年末年始はこれまで慌ただしくしていた人も、ゆっくりのんびりとした時間を過ごせる期間。
しかし、既婚者のなかには義実家への帰省に頭を悩ませることもあるようです。今回は、「義母と価値観が合わなくて、毎年帰省の時期が憂鬱」という松江沙織さん(仮名・34歳)のケースを紹介します。
80代になる義母は下ネタが嫌い
「夫の実家までは電車で2時間。頻繁には帰らないですが、飛行機や新幹線が必要ないので、お盆や年末は帰らなければならない雰囲気なんです」
沙織さんの旦那さんは8歳年上。一人っ子で両親がともに60代の沙織さんの実家と比べると、どうしても義実家は息苦しい。でも小1になる息子を義母に会わせるために、毎年夫と帰省しています。
「夫には6歳上の姉もいるので、義母は80代。自分で運転をして買い物に出向いて、近所のごみ拾いを手伝ったり若々しいですが、やはり価値観の違いは凄く感じるんですよね」
年末年始は、テレビでは特番と呼ばれる芸人やタレントが多数出るようなバラエティ番組が増えます。沙織さんも、お笑い番組が好きなそうですが、帰省中は好きなテレビ番組が見られないもプチストレスになっているようです。
「義母は、どっきりだったり芸人が身体を張るような番組は苦手なんです。そのため自分が好きな番組は見られずに、旅番組や『笑点』のような老人向け番組ばかり……。
芸人が下ネタを言うと『そんなことを言ってはダメ』と怒り出しているんです。格闘技を見たりすると、今度は『子どもが乱暴な子になっちゃう』っていう。そんなにテレビの影響は受けないと思うのですが……」
テレビの解説を求められ疲弊
どうやら沙織さんの義母の中では、テレビは有害なものに位置付けられているみたいです。しかし、沙織さんがテレビを楽しめないのにはほかにも理由がありました。
「番組の終わりにはっきりと『終わりました』というテロップが出ないで、次の番組がそのまま始まることも多いですよね。ああいうVTRの場合、番組が終わったことに気づかず、『あれ、さっきのラストはどうなったの?』って聞いてくるんです。終わったことをいちいち説明しなければならなくて、たまに面倒だなって感じることもありますね」
義実家にはパソコンもネット環境もないため、娯楽はテレビくらいしかないそう。
「義実家のテレビは夫がプレゼントした最新式のもの。ある時、義母がテレビのリモコンを失くしてしまったらしくて、テレビのチャンネルが変えられずずっとNHKだけ見ていたことも……。テレビ本体でチャンネルが変えられるのを教えてあげました」
嫁を数え忘れ…それってわざと?

テレビやパソコンなどのテクノロジーについていけなくなるのは、年代的にも仕方ないことかもしれません。しかし、郊外の場合は歳をとっても車の運転を避けられない現状があります。
「義実家は、食事行くのにも車がないと近くにファミレスやショッピングモールがないんです。義母が載っている車は運転席を含めて4人乗り。しかし、義実家にはちょうど姉が帰省していたんです。
私たち夫婦と息子、義母、そして姉と5人。それなのに車には4人しか乗れないので、誰かが歩いて徒歩で30分以上ある焼き肉屋に行くことに。義母は、私の分を忘れていたっていうんですよ……。結局、夫が歩いて店まで行ってくれたのですが気まずい雰囲気になりましたね」
さらに、帰省中に義母に息子を預けたらとんでもない目に遭ったと言います。
「義母と大型ショッピングモールに行った時に、まだ幼稚園児だった息子を見てもらったことがあったんです。私が買い物を済まして元の場所に戻ると義母の姿がないんです。義母はスマホが使えないため、息子の名前を呼びながら夫と二人でショッピングモール中探しました。動かないように言っていたのに、『買い忘れたものがあった』と言って動いたんですよね……。こっちはヒヤヒヤしているのに、悪気がないので怒れないんですよ」
義実家への帰省疲れ、どうしようもない?
車に乗れる人数を間違えたのも義母はわざとではなく、とぼけている部分があるからだそう。
「夫がいうには、彼が子どもの頃からこんな感じだったらしいんですよ。わざとではないから、『気を付けてください』ときつくは言えず……。私とはテンポが合わない事が多いので帰省中は気疲れするんです。今気になるのは義母の運転。少し危なっかしいですよね。これもどうやって伝えるか悩みます」
普段は距離を置いている実家や義実家への帰省。コロナ禍においても、自分たちの元気な顔を見せるのが親孝行と思うと、避けては通れない。
親の年齢を考え、子どもがフォローしながらストレスなく過ごせることを願うばかりです。
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<文/池守りぜね イラスト/ただりえこ>
(エディタ(Editor):dutyadmin)