。

 なぜなら、動物と暮らしながら在宅サービスを受けている高齢者は、介護が断片的なものであることからペットとの在宅生活の継続が困難になっており、施設への入所などで自宅から介護が受けられるところへ住み替えるにしても、家族であるペットをどうするのかという問題に直面するから。






ペットとの生活を継続できる介護サービスを


「ペットと入所できる施設や事業所はほぼないので、勤務先の事業所で、そういうサービスを作り出せたら……と思っています」

 その計画を実行するにも、ただでさえ介護職員が不足している中、動物の世話までマルチにこなせる職員を雇用できるかなど、考えなければならない問題は山積み。それでも、大福豆さんは人も動物も穏やかに老いることができる仕組みを作れたらと考えています。

くつろぐ姿が愛おしい
 もちろん、自身の年齢や体調を踏まえて動物のお迎えを熟考することは大前提。しかし、病状の悪化や病気の発覚によって、ある日突然、動物を飼育できなくなるという悲劇は誰しもに起こり得るもの。

 自分の身に何かあっても、“うちの子”が愛され続ける仕組みを、改めて考えていきたいものです。

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<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291




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