学校や習い事などでたびたび問題になるのが、教師などに自己中心的で理不尽な要求をする「モンスターペアレント」の存在。同じ親からしても、度がすぎると「なるべく距離を保ちたい」と思うものです。
今回は、息子の小学校で遭遇した“大物”なモンスターペアレントについて藤井環奈さん(仮名・33歳)が語ります。
平和な田舎の小学校での生活

※イメージです(以下、同じ)
「息子が通うのは、全校生徒が800人以上いる公立の小学校です。毎年のクラス替えは、担任の先生によって教育の質が偏ることがなく、毎年新しい友人が増えるので、子どもの刺激になって良いと感じていました。
クラス替えの度にママ友との間で話題になるのが『学年で有名なモンスターペアレントの子どもと同じクラスではないか』という事でした。担任が誰かよりも、あの子と同じクラスにだけはなりたくないと言っているママは多いですね。
うちの子は幸い、4年生までは子ども同士のトラブルも、親のトラブルもなかったので、半ば他人事のような感じでママ友が話すモンスターペアレントの話を聞いていました」
好きな子の話で盛り上がる小5男子たち
5年生になった息子が連れてきたのが新しいクラスの友人でした。
「息子がクラスメイトを5人、家に連れてきたんです。みんな感じのいい子たちで、挨拶もきちんとできるし、いい友達に恵まれて良かったな、安心だなと思っていました」
息子と友達は、学校で誰が好きかという話題を部屋でコソコソと話していたそう。
「もう息子もそんな時期なのかと感じながらも、微笑ましいなと見守っていました。男の子たちは好きな子の話をするのが恥ずかしいような、嬉しいような表情で可愛かったですね」
小学校からの呼び出しに大慌て
ところが、その翌週に事件は起こります。
「あの日は昼過ぎに、小学校から電話がきました。担任の先生が『お母さん、本日小学校へ来ていただけませんか?』と。急な呼び出しに心臓がバクバクしましたね。息子に何かあったのかと心配で……とりあえず戸締りだけして、慌てて学校に向かいました」
小学校に着くと、環奈さんは校長室に通されます。環奈さんの前には、校長と担任が座っていたそう。
「就活の面接のような、重苦しい雰囲気が漂っていました。でも、至急の件ではなさそうだなとちょっと安堵感もありましたね」
担任からの予想外の言葉とは…

その後、担任の口から出た言葉に衝撃を受けた環奈さん。
「担任が言うには午前中に、息子と同じクラスの子のお父さんがある訴えをしに校長室へやってきたと……。それが、『うちの息子の好きな子を暴露したのはどの子だ』という内容だったそうなんです」
担任の話に仰天した環奈さん。そして、暴露をしたのが環奈さんの息子だと話したそう。
「正直、息子の友達が家に遊びに来たのも忘れていた頃でした。その子のお父さんの話では、うちに遊びに来たときにクラスメイトと一緒に好きな子の話をして、そこで初めて打ち明けた好きな子のことを、別のクラスメイトが知っていたそうなんです。それで、他言したのは誰だと校長に訴えにくるなんて……」
学校からは「注意して」と助言
しかし、まだその時点では、学校から呼び出されるほどの話なのだろうかと感じていたそう。
「それが、これまでも度々トラブルがあった方で、その度に学校で対応しますとなんとかなだめているそう。でも以前、別の件でその父親が相手の子どもに直接注意して、泣かせたこともあったそうで……。『息子さんとその子のお父さんが直接接触する可能性もあるので、ご家庭でも注意してください』との話でした。
子どもはいい子なのでまた遊びに来てほしいとは思いますが、こんなトラブルにこれから1年ビクビクしなくてはいけないのかと思うと気が重いです。ママ友の『モンスターペアレントの子どもは別クラスがいい』という気持ちを身を持って実感しました」
担任の先生は子どもたちを集めて話をし、状況を把握してくれたそう。しかし、子どもたちはまるで気にする様子もなく、仲良く過ごしているんだとか。モンスターペアレントに頭を悩ませるのは、教師や学校だけではないようですね。
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<取材・文/maki>
(エディタ(Editor):dutyadmin)