最近、何かと話題になることが多いTwitter。2月2日は大量のアカウントの凍結が相次ぎ、「凍結祭り」、「Twitter凍結」といったワードがトレンド入りしました。主にVTuberやイラストレーターのアカウントが凍結の対象になっており「Twitterの氷河期突入か!?」との騒ぎに。

そんな中、「#凍結祭りだし辞世の句詠もうぜ」というハッシュタグが流行り出し「面白いタグ」「秀逸な句がたくさん」と反響を呼びました。さらに、このタグにはなんと、『サラダ記念日』をはじめとする歌人・俵万智さんも参加。
「青色のちひさき鳥のかたちして言葉ちるなり凍結の岡」
と、与謝野晶子の一首を本歌取りした短歌ツイートを詠みました。(本歌取り《ほんかどり》とは、有名な歌の一部を自作に取り入れること。先程の歌は「金色のちひさき鳥のかたちして銀杏《いちょう》ちるなり夕日の岡に」を踏まえています)
これには「プロの本歌取り!」「タグに俵万智さんまで」と騒ぎに。俵万智さんは「このタグの素晴らしさ。ツイッターと短詩型の相性の良さを、しみじみ感じる」とツイートしています。
「#凍結祭りだし辞世の句詠もうぜ」始めた人も反響にビックリ
このハッシュタグを検索するだけで、次々と出てくる辞世の句。粋な言葉遊びが繰り広げられており、「和歌集」が出来上がっているとも言える状況です。このハッシュタグを作ったのは「比呂ころく」さん(@hirokoroku)。普段はゲーム実況や雑談配信を中心としたVTuberをしているとのこと。
「現在進行形で凍結されてるからみんなアカウント生きているうちに辞世の句を詠んだ方がいい
ツイと落ち ツイと消えにし 我が身かな」
と最初にツイートを詠み、「#凍結祭りだし辞世の句詠もうぜ」のタグを作った、比呂ころくさんにお話を聞きました。

比呂ころくさん(以外、比呂ころく)「反響が大きくて驚いています。元々身内向けに作ったタグなのでこんなにも多くの方が参加されるとは思っていませんでした」
「元々ハッシュタグを作ってフォロワーと遊ぶのが趣味」とのことで、今回もその一環(いっかん)で何気なく始めたものだそう。
比呂ころく「『文豪とアルケミスト』というゲームをプレイしていてそのファンと繋がっているので、定期的に歌を詠む文化があったんですよね。凍結祭りが続いている時だったのでどうせなら辞世の句を詠んで終わりたいよねという気持ちでした」
『文豪とアルケミスト』とは芥川龍之介、夏目漱石、太宰治などの著名な文豪、80名以上が登場するシミュレーションゲーム。アカウントが凍結してしまう前に、辞世の句を詠む…。という雅(みやび)な発想は、普段から歌を詠んでいるからこそ生まれたのですね。タグに歌人・俵万智さんまで参加したことはどう思われているのでしょうか?
比呂ころく「俵万智さんのファンだったので驚きました。最近は俵万智さんの朝ドラの感想を楽しみにしています。まさか自分が作ったハッシュタグに反応されるとは思ってもみませんでしたが、歌が日常生活と繋がっていて、さすが歌人だなと思いました」
他にも多くの粋な辞世の句が
「#凍結祭りだし辞世の句詠もうぜ」は、Twitterで検索すると、凍結を惜しむツイッター民の方々の粋(いき)な辞世の句が閲覧できます。ぜひ見てみて下さいね。その中の一部をご紹介します。

●ちらいむさん(@chilime)
「ツイにゆく 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを」
在原業平の辞世「つひにゆく 道とはかねてききしかど 昨日今日とは思はざりしを」からの本歌取りです。「さすが!」「上手い」とのリプライも。
●杉山はお絵描き修行中さん(@niji_sugi)
「瀬を早み 岩にせかるる フォロワーの 凍っても末に 逢はむとぞ思ふ」
フォロワーさんたちへの想いが詠まれています。百人一首でもおなじみ「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ」(崇徳院)の本歌取りですね。
●弓川さん(@dpgem)
「呟いても独り」
尾崎放哉「咳(せき)をしても一人」の本歌取り。Twitterの真髄ですよね。
●きのくろさん(@seo1644)
「『このツイがいいね』と君に言えなくて二月三日は凍結記念日」
タグにも参加された俵万智さんの「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」の本歌取りです!
●右奈瀬さん(@unase_k)
「凍るなら それまで啼こう ホトトギス」
最後までつぶやくんですね…
最近は何かと不安定なTwitter。皆が自由につぶやける場として、今後も存続して欲しいですね。
<取材・文/まなたろう>
まなたろう
多岐にわたって興味があるアラフォーライター。コーヒーが好きで資格を取得中。海外に12年ほど住んでいたため、英語はそこそこ堪能。
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