「はいはい、ちょっと失礼するよ~」、「(早朝出勤するママに対して)なんか食べてから行くんだよ」など、人生の先輩のような渋い発言の多い3歳の男の子、よいたん。そんなキュートで笑えるよいたんの姿を描いたコミックエッセイ『よいたん3歳、ときどき先輩。』(KADOKAWA刊)が刊行されました。

前回は、著者のまぼさんに漫画を描き始めたきっかけや、夫・びぼさんの深すぎる愛情表現や課題などについて取材しました。
今回は、よいたんの「オタ活」の現在や、まぼさん&よいたんの二人旅などについて聞いていきます。
【前回記事】⇒実家のオカンなのか?3歳の息子の“気づかい”に涙…作者まぼさんを取材<漫画>
息子・よいたんのオタ活に新たな展開?
――よいたんのアンパンマン(※作中では大人の事情でオニギリマン)オタクぶりが描かれていましたが、オタ活は今も続いているのでしょうか?
まぼさん(以下、まぼ):それが今は、「ゲゲゲの鬼太郎」に移行しました。去年までは家でずっとマントを着けて生活していたのですが、最近は鬼太郎のチャンチャンコを着て、外に出る時は必ず下駄を履いています。
――コスプレが本格的ですね!
まぼ:この前、「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展~お化けたちはこうして生まれた」(水木しげる生誕100周年の展覧会)に行ったときは、チャンチャンコに下駄、髪に「目玉おやじ」のヘアクリップを着けるというガチオタの格好だったので私はすごく恥ずかしかったです。周りの大人の方は喜んでくれていました(笑)。
歴史が長い作品はやはり推し甲斐があります
――本作で「推し(よいたん)の推しは私の推し!」と描かれていましたが、どういう形でオタ活を応援しているのでしょうか?
まぼ:たとえば、最近までよいたんの1番の推しだったアンパンマンは、やなせたかし先生の原作も好きなので、フレーベル館の今出版されているものは全部購入して、絶版になっているものは古本で揃えました。やはり歴史が長いので推し甲斐がありますね。
水木しげる先生の作品も、漫画や図鑑を集めています。『水木しげる 鬼太郎大百科』(小学館クリエイティブ刊)には鬼太郎の生態や骨格が載っているので、息子は鬼太郎の体内まで知っています(笑)。
アンパンマンは平和な世界観なので生死が描かれないのですが、ゲゲゲの鬼太郎は1番最初にお父さんが死ぬところから始まるんです。結構ショッキングな内容もあるのですが、息子は死後の世界や妖怪の特徴をすごく面白がっていますね。
――好きなことを親に応援してもらえると、より楽しめそうですね。
まぼ:周りの人から「物を与えすぎ」「子どもを甘やかしすぎだよ」と言われることもあるのですが、子どもが興味を示した時は初速が大事だと思っているんです。興味を持った時に情報をしっかり与えると、すごく深くのめり込んでいくので面白いなと思っています。
「好きなものを自分で調べると面白いんだ」と子どもに理解してほしいんです。夫は「本はいくらでも買う」と言っていますし、私はおもちゃが大好きなので「買ってあげたいな」と思います。
「子どもには物を買い与えずに我慢させる」という方針も大事なことだと思うのですが、そこは「よそはよそ、うちはうち」でそれぞれのお家の方針を尊重し合えたらいいんじゃないかなと思います。
赤ちゃん返りや、気持ちが荒れてしまった時のケア
――妹のしおさんが生まれてお兄ちゃんになったよいたんですが、赤ちゃん返りをしたり気持ちが荒れてしまったりした時はどうやってケアしていましたか?

まぼ:結局は愛情を伝えることしか、親にできることはないのかなと思います。あとは、よいたんと2人の時間を作るようにしました。夫と息子、私と息子でもいいので、きちんと「1人子扱い」できる機会を持つようにしました。
――よいたんと二人旅をしたエピソードがすごくいいなと思いました。旅のために何か準備をしたことはありますか?
まぼ:時間を持て余した時のためにスケッチブックと鉛筆など、暇つぶしのできる小道具を用意したりはしたのですが、実際に行ってみるとものすごく楽でした。
「どうして楽なんだろう?」と考えてみると、家族4人で行動している時はどうしても赤ちゃんの世話に親は手を取られがちでした。そういう時は、よいたんは親の注意を引くために主張したり、「疲れた、立てない」などのわがままを言ったりすることが多いんです。
でも二人旅ならよいたんだけに目が向くので、わがままを言わなかったのかなと思いました。自分だけを見てもらえる安心感があるのかもしれません。
よいたんとの二人旅、次の目的地は?
――行き先はどうやって決めたんですか?
まぼ:以前から「全国のアンパンマンミュージアムに全部行きたいね」と話をしていたんです。仙台と横浜には行ったので名古屋のアンパンマンミュージアムに行きました。
だから「次は神戸のアンパンマンミュージアムだ!」と言っていたのですが、鳥取県の境港市(水木しげるの出身地)になりそうです(笑)。
――次の二人旅でやってみたいことはありますか?
まぼ:次も今回と変わらず、二人旅の間だけは息子の甘えを全て叶えてあげられるようにしたいです。
子どもが生まれる前の感覚も忘れないようにしたい
――「子どもが生まれる前は、親は子どもの趣味に嫌々付き合っていると思っていた」と描かれていましたが、他にも子どもが生まれてから変わったことはありますか?

まぼ:子どもがいない時は、道路で這いつくばって泣いている子を見ると「この子大丈夫かな?」と思っていたのですが、子どもを持つと割とメジャーな反応だということが分かりました。
そういう子どもに対して、お母さんが「もう置いて行くよ」と言っていると「冷たいなあ」と思っていたけど、今はそう言ってしまう気持ちがすごく分かります。街で子どもにガチギレしているお母さんに対して、以前は「人前でそんなに怒らなくても」と思っていたけど、今は「色々なことが積み重なって、この瞬間に爆発したんだろうな」と思ったりします。今までは見えていなかった景色があるということがよく分かりました。
――立場が変わると見え方が変わりますね。
まぼ:でもその一方で、子どもがいなかった時の感覚も大事にしないといけないなと思っています。ベビーカーを押している時も子育て世代以外の人達のことを気にかけたりしながら、両方の視点を忘れないようにしたいですね。
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【前回記事】⇒実家のオカンなのか?3歳の息子の“気づかい”に涙…作者まぼさんを取材<漫画>
<取材・文/都田ミツコ>
【まぼ】
漫画を描くのが趣味。好物の七草がゆを年に1回しか食べられないという悩みがあったが、最近はフリーズドライの七草が発売されたので年中食べられて幸せ。最近で一番よかった映画は『孤老の血 LEVEL2』。初の著書『よいたん3歳、ときどき先輩。』(KADOKAWA)が発売中。
Instagram:@yoitan_diary、twitter:@yoitan_diary
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
(エディタ(Editor):dutyadmin)






