一部の在日外国人コミュニティを中心に、無資格で美容整形外科手術を行う店が全国で増加しているという。同時に、日本の処方薬の転売も盛んに行われているが捜査は及ばず、実質的に野放しの状態だ。その実態に触れた。
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整形失敗で激痛が数か月。医師にも相談できず……
“闇整形職人”たちはこぞって「これまで失敗例はない」と豪語するが、不完全な医療知識では当然そのようなはずはない。
二年ほど前にWeChat経由で闇整形したという中国人女性のDさん(42歳)は、手術後の不具合に今も悩まされている。
Dさんが施術を受けたのは埼玉県・西川口にあるマンションの一室。そこでは二重手術、顎のインプラント、顔のリフトアップ、ヒアルロン酸注射を提供していたという。Dさんが受けたのは、顔のリフトアップ。一定期間たつと溶ける糸を挿入し、筋肉を引き上げることでシワやたるみをなくす手術だ。
だが、ずさんな施術により被害を受けることに。
「顔に糸を挿入する際、切開した部分に炎症が起きて顔が腫れ上がってしまいました。とても痛くて大変でした。手術をした女性は、『こうした症状は誰にも起こるし問題ない』と言って痛み止めをくれましたが、その後も治る気配がありませんでした」
「今も平然と整形の仕事を続けている」

違法手術を受けたことが知られるのを恐れて通常の病院にかかることもできず、痛みを我慢し続けたDさん。炎症は数か月後にようやく治まったという。
「その業者は返金にも応じてくれなかったし、今も平然と西川口で整形の仕事を続けていて腹が立ちます。さらに、抗議をしたらSNSをブロックされて連絡が取れなくなりました」
ただでさえリスクが高いうえに、自己責任まで求められる闇整形。万が一トラブルになっても、泣き寝入りする以外の道がないのだ。
在日外国人社会との断絶も闇整形が跋扈(ばっこ)する一因か
在日アジア人社会のシノギとして定着している闇整形。特異なのは顧客側も外国人である点だが、日本の正規の美容外科を利用すればはるかに安全かつ、しかも廉価で手術を受けられるはず。
近年では、外国語対応をする病院も増えているなか、なぜ彼・彼女らは頑なに闇整形にこだわるのか。
在日アジア人コミュニティに詳しいジャーナリストの安田峰俊氏は、在日外国人社会と日本社会の接続不良が大きな原因の一つであると指摘する。
「単純に、日本の美容外科の情報が周知されづらい状況があります。なぜなら集客はその国籍の人専用のチャットやSNS上のコミュニティなど、クローズドな場で行われるため、慣れない日本語で検索するより単純に楽。そして外国人にとって日本の美容整形は高く、言葉が通じないという先入観があります。実際は違うにしても、生活不安の多い海外では、同胞の店のほうが心理的に安心感がある。在外邦人も同じ心境だと思います」
そうした事情を逆手に取っている闇整形業者たち。日本人顧客をあまり受け入れないのも、情報漏洩リスクのほかに「同胞同士だとクレームを入れづらい」という点があるからだと安田氏は言う。
警察の介入も難しい理由
また、現時点では中国人とベトナム人が台頭しているが、それぞれ事情が異なるという。
「中国人は確信犯的にやっている様子も窺えますが、ベトナム人のほうは、医師免許が必須であることをわかっていない可能性もある。それはひとえに、彼らにとって日本語の障壁が高いためです。中国人は漢字から何となく意味を把握できますが、ベトナム人は日本語ができない人が非常に多いので、余計に情報に辿り着けないのだと思います」
警察の介入も難しい。たとえ外国語が堪能であっても、SNS上に無数にある外国人コミュニティをすべて調べ上げるのは至難の業だ。
一方で安田氏の日本人の知人も、「闇整形で3万円程度の脂肪溶解注射を受けた」とか。ものによっては正規料金より安い場合があるため、値段に釣られて安易に手を出す日本人が増える可能性も考えられる。
いずれにしろ、惨事が起きるのも時間の問題とみられる闇整形。外国人コミュニティとの過度な隔絶は、日本社会にとってリスクに繋がるかもしれない。
【安田峰俊氏】
ルポライター。『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)が第5回城山三郎賞、第50回大宅壮一ノンフィクション賞。
<取材・文・撮影/SPA!闇経済取材班>
(エディタ(Editor):dutyadmin)
