22歳、カフェ店員、11畳のワンルームでひとり暮らし。ごく普通の女の子の日常がみずみずしくきらめいているのは、小さなマジックを生み出す方法を知っているから。
『毎日の生活にスパイスを!ご機嫌なひとり暮らし50のアイデア帖』(宝島社)の著者エムエムさんは、朝起きてから夜寝るまで、衣食住に愛着を持って過ごしています。とはいえ大げさなことも、無理なこともしていないのです。着るもの、食べるもの、住むところに、繊細な意識をそそいでいるだけ。
約20万人のフォロワーを持つ、暮らし系YouTuberとしても活躍しているエムエムさん。素敵な生活を、少しのぞいてみませんか。
開放感のあるお部屋の秘密
ひとり暮らしでワンルーム、スペースは11畳というと、広いと思う方もいるかもしれません。しかしキッチンや玄関スペースも込みとなるとどうでしょう。意外に狭いかもしれない、と心配になりませんか。ところが、エムエムさんのお部屋は解放感があり、光が満ちあふれています。その秘密は、メインカラーを白に統一しているから。白壁に白い家具。視覚的な効果でとても広く見えるのです。さらにベースが白なので、カラフルな小物が見事にマッチ。随所に配置されたグリーンも清潔感を演出しています。
あちこちにちらばりそうなデジタルグッズも、最小限に抑えているようです。テレビやオーディオはなく、映像はホームプロジェクターを愛用。白い壁をスクリーンにたちまちお部屋がシアターに変身。いつの間にか増えてしまう便利グッズや、足元がわずらわしくなるタコ配線など、考え方次第で減らすこともできるのです。
テーマごとにお部屋を仕切る
暮らすために必要なのは、ベッドにテーブルにクローゼットにシェルフ。なんとなく配置していると、お部屋が単調になりがち。気持ちを弾ませるために必要なのは、テーマを決めて変化を盛り込むこと。エムエムさんは「エリアごとでやることを分けて、快適に過ごす」をお部屋に組み込んで、3つのエリアに分けています。
ごはん&メイクエリア……部屋のまんなか、一番日当たりのいい場所にセンターテーブルを置く。ごはんもおいしく食べられて、メイク映えもする位置。
映画鑑賞&読書エリア……IKEAのソファの上でくつろぐリラックスゾーン。
デスクワーク&パーティーエリア……高さのあるテーブルとイスをセッティング。集中力を高める家具のチョイス。お友達が来た時はここでパーティーもするのだとか。
同じお部屋でもテーブルの仕様を変えたり、目的ごとに移動するだけで、気持ちが切り替わるもの。白が基調となったお部屋だからこそ、それぞれのテーマが際立つコーディネートができるのでしょう。
ひとりごはん、可能性は無限大
朝ごはんもカラフルなのがエムエムさん流。「集中して食べたくなるような魅力的な見た目だとワクワクするし、幸福度も満足度も高い」と言うように、今日という日を迎える最初の食事は、愛情を込めてサーブしたいですよね。
ホットケーキに目玉焼きやカットしたフルーツを添えて、おおぶりのグラスにそそいだバナナとベリーのスムージーなど、簡単に作れるメニューは彩り鮮やかなものばかり。自分で自分をおもてなしするのは、最高に楽しいと思いませんか。
夜は電気を消して、ろうそくにチェンジ。これだけでも特別感に胸がときめきますが、テーブルクロスや食器を変えてみると、非日常感が増します。自炊をしているエムエムさんですが、時には市販食材をいただくこともあります。でも、お気に入りの器にのせたり、ナッツやドライフルーツをトッピングするなど、やはり工夫は欠かしません。一手間加えるだけで心身が潤い、明日への活力になるのですね。
大切な人のために、思いをめぐらせる
五感で味わうプレートメニューは、イラストにして考えるそうです。心のおもむくままにタブレットの上でタッチペンを走らせる時間も、まさに至福なのでしょう。ひとりの朝食、お友達との気軽なランチ、特別な日のディナーなど、やはりテーマを決めてイメージング。大切な人の表情を想像していくと、エムエムさんご自身のワクワクも止まらないのかもしれません。調理前のイラストと調理後の写真を、対比させるのもおもしろいですよね。
一日を豊かにすれば、自分も豊かになる
衣食住は、人に与えられた最高の楽しみです。誰もがあたりまえに、服を着て、食事をして、それぞれのお部屋に住んでいます。何を着て、何を食べて、どこに住もうが、基本的には自由です。お金ではなく、心と気を配り、一日を輝かせることは自分自身を輝かせること。
「月に一度のピクニック」「おうちで『〇〇会』を定期的に開催する」「面倒な掃除は帰宅後すぐに取り掛かる」など、本書にすぐに真似できるエムエムさん独自のアイデアがたくさんあります。なかには「テーマを決めて、毎日違う自分になりきる」といった、自分を主人公に見立てたアイデアも。
いいえ、みんなが人生の主人公。今日一日を豊かに過ごせば、今日一日の自分が豊かになる。幸福はいつだって、自分で作れるもの。そんなシンプルな生き方を、本書はおしえてくれているのです。
<文/森美樹>
森美樹
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx
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