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離婚に理由なく慰謝料750万円要求する妻…夫がすんなり支払った理由 « ビューティーガール

時刻(time):2022-12-10 09:03源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
【 ぼくたちの離婚 Vol.25 シュレーディンガーの幸せ 後編】 書籍 化・ コミック 化も果たした、「男性側の視点から見た離婚」に迫る人気ルポ連載「ぼくたちの離婚」。本記事は、 「妻の顔色だけをうかがう生活」を8年に及び続けた男性の真意 に迫るルポの後編です(前編「生活費も家事もほぼすべて夫が負担…『妻の顔色だけをうかがう生活』を続けた理由」)。 【前編
ぼくたちの離婚 Vol.25 シュレーディンガーの幸せ 後編】

書籍化・コミック化も果たした、「男性側の視点から見た離婚」に迫る人気ルポ連載「ぼくたちの離婚」。本記事は、「妻の顔色だけをうかがう生活」を8年に及び続けた男性の真意に迫るルポの後編です(前編「生活費も家事もほぼすべて夫が負担…『妻の顔色だけをうかがう生活』を続けた理由」)。

【前編】⇒「生活費も家事も夫がほぼ全負担…『妻の顔色だけをうかがう生活』を続けた理由」はコチラ

※以下、稲田さんによる寄稿。

 園田圭一さん(仮名/39歳)は27歳のとき、当時24歳の莉子さん(仮名)と結婚。しかし約2年後、ヒステリーを起こして食器を壊す莉子さんに恐怖した園田さんは、以降、莉子さんの顔色をうかがうだけの毎日を過ごすようになる。話だけ聞けば地獄そのものの夫婦生活。しかし驚くべきことに、園田さんは「それが異常な状態だということに気づいていなかった」という。

※写真はイメージです

※写真はイメージです(以下同)


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なぜか「負担」でも「苦痛」でもなかった


「うちは物心ついた頃から両親の仲が最悪で、母が再婚した継父も異常に感情表現の乏しい人だったので、普通の夫婦、普通の家庭がどういうものなのか、わからなかったんです。母親はヒステリーだし、再婚後も不倫していましたからね。そういう異常な状況に対する適応能力が高すぎて、莉子との日々が“負担”とか“苦痛”とかいう実感がありませんでした。だから、僕自身のメンタルは一切病まなかった」(園田さん、以下同)

 驚きだ。過去のバツイチ男性取材で、この手の「妻から尋常でない不機嫌をぶつけてこられる」人は大抵、疲弊を極めて自分自身も心療内科にかかっていた。園田さんは相当なレアケースだ。

「幼い頃にハードな環境で鍛えられたせいか、僕、自分の心のバランスを取るのがものすごく上手いみたいなんです。考えても解決できないことは意思の力で考えないようにできますし、傷つきそうになったら事なかれ主義も決め込める。いつ、いかなるときでも、完璧に心を整えられます

 莉子さんとセックスレスになってからは、風俗にも通った。

「それも心のバランス取りです(笑)。何かにつけ、心に空いた穴を秒で埋めるスキルが高かったんでしょうね。だから、ことさら『この結婚生活は苦しい。今すぐ逃げ出したい』と歯を食いしばっていたわけではないんです」

 つまり、莉子さんとの結婚生活は、続けようと思えばいくらでも続けられた。


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8年間の眠りから覚める


 ところが、莉子さんが最初にヒステリーを起こしてから実に8年後、すなわち入籍から10年目の春。園田さんがひとりでランニングしている最中に、“それ”は訪れた。

「その時走っていたのは、かなり急な上り坂で、相当息が上がっていました。そういうときは無駄な思考が全部削ぎ落とされて、頭がすっきり整理されるんです」

 ふと園田さんの頭に、1週間ほど前に配信で久しぶりに観直した映画『マトリックス』が浮かんだ。

『マトリックス』は、主人公のトーマスが『自分が生きているこの世界は、コンピュータによって作られた仮想現実である』ことに気づき、平和で快適な仮想世界を捨て、救世主「ネオ」として過酷な現実世界で戦うことを選択する物語だ。

「今までに何度も観てる映画だったのに、なぜかそのときはじめて“気づいた”んです。ああ、ネオは僕だ。今まで僕は自分の人生を生きていなかった、と」

ぼくたちの離婚 Vol.25 後編
 その瞬間、強烈な嘔吐感が園田さんを襲い、思わず道端で吐いた。

「ランニング中に吐いたのは初めてです」

 園田さんが8年間の「死」から目覚めた瞬間だった。

天啓なんかじゃありませんよ。自力で気づいた。そこが大事なんです








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慰謝料750万円の要求


 帰宅した園田さんは明らかに様子がおかしかったらしく、翌日、莉子さんに「何か言いたいことがあるなら言って」と言われた。園田さんは莉子さんに胸の内をぶちまける。

「僕は今まで自分の人生を生きていなかった。これからは自分としてちゃんと生きたい。このままだと死んでいるのと一緒なんだ。そう言いました」

 驚いた莉子さんは「理解はできるけど、納得はできない」と泣きじゃくったが、幸いなことにヒステリーにはならなかった。しかし安堵もつかの間、話し合いを重ねて離婚が正式に決まった途端、莉子さんは信じがたい要求を園田さんに突きつける。

あなたのために離婚してあげるから、慰謝料として750万払って

 浮気したわけでもないのに、750万円はありえない。というか慰謝料の相場よりずっと高い。何を根拠にこの金額なのか。

「実は結婚が決まったとき、僕は祖母から生前贈与で1500万円もらっていたんです。相続時精算課税制度を使ったので非課税でした。莉子もそれを知っていて、だから半分をよこせと」


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支払うことが“復讐”


※写真はイメージです
 あまりに無理筋の要求。しかしそう言われた園田さんは、むしろ迷いが消えたという。

「750万と言われた瞬間、頭がスッと冷静になって、『この先の僕の人生、1分1秒たりともこの人と一緒にいちゃ駄目だ』と確信しました。泣きじゃくられたときは、さすがに気の毒だと思ったんですが、そんな気持ちは完全に消滅しましたね」

 1500万円は「婚姻中に築いた財産」ではないので、財産分与として莉子さんに支払う法的根拠はない。しかし信じがたいことに、園田さんは750万円を支払った。なぜか。

「意見も交渉も、なにひとつしたくなかったし、莉子と一言たりとも言葉を交わしたくなかったんです。それに、そもそもこの要求は、彼女の僕に対する嫌がらせです

 嫌がらせ?

「離婚して嬉しいのはあなた、ダメージを受けるのは私。だったらあなたも私と同じくらいのダメージを負ってほしい、傷ついてほしい。そういうことです。でもね、そうは行きませんよ。僕は莉子に惨めったらしく値引き交渉なんてしない。眉一つ動かさず750万を払う。言ってみれば……」

 言ってみれば?

復讐ですね。もっと言えば、福祉

 語感は冗談めいていたが、園田さんは一切笑っていなかった。








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結婚生活が“不幸せ”かどうかは誰が決めるのか


“死んで”いた8年間を、園田さんはどう考えているのか。

「いま振り返って、起こった事実だけを並べてみれば、普通の夫婦と違うことを頭では理解できます。ただ、地獄だったか、つらかったかと言われると、ピンと来ない。こうして話していても、淡々と事実を振り返りながら『外から観察しているだけ』という感覚なんですよ」

 あれほど壮絶な結婚生活を送った当事者にもかかわらず、当事者意識が希薄であるという不気味。

「正直言うと、莉子の最初のヒステリーから離婚するまでの8年間の記憶が、すごく薄いんです。起こったことはそこそこ覚えてるけど、そのときどういう気持ちでいたかは、ぶっちゃけほとんど覚えていません」

 なぜ?

自分をちゃんと生きていなかったからだと思います

※写真はイメージです
 感情にふたをして自分の人生を生きていなかったから、記憶が薄い。それゆえ、つらかったという感覚もない。

 だからですね、と園田さんは思わせぶりに言った。

「幸せってなんだという話ですよ」

 やぶから棒に、何を言い出すのか。

「もし僕がランニング中に“気づき”を得なかったら、今も莉子とは離婚していないでしょうし、気づかなければ気づかないまま、莉子との結婚生活は破綻なく続いていたと思います。特に不満を抱くこともなく。

『マトリックス』に引っ掛けて言うなら、現実世界のトリニティやモーフィアスがネオを外から観察し、ネオという存在に介入したからこそ、彼は今いる世界が“嘘”で“不幸せ”で“自分の人生を生きていない”と気づけました。

 逆に言えば、トリニティやモーフィアスという観察者がいなければ、ネオはトーマスとして暮らしている世界が仮想世界であることはもちろん、その状態が幸せなのか不幸せなのかを判定することもできなかったと思います」

 “観察”という言い回しが頻発されたので、思わず「シュレーディンガーの……」と言いかけると、園田さんは食い気味に答えた。

「猫!」


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そのことに気づかないで、一生を終えていく


「シュレーディンガーの猫」とは、オーストリアの物理学者エルヴィン・シュレーディンガーの思考実験だ。簡単に言うと、「箱の中に入っている猫が生きているか死んでいるかは、観察者が箱を開けた時に決定される」ということ。無論、箱を開けないことには猫を見ることはできないが、開けるという「関与」によってはじめて猫の状態が決定される。

※写真はイメージです
「ある夫婦関係が異常だというのは、その夫婦以外の外部の人、つまり観察者が指摘してはじめて本人たちが自覚できるものだと思うんですよ。だけど僕、親しい友人からよく言われました。『結婚して7年も8年もたってるのに、ずっと仲いいよね』って。外からじゃ、何か指摘するどころか実態なんて全然見えないものです

 しかし園田さんはランニング中に、観察者なしの自力で、自分が“不幸せ”であると気づいた。

「激しい走りで脳の酸素が欠乏していたからかもしれません(笑)。でも、本当にたまたまです。なにせ8年間も気づかなかったんですから」

 物差しを当てる人間がいなければ、物の寸法はわからない。それが「大きい」のか「小さい」のかもわからない。

「だからね、この世界には、今この瞬間にも、かつての僕と莉子みたいな夫婦がたくさんいるってことですよ。“そのこと”に気づかないまま、もちろん離婚なんてしないで、平穏無事に一生を終える夫婦が

 仮想世界で人生を終えたかもしれない、『マトリックス』のトーマスのように?

それだってひとつの幸せだと思います

 園田さんは、今日一番の笑顔を浮かべた。

【ぼくたちの離婚 Vol.25 シュレーディンガーの幸せ 後編】

【前編】⇒「生活費も家事も夫がほぼ全負担…『妻の顔色だけをうかがう生活』を続けた理由」はコチラ

<文/稲田豊史 イラスト/大橋裕之 取材協力/バツイチ会>
編集者/ライター。1974年生まれ。映画配給会社、出版社を経て2013年よりフリーランス。著書に『映画を早送りで観る人たち』(光文社新書)、『オトメゴコロスタディーズ』(サイゾー)『ぼくたちの離婚』(角川新書)、コミック『ぼくたちの離婚1~2』(漫画:雨群、集英社)(漫画:雨群、集英社)、『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』(PLANETS)、『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)がある。【WEB】inadatoyoshi.com 【Twitter】@Yutaka_Kasuga



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