【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.106】
bcxtg234さん(@bcxtg234)宅で暮らすちびちゃんは、野良猫が産んだ子。成長して行き場がなくなったちびちゃんを、飼い主さんは見過ごすことができず、自宅へ迎え入れました。

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会社の敷地内に現れた野良の親子
母猫は、飼い主さんの勤務先近くにある納屋でちびちゃんを出産。生まれた子猫は6匹でしたが、生き残ったのは、ちびちゃんのみ。ちびちゃん親子は2019年12月頃から飼い主さんの勤務先に住みつきました。

会社の敷地内には犬がおり、社員たちはちびちゃんにドッグフードをあげていたそう。飼い主さんと初めて出会った時、ちびちゃんは人間を警戒していました。
「5mくらい先に座り、私を見ていました。今まで見た野良猫の中で1番綺麗でかわいい、この猫は外にいるべきではないとさえ思いました」
とはいえ、同居している両親は動物嫌い。自宅に迎えることは難しいと感じたため、飼い主さんは出社するたび、ちびちゃん親子にご飯をあげ、見守るように。徐々に距離を縮め、3ヶ月後には撫でられるようになりました。
ちびちゃん親子にご飯をあげ、撫でてから仕事を開始し、仕事後にもご飯をあげて撫で、長い時は1時間ほど遊びに付き合ってから帰宅する――。いつしか、それが飼い主さんにとっての日常になっていきました。

「仕事がない日も出社して、ちびちゃん親子の存在を確認し、ご飯をあげていました」
母猫に縄張りを追い出された姿が痛々しくて保護を決意
そうした見守り方をして、3年が経った頃。ちびちゃんは突然、母猫に縄張りを追い出され、行方不明に。

発見できたのは、数日後。会社の隣家の壁の隙間に隠れていたちびちゃんは、とても寂しそうに見えました。
「後ろ足には噛まれた跡があり痛々しかったです。目は結膜炎になっていました」
見かねた飼い主さんは、ちびちゃんを保護。うちの子にしようと決意し、家族に相談するも、やはり両親は大反対。父親には「家がボロボロになる。猫は昔から嫌いだから無理」と言われ、母親からも「生き物が大嫌いだから、連れてくるな」と言われてしまいました。
しかし、小さな命を見捨てられなかった飼い主さんは、ちびちゃんが病気であることを話し、「猫を飼うのは最初で最後にするので、了解してほしい」と説得。何かあっても自分で対処することを条件に、承諾を得ました。

保護後は動物病院へ連れていき、目の治療を開始。
「目薬と抗生剤が処方されました。抗生剤は、ドライフードにかけてあげていました。3週間で完治しましたが、後に先生から、実は結膜炎の状態が悪く、目はどうなるか分からなかったと聞かされました」
ちなみに、母猫はその後も会社の敷地内で見守られながら暮らしていましたが、近所の人に保護され、外猫生活を終えました。
保護後は警戒心が薄れて甘えん坊にゃんこに
お迎え当初、ちびちゃんはケージの中で生活。最初の数時間は警戒していましたが、その日のうちにくつろぎだし、食事やトイレもしてくれました。
2週間後、ケージから出すと、ちびちゃんは部屋を散策。誤飲の防止のため、飼い主さんは物の床置きをやめ、部屋を片付け、猫トイレの場所は様子を見ながら調整。ちびちゃんは少しずつ、新しい環境に慣れていきました。
「触る時は嫌そうな素振りをしたら、一度ストップして様子を見ていました」

猫の気持ちを考慮した接し方を心がけた結果、ちびちゃんは心を開き、甘えてくれるように。今では仕事から帰宅すると、玄関に来てスリスリ。へそ天ポーズを見せて、遊びを要求することもあります。
獣医さんも「今日来た子たちの中で一番いい子」と称賛
「人懐っこくて、イタズラが少ない。できないことは自分で何とかしようとせず全部、お願いしてきます」

過去には、ユニークなお利口さんエピソードも。ワクチン接種日、動物病院へ連れていこうとするも、ちびちゃんは激しく抵抗。キャリーケースに入れるまでに3時間ほどかかってしまい、予約を取り直すこととなりました。

しかし、いざ病院へ着くと、ちびちゃんは激しい攻防戦が嘘だったかのように大人しく、診察後、獣医師は「今日、病院に来た子たちの中で1番おとなしく行儀のいい猫でした」と称賛。飼い主さんは、複雑な気持ちになってしまったそうです。
猫を飼うことに大反対していた両親もちびちゃんの虜
この子の面倒は、ひとりで見ていく。飼い主さんは、そう覚悟していましたが、予想外の事態が。なんと、一緒に暮らす中で両親がちびちゃんの虜になったのです。

お母さんは毎日おやつをあげるようになり、お父さんはちびちゃんのために魚を釣ってくるまでに。
「父が釣った魚は母が調理して、ちびのおやつになります。母は『ちびよりかわいい猫は見たことがない』と言い、私が出張の時は面倒を見てくれます」

ちびちゃんは、飼い主さん家族をひとつにまとめてくれるキーマンになっています。
「ちびは自分にとって、最初で最後の愛猫で家族の一員。誰よりも大切な存在です」
母猫から突き放され、孤独だった1匹の猫は新しい家族を今日も笑顔にしています。
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<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
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古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
(エディタ(Editor):dutyadmin)

