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カルト宗教から逃げるため“パパ活”した20代女性「奴隷のような生活でした」 | ビューティ

時刻(time):2023-02-15 15:34源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
―連載「 沼の話を聞いてみた 」― 「カルト宗教」と呼ばれる教団での奉公生活に疲弊していったKさん。当時は20代で、同年代の友だちが社会に出て稼ぎ、充実した生活を送る様子がたまらなくうらやましくなっていったという。 ※写真はイメージです(以下同) 「私の場合は教団で働くといっても固定給料はなく、本の売り上げに応じた歩合制です。しかもそれすら、支

―連載「沼の話を聞いてみた」―

「カルト宗教」と呼ばれる教団での奉公生活に疲弊していったKさん。当時は20代で、同年代の友だちが社会に出て稼ぎ、充実した生活を送る様子がたまらなくうらやましくなっていったという。

カルト体験談202302-3a

※写真はイメージです(以下同)

「私の場合は教団で働くといっても固定給料はなく、本の売り上げに応じた歩合制です。しかもそれすら、支部長の気分次第で減らされたり。朝から深夜まで活動をして、1カ月の収入は10万円弱。寮と呼ばれるマンション一室の維持費も支部が払ってくれるわけではなく、家賃、水道代、光熱費などは、入居しているメンバーと割り勘でした。精神を高め、人生の成功者になる。世界を救う。いくらそんな理想を夢見ても、奴隷みたいな生活がつづけば、次第に苦しくなってきます」






古参信者の説得で心折れる


そこでKさんはまず、同居している古参信者に相談した。同級生は社会に出て仕事をしてスキルを身につけ、休暇には海外旅行も行って楽しく暮らしている。それなのに自分はみじめで苦しい、とぶちまけた。

「古参信者には、こう返されました。あなたの友だちみたいなことをしていると生産性がない人生になる。そこを目指しても幸せになれない。もっと上の、別の次元を目指さなくてはいけないと。私は疲労で判断能力も鈍っていたんでしょうね。そう説明されると、納得してしまうんです」

それでも日々苦しさが募り、ある日寮へ戻らず、音信不通を試みた。しかし頼れる相手はいない。地元の友だちには「宗教」と言えば引かれてしまう。ひとり親である母は教団の信者ではないが、教団の教えに従い疎遠になっている。






頼れる人が誰もいない


身を隠すためには、教団とまったく無縁の人を探すしかない。数年間の薄給奉公生活で、金もない。そんなKさんが頼ったのはマッチングアプリだ。セーフティネットとしては不適切だが、誰もが適切な支援にすぐつながることができるわけではない。

「借金してカプセルホテルを転々としながらマッチングアプリで出会った人を頼り、泊まる場所を提供してもらいました。いまで言うところの、パパ活ですね。お金をくださいと積極的に言っていたので、逆に何ごとかと心配され、幸い危険な目に遭うことはありませんでした」








「常日ごろ、組織の活動を外部に漏らすなと指導されていたのがしみついていたので、『仕事が嫌になり逃げて自責の念にかられている』と説明してましたね。そうすると、一日過ごせるだけのお金をくれる人や、食事を提供してくれる人も現れます。パパ活を公言してのマッチングだったので、最悪殺される可能性も考えていたのですが……。希死念慮は強かったものの、怖くて死ねなかった。だから自死よりはマシ、どうなっても構わない、といった気持ちでした」

カルト体験談202302-3b
そうした生活を送るなかでも、「組織から逃げた自分の人生には破滅しかない」「自分は救われない」という恐怖がつきまとう。そして結局、教団へ戻るのだ。脱走して帰ってくる信者は少なくないようで、「組織を裏切った人の更生プログラム」も用意されている。






さらに過酷なノルマという地獄


Kさんを待っていたのは懺悔文と勤労奉仕だ。

・宗教施設の外壁掃除(小さなブラシと洗剤で壁を洗う)
・1日1000通以上のポスティング。23時から朝の4時ごろまでかかることもある
・支部長家庭の家事労働(衣類整理。壁や床、水まわりの清掃など)
・懺悔文を書き、幹部と面談。反省を促される

「雑務含め体力のいる作業も強いられるのですが、プログラムはもちろん一人で行います。当事者の反省と組織への奉仕という名目ですが、まるで見せしめのよう。幹部にはサディスティックな支配欲も感じました。そうしたプログラムを終え、まだ教団で働く意欲があると認められれば、また所属することができます。それを数回くり返しましたね。私以外にもそういう人はいて、結局みんな戻ってくるんだなあと」






なぜ教団を抜けられたのか?


Kさんはいま、教団とは完全に縁を切った生活を送っている。最終的に教団に戻らなかったのはなぜか。

「私たちにとっての教祖的存在である、支部長にクビにされたからです。そこでは包み隠さず心の底まで自己開示しつつ、懺悔文を書くのが常でした。だから逃走した際の生活も、ありのままに報告したんです。ところが常日ごろから支部長はとても潔癖で、特に男女のことには敏感な人でした。だからマッチングアプリで出会った人を頼って、というのがダメだったよう。戻ってきてもいずれ組織内にもトラブルを呼び込むと思うから、もう出ていけと」








更生プログラムを受けつついつもと変わらないハードな奉仕をしていたにもかかわらず、最後は「前回払いすぎた」と2万円を渡され、放り出されたKさん。そこではじめて「この組織に20代を捧げてきたのに、こんな扱いか」と完全に心が離れた。

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その後Kさんは親もとへ戻り、仕事も得て、穏やかな生活を送っているという。教団から追い出される前、あまりにお金がなく派遣でバイトしたことから失業保険が発生し「命綱になった」と話す。






「普通の生活」のありがたさ


Kさんの入信は、教団幹部が設立した「ビジネススクール」が入口だったが、失業保険を受けとりながら「社会人経験がなくパソコンスキルも低かったので、事務に必要な資格を取った」という。その話からは、教団のビジネススクールは実務にまったく役立たなかったこともわかる。

「その後はじめて一般の会社の正社員になると、給料にボーナス、有給、交通費、その他手厚い福利厚生を、生まれてはじめて安定して得ることができました。仕事上のストレスもなく上司はとても世話焼きで、褒め上手。まるで世界が違います。信者時代は、自分の好きなこともすべて無駄だと思い込まされ、楽しみは罪とされ、その結果、自分の選択を素直にできず教団の喜ぶように動いていました」






周りの友だちと比べて自分は…


「ときどき友人と会うときも、話すことが何も思い浮かばなくなり、つまらない人間になっていく実感は、本当に苦しかった。私が教団で苦しみもがいているあいだ、友人たちは仕事で着実にスキルアップしたり、家庭を持ったり、より豊かになって人生のコマを進めている。なのに自分は、机上の空論だけが得意な薄っぺらい人間に成り下がっていく恐怖。あれは忘れられませんね」

教えを理解しない外界は人生の落伍者であるとして、関係を断つように指導されるというが、Kさんの語る恐怖のように、外界との落差を見るのがつらくなり、接触を断つ人もいそうだ。「トラウマを解消する技術」を求めて教団へ入信したKさんは、逆にそれ以上のトラウマを植え付けられる結果となった。








「教団にいると必然的に外部との付き合いを断ち切るような生き方になるので、周りと比較する機会も減り、必要な苦しみから逃げることができ、そのときはある意味幸せだった。教えイコール幸せへの道、と常に教えられていましたが、支部長のもとにいる信者が幸せだったかどうかと聞かれれば、いまでも疑問です」






いまは幸せだ、と思う


「私がいたころの、ほかの信者の姿は、常にお金がなく隣の信者と争い、寝不足で青い顔、感情の抑制された虚ろな目が印象的でした。このあいだ、身分証で当時といまの自分の顔を比べてみたのですが、前者は目がすわっていて犯罪者のよう」

カルト体験談202302-3d
「今は一番近くで私を見ていた母が、会うたびに『幸せそうな顔だ』『幸せになれてよかった』としつこいくらい喜んでくれています」

こうしてKさんは、カルト宗教の沼から出ることができた。時間は取り戻せないが、家族や健康まで失わずに済んだのは幸運だろう。






搾取から次の搾取に遭う例も


しかしその幸運は、誰もが得られるものではなく、Kさんはたまたま支部長の意向で沼からはじき出されたことによる「不幸中の幸い」だ。また、搾取から逃げても戻れる場所がない場合は、また別の搾取にからめ取られるケースも少ないだろう。

「いまは幸せ」と語るKさんが今後の人生の節目でこのカルト沼をどう考えるのか、影響はどうなのか。また時間をおいて聞いてみたい。

<取材・文/山田ノジル>
山田ノジル
自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru




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