子どもを介した独特な関係「ママ友」。きっかけはどうあれ、気の合うママ友ももちろんいますが、そうでないとひどく疲れる付き合いになってしまうようです。
間島ななさん(35歳・仮名)は、もともとあまりグループでの行動が得意ではないほうでした。けれどたまたま幼稚園ママのグループが賑やかで楽しい人たちだったので、ママ友グループに誘われるままに出かけるようになりました。
賑やかなママ友グループ
「子どもが仲良しのお友達のママがいたこともあって、なんとなくそのグループによく誘われるようになりました。今まで大勢のグループで友達付き合いをしたことがなかったのですが、ハロウィンやクリスマスなど、お祭りのようなことは、大勢の方が盛り上がって楽しいですよね。そういうキラキラしたことにも憧れがあったせいか、そのときはとても楽しかったです」
参観日には、ランチ会なども頻繁に開催され、ノリがよくて笑いの絶えないメンバーに楽しく過ごしていましたが、徐々に「あれ?」と思うことが増えてきたと言います。
ママ友をディスる会話に恐怖
「総勢10人くらいのメンバーでしたが、誰かがいないときには、その人やその人の子どもをディスったりするんです。『〇〇くん、この前うちの子を叩いたのに、ママ見てなくてさぁ。謝ってくれないんだよね』と誰かが言うと、『そうそう、あの子ってママの前ではいい顔するし、ママは気づいてないのよ』と悪口三昧。彼女がいるときは、いかにも仲間みたいな感じで接するのに…ちょっとみんなのことが怖くなりました」
また別のランチ会では、子ども習い事について、その日いなかったママのことが話題に。
陰口を言いたい放題
教育熱心なママで、バレエにピアノにお勉強、あれこれ習い事をさせていることをあげつらい「子どもがかわいそうよね」「小さいうちはのびのびさせた方がいいわよね」と言いたい放題。

そうはいってもそれぞれ何かと習い事をしてはいるのだけれど、男の子はサッカー、女の子はチアリーディングなどおべんきょう系の習い事をさせているママが少なかったので余計に盛り上がってしまいました。
「普段は『わたしたちズッ友だよね!』といってワイワイ仲良くしているのに、いざその場にいないとあれこれ言うみんなにモヤモヤしました。あまり参加したくなくなりましたが、行かないと何を言われるのかわからないと思うと、不参加にもできず、気が重いまま参加していた状態でした」
実は他のママ友もうんざりしていた

その後、そのグループのママのなかで、個人的に気が合うママと話す機会がありました。グループの中では楽しそうにしていたので、みんなと仲良くしていると思い込んでいましたが、実はグループ内でも派閥があるらしく、お互いに集まって悪口を言い合っているのだとか。その関係に嫌気がさして、彼女も悩んでいることが分かりました。
それを聞いて間島さんも、そのうわべだけの関係に疲弊していることに気づきました。
「お互い陰で悪口を言い合っているなら、無理に一緒にいなければいいのにと思いました。なんとなく大勢で楽しそうでグループに入れてもらっていましたが、話題にも疲れるし、距離を置こうと決めました。わたしがいなくなって、わたしの話題で何かディスられても、聞こえないからもういいやって割り切ることにしました」
うわべだけの関係に決別
年度替わりのクラス替えのタイミングで、通院を理由に徐々に距離を置き始めた間島さん。相変わらずママ友グループは健在ですが、内部事情を知った今はうらやましいとは思わなくなったそう。
「『ズッ友』ノリに無理して付き合うよりは、本当に話せる人が少しだけいるほうが気楽だと改めて気づきました。子どもが小さいうちは大勢の集まりに参加したほうが楽しそうと思ったけれど、そうとは限らないですね」
ママ友との付き合い方も、自分にあったやり方を選ぶ必要がありそうですね。
―シリーズ「春のトホホ」―
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<文/塩辛いか乃>
塩辛いか乃
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako
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