2020年初頭から新型コロナウイルスの感染拡大が始まると、さまざまな情報が錯綜し、振り回されて大変でしたよね。
海川きよこさん(仮名・40歳)は、ワイドショーの情報に踊らされる義母に振り回されてしまったひとり。
ワイドショーに影響を受け、買いしめに走る義母
「インターネットが使えない母は、日中ほとんどテレビのワイドショーを見ています。するとそれで得た情報を鵜呑みにして、わたしに連絡してくるんです」
マスクが不足して大騒ぎになったときには、義母はマスクをゲットするべく朝いちばんからドラッグストアに並んだそう。「2時間並んで、きよこさんの分もゲットしたわよ!」と嬉しそうなLINEが来て、戸惑うことも多々あったとか。
「情報を鵜呑みにしてパニックになると、より品薄になってしまうじゃないですか。トイレットペーパーも、品薄になると噂がたってしまい、やはり争奪戦になりましたよね。そのときも義母は毎日のように朝6時からドラッグストアに並んで、トイレットペーパーをゲットしていました。そのたびにおすそ分けをくれるので、我が家もトイレットペーパーまみれになってしまいました」
好意でしてくれているとわかってはいるものの、義母の執念とおすそ分けに困ってしまい、やんわりとお断りするもスルー。使命感に燃えた義母は、せっせとマスクとトイレットペーパーの買いしめにいそしみます。
やんわり止めても聞く耳を持たず

できれば買いしめにも参戦してほしくないので、海川さんはやんわりと、「十分備えたしもう大丈夫なのでは?」と伝えてみたそうです。けれど、義母は聞く耳持たずで「買っておかないと大変よ!」の一点張り。
夫にも、もう買い込まなくてよいと伝えてほしいと頼んでみましたが、夫は「あの人には、何言ってもムダ」とあきらめ顔。
しばらくしてマスクもトイレットペーパーも安定供給されるようになりましたが、その後はコロナの感染者情報や、ワイドショーで知ったマメ知識を毎日のようにLINEで送ってくるようになりました。
義母から毎日届くLINEにうんざり

「毎日の感染者と死亡者数に加え、不織布マスクは洗って繰り返し使えるとか、手作りマスクのつくり方とか、不要不急の外出をしないでねとか、ワイドショーのネタをそのまま毎日送ってくるんです。どんな情報でも100%正しいとはかぎらないし、わたしたちも自分なりにコロナ感染には気をつけているのに、しつこいLINEにうんざりしました」
既読スルーするわけにもいかず、毎日「ありがとうございます」のスタンプでやりすごしていた海川さん。
3年経った現在、義母の様子は
あれから3年。長かったコロナ禍が少しずつあけてこようとしている現在、義母はまだ厳戒態勢だそうです。
「ワイドショーで思い切り不安を植え付けられてしまったのか、義母は『わたしはマスクを外すのが不安だから、まだ外さないわ。うちに来るときもマスクしてきてね』と言っています。義母の中では、まだまだコロナ禍は終わらなさそうで、うんざりします」
世界中がパニックになったコロナ禍。予想もつかない事態に不安になるのはもちろんわかりますが、そんなときこそ少し冷静になることも必要ですね。
―シリーズ「SNSトラブル」―
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<文/塩辛いか乃>
塩辛いか乃
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako
(エディタ(Editor):dutyadmin)
