太りやすくなったり、爪がボロボロになったり、階段で息切れしたり…。普段の“ちょっとした体調不良”でも起こることが起こるため、気が付きにくい「甲状腺低下症」。
漫画『ある日突然、起きられなくなりました~甲状腺低下症との闘い~ 』は、現在、電子書籍にて販売中。17年ほど前に甲状腺低下症を発症した漫画家の久保田順子さんの闘病生活を描いたものです。

『ある日突然、起きられなくなりました~甲状腺低下症との闘い~』(久保田順子/ぶんか社)
本記事では4話と5話を紹介し、後半では前回に引き続き、久保田さんのインタビューをご紹介します。
【前編記事】⇒1~3話&久保田順子さんインタビューはコチラ!

より多くの人に甲状腺低下症を知って欲しい
――ご自身の闘病経験を漫画にしようと思ったキッカケは何でしょうか?
久保田順子(以下、久保田):同じ甲状腺の病気でも、バセドー病はすでにすごく有名で、漫画があったり、芸能人やスポーツ選手の方が公表したりしていました。バセドー病には、“痩せる”とか“目が突出する”とかの症状があることも知られていたように思います。
ですが、甲状腺機能低下症については、まだそこまで有名じゃないと感じていました。世間での認知度が低いと思ったので、多くの人に知って欲しいと思ったのが、闘病漫画を描いたキッカケです。
甲状腺機能低下症で、多くの方に起こる症状は太るということなんです。甲状腺のホルモンが不足して代謝が悪くなるからです。でも、「最近太ってきたから、病気になってるかも」とは、思わないですよね。「痩せる」なら周りから心配されたり、病気を疑ったりもしますが…。
現在の生活で気をつけていること
――現在はほぼ寛解しているのでしょうか?生活の中で気をつけていることなどはありますか?
久保田:1日1錠の薬を飲むだけなので、飲み忘れなければ体調は安定しています。普段の体調は、気をつけていないとちょっと太りやすいというのはあります。あと、喉が他の人よりも腫れているので、声がガラガラになったりもします。昔は喉がもっと腫れていて、今は半分くらいになっています。
甲状腺の病気の原因は、遺伝も強いのですが、1番はストレスだとお医者さんに言われました。なので、ストレスを溜めないようにしています。無理をせず、疲れることも極力しないようにしています。無理をすると喉が腫れてる感じがしたり、症状が出ることがあります。
――食事などで気を使うことはありますか?
久保田:海藻、ヨウ素を摂らないようにと言われています。昆布が1番ヨウ素が多く含まれているので、気をつけています。昆布の出汁(だし)が使われていることなど、意外と多いので。
ハイネックは苦しい
――甲状腺低下症と付き合っていく中で、特に煩(わずら)わしく感じることはなんでしょうか?
久保田:甲状腺がある“喉”が腫れるので、首周りのボタンがピッタリしている服とかは着ないようにしています。ボタンを閉めると気持ち悪かったりするので。ハイネックも苦しいので着ません。
あとは、代謝が下がりやすいので、油断をすると体重が増えやすかったりもします。
体の疲れが気になったら病院へ
――最後に、久保田さんから読者の方々にメッセージをお願いします。
久保田:甲状腺低下症になったことで、“目に見えない病気”はたくさんあるんだな、と思いました。顔色が悪くなるとか、げっそり痩せるとかみたいに明らかじゃなくても、元気に見えていても病気を抱えている人も、周りにもたくさんいるかも知れません。甲状腺低下症も、太ったりして“健康”に見られやすい病気なので、このような病気もあることを知ってもらえたらと思います。
もし、疲れがなかなか取れないとか、太りやすくなったとか些細な不調でも、気になったら積極的に病院に行って調べてもらって欲しいです。特に、更年期障害かなというような症状が感じられたら、血液検査で甲状腺刺激ホルモンという数値を入れてもらうことをオススメします。
<取材・文/まなたろう>
まなたろう
多岐にわたって興味があるアラフォーライター。コーヒーが好きで資格を取得中。海外に12年ほど住んでいたため、英語はそこそこ堪能。
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