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「800万円をドブに捨ててしまった…」ハワイの“アロマスクール”にハマった女性の後悔

時刻(time):2023-01-04 15:08源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
―連載「 沼の話を聞いてみた 」― 昭和の時代に「憧れの楽園」から「海外旅行の定番スポット」へと進化し、昨今はエコツーリズムやロコライフ路線で観光需要を満たしつづける南の島、ハワイ。芸能人やモデルが自然とつながりながら優雅にすごす土地、といったようなブランドイメージもいまだ根強いだろう。 今回は、そんな「ハワイ」をウリにしたヒーリング系ス

―連載「沼の話を聞いてみた」―

昭和の時代に「憧れの楽園」から「海外旅行の定番スポット」へと進化し、昨今はエコツーリズムやロコライフ路線で観光需要を満たしつづける南の島、ハワイ。芸能人やモデルが自然とつながりながら優雅にすごす土地、といったようなブランドイメージもいまだ根強いだろう。

今回は、そんな「ハワイ」をウリにしたヒーリング系スクールへ総額約800万円を支払い、「大金をドブに捨ててしまった」と後悔している女性Oさんの沼物語を聞いていく。

ハワイアロマ202301-1a

※写真はイメージです(以下同)

そのスクールのHPを見ると、こんな志が語られている。ハワイの大自然の恵みを生かし、より多くの人を自然と調和させるのが使命だと。植物療法を中心に行われる各種レッスンは、個人で気軽に楽しむためのものから、スクールの認定講師としてアロマ教室を開くことができるフランチャイズを目指すものまでと、間口が広く用意されている。Oさんがそのスクールにアクセスしたきっかけは「日本では学べない特別なもの」を求めたことだった。






キャリアに行き詰まりを感じたときに


「仕事や人間関係でストレスがふくれ上がり、私の人生これでいいのだろうか……と自分に問いかける日々でした。そうして出した結論が、会社勤めの傍らで趣味として長年楽しんでいた植物療法のアロマテラピーを、仕事にすること。自分のペースでできるような仕事がしたいと、いろいろなアロマ関係のスクールを検討しはじめました」

日本のアロマテラピースクールといえば、有名どころでは日本アロマ環境協会(AEAJ)の認定校が挙げられる。アロマショップとして広く知られる「生活の木」のアロマスクールも、この協会を母体とする認定校だ。アロマテラピーは民間資格なので、どこかの協会に所属するような肩書はなくても、無資格で活動したりスクールを開いたりといったことはできる。しかしアロマ(精油)は使い方によっては健康を害する危険な性質を持つものも少なくないので、こうした信頼できる団体によって専門知識や技術を担保されているほうが、安心だと考える人は多いだろう。






「ハワイ」の魅力で差別化を


ところが多くの同業者が持つ定番の資格より、何か特色が欲しかったOさん。そこで見つけたのが、ハワイのヒーリング系スクール「マナ・リラクゼーション」(仮名)だ。

ハワイアロマ202301-1b
「ハワイのハーブを学ぶというめずらしいレッスンがあるうえ、そのスクールの認定講師制度やフランチャイズがあるし、卒業後の進路相談も手厚そうだったのが決め手です。スクールを運営しているハワイ在住のX先生は、いかにも成功者! といった空気を放つ女性。そのX先生がこんなことを言っていました。日本の女性たちはみんな、抑圧されて疲れている。地に足をつけて生きていない。豊かに自由に生きるためのツールがハワイの自然だ。ハワイのマナ(パワー)を吸収した特別なハーブが、それを叶えてくれる、と。ハワイの美しい大自然と触れ合いながら、物質的にも精神的にも豊かな生活を送っているように見えた女性の語るそれは、納得してしまうものがありました」








話をうかがいながら筆者もX先生のSNSを見てみると、そこにはスタイリッシュなハワイ暮らしが広がっていた。美しい自然の中で、リラックスする姿。南国の植物を愛おしそうに紹介する文章。美しい子どもたちと大型犬。オシャレで落ち着いた雰囲気のワークスペース。笑顔のスクール生たち。高級そうなレストランでの家族団らん写真。

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ハッシュタグにはヒーリング関係以外にも「#大人女子のセルフケア」「#女性の起業」「#起業女子」「#起業ママ」といった言葉が並んでいる。「自分もこんな生活を送りたい」「成功したい」と憧れる女性たちが、こうした投稿を見てスクールに吸い寄せられるようだ。よくある、集客目的のキラキラ投稿だとしても。






受講後すぐにオイシイ話


「スクールに問い合わせをすると、すぐに面談しましょうと話が進み、受講することに。そして受講を始めると、あれよあれよと言う間に認定講師の契約を迫られます。今すぐ決めてくれれば、あなただけ特別に数十万円ディスカウントしてあげる。あなたが講座を開く予定の地域からも、実は何件かフランチャイズ契約の打診が来ている。でも今すぐ決めたら、そちらは断ってあげてもいいーーそんな感じのトークをたたみかけられました。それは私がその地域で独占して、ハワイのハーブとアロマを広めることができるということです。これはチャンスだと、契約。認定講師契約や精油などの材料一式などのもろもろで、最終的におよそ800万円つぎ込みました」






学びたい意欲は満々だった


「あなただけ」と特別待遇を提示して今がチャンスと煽るのは、どんな業界でも比較的よくある営業方法だろう。しかし「ハワイで成功した女性実業家」風のすごい人が自分に目をかけてくれた! そんなうれしさも相まって契約に踏み切った。あとからスクールのメンバーたちと情報交換をすると、みんなが似たり寄ったりのトークでX先生から契約を迫られたことが判明するのだが。

そのスクールのフランチャイズとしてかかる料金は、最低ラインで日本円にして約400万円。これは一般的には妥当な線かもしれないが、問題はその内容だった。

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レッスンはオンラインで受けることもできたが、せっかくなら現地で学びたいと、ハワイへ飛び立ったOさん。スクールとの事前の打ち合わせでは、アロマとハーブの資格を取るための全レッスンを約1週間で終了できるよう、みっちり詰め込んでスケジュールを組んでもらっていた。ところがその内容は、次のようなものだった。







・「ここは資料を読めばわかる」などの省略がつづき、約1週間に詰め込まれていたはずのレッスン予定が、実質3〜4日しか行われず、雑談や契約の話に費やされる(ほかの生徒も似たり寄ったり)

・そこにいないメンバーや受講生を面白おかしくネタにしたり、批判したり、悪口が展開されたりする(太っている、しつこくて嫌、ダサい、頭おかしい、細かすぎ……等)

・全カリキュラムを終了したことが証明される修了証が、スケジュールの前半で「先に渡しておく」とカジュアルに発行される

・レッスンで配布されるテキストに、化学式や植物の学術名など明らかな間違いが確認されるが、指摘してもスルーされたり「アメリカではこれが正しい! 日本のアロマが間違っている」と激怒される

・一般的にアロマセラピストとして活動するにはケーススタディ(事例研究)の習得が必要とされるが、このスクールでは出さなくても修了証がもらえる人もいた。修了に必要とされる論文の提出をしなくても修了証が発行される場合もある

・同じ金額を支払っていても、X先生の機嫌や好き嫌いで、提供するレッスン内容や待遇が変わる

・カリキュラムを終了していない時点から、一刻も早い集客を求められる。「早く集客してレッスンをしていけば、おのずとスキルが身につく」という主張








稚拙な授業、号泣する仲間


「これらの結果、間違った知識や中途半端なスキルのセラピストたちが、生徒を持ってレッスンを行なっているのが実情です。もともとこのスクールは、アメリカの権威あるアロマ団体の認定校でした。ところがずさんな指導やレッスン時間の短縮がバレそうになったからでしょうか。X先生独自の協会を立ち上げ、さらに手軽な指導を行うようになったようです。私が受けたレッスンの感想は、とにかく中身がない。期待していたハワイのハーブも入門書を読めばわかるレベルのことで、別のネイティブなハワイアンから教わった内容とは比べものにならないほど稚拙でした」

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ハワイのスクールということは、契約等はすべてアメリカの法律に則るものだ。当然日本とはルールが異なり、クーリングオフが適用される期間は非常に短い。また、トラブルがあって裁判となっても、基本すべてアメリカで行われるのでハードルの高さは尋常ではないだろう。Oさんも、日数の問題で解約できなかった。同じく認定講師の契約をしたメンバーは、Oさんの前でうかつな契約を嘆き「やってしまった」と号泣していたという。





それでもハワイブランドは強かった


しかしこのような運営では悪評が広がり、生徒が集まらなくなるのでは? ところが、そうさせないのがX先生の用意周到なところ。そしてハワイブランドとリゾートマジックだと、Oさんはつづける。

「内部の人間関係は、信者ビジネスで成り立っているビジネススピリチュアル界隈のそれとそっくり。自然豊かなハワイの神秘的なイメージを利用して、ビジュアル重視の人たちを集客。そして忠誠心を競い合わせるようけしかけられ、表向き仲よく接していても裏ではメンバー同士が足を引っ張り合うので泥沼化する人たちも。ところが現地在住の芸能人がそのスクールを雑誌などで素敵に紹介したりするので、客足はそれなりに途絶えないようです」

ハワイアロマ202301-1f
数々の疑問を抱えながらも、結局Oさんは日本へ戻り、スクールの認定講師としての活動を始めた。レッスンで使う材料はスクールから仕入れる契約となっており、そこでさらに数百万円資金をつぎ込むことになったという。

後編では、そこに至るお話をさらに詳しく聞いていこう。
自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru



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