ある日、ドアをあけると一匹の猫がいました。「泊めてもらえませんか?」 なんと、それはしゃべる猫だったのです。『ねこの手キッチン』(著:卵山玉子/文藝春秋)は、猫好きならずとも夢見るシチュエーションではじまります。
主人公のモモはお疲れ気味で、夕食用の餃子も焦がしていました。しゃべる猫に疑問を抱きつつも、猫を家に招き入れます。するとどうでしょう、猫が失敗した餃子のアレンジメニューをおしえてくれるではないですか。こうして行き場を失った猫のネコ助と、料理が苦手なモモはルームメイトになるのです。本書から4話までを出張掲載しちゃいます!

主人公のモモはお疲れ気味で、夕食用の餃子も焦がしていました。しゃべる猫に疑問を抱きつつも、猫を家に招き入れます。するとどうでしょう、猫が失敗した餃子のアレンジメニューをおしえてくれるではないですか。こうして行き場を失った猫のネコ助と、料理が苦手なモモはルームメイトになるのです。本書から4話までを出張掲載しちゃいます!

助言はするけど、猫の手は貸さない
モフモフしたルックスのネコ助は、まるでぬいぐるみのよう。いつも穏やかな表情でモモによりそいます。でも人を癒すだけがネコ助の役割ではありません。料理の知識と知恵はあっても、ネコ助はモモに手を貸そうとはしないのです。猫の手も借りたい、とはよく言いますが、ちんまりした猫の手では料理はできません。ここが本書の特徴であり感心すべきところ。そう、ネコ助の指導によってモモは次第に料理上手になり、料理の楽しさを知っていくからです。
ネコ助に隠された過去とは
やがて友人への簡単なおもてなし料理も作るようになり、料理をとおしてモモとネコ助の絆も深くなっていきます。お互いがかけがえのない存在となっていき、モモはネコ助の過去を知ることになるのです。
ネコ助とモモの友情に心が温まる
料理をおしえてくれる条件でネコ助を迎え入れたモモですが、今ではすっかり料理上手になりました。存在意義がないと悟ったネコ助はモモに別れを告げるのですが……。
ここから先は、本書を読んで泣いて、笑ってください。ほのぼのとしたイラストとおいしそうな料理と、モモとネコ助の友情に心がほっこりすること間違いないです。
<文/森美樹>
森美樹
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx
(エディタ(Editor):dutyadmin)






























