辻家の長女、おそるべし。

突然ですがみなさん、「ポテトコロッケ」が“ごはんのおかず”として出てきたら、喜んで受け入れられますか? 実はこの「コロッケ論争」が、先日ちょっとした話題になりました。
きっかけの発端は、元モーニング娘。の辻希美さん。彼女が2月22日にアップしたYouTube動画『辻ちゃんネル』で、長女が「コロッケではご飯食べられない」と発言し、ママである希美さんが柔軟に対応。
希美さんは「コロッケにはおかずにならない」に納得して、コロッケではなくピーマン肉詰めやハンバーグに方向転換したのです。そしてその対応についてさまざまな意見が飛び交うことに。テレビ番組でも「コロッケ論争」として取り上げられたのです。
私は、この「コロッケ論争」をどう考えるか? について思考をめぐらし、驚きの結論にたどり着きました。今回は、そんなお話です。
長女さんもコロッケも悪くなかった!確かな事実とは?
まずはじめに押さえておきたいのが、今回の論争に「正解」はないということ。長女さんの要望と辻さんの対応が正しかったのか? コロッケはごはんに合うか合わないか? どれも厳密に判定すべきではないと、私は考えます。
長女さんがワガママであるという断定は、論外。彼女の要望は、子どもとして家族に対するものであり、自分の好みや意見を素直に言える環境で育っていることが想像できますし、辻さんの母としての対応力や柔軟性には脱帽してしまいます。
また、コロッケを炭水化物の代表選手「ごはん」と合うかどうか? という問題については、食べる人の好みによるところが大きく、実際に「コロッケ弁当」が人気弁当の一つであることからも、「コロッケをおかずとしてごはんをおいしく楽しむ人は大勢いる」ということが事実でしょう。
さらに、他の炭水化物にシフトしてみた場合、コロッケサンド、コロッケパン、コロッケそば……もうたまりませんよね。つまり、コロッケは炭水化物と合わせることで人気メニューとして活躍しているのです。
そんなことを考えていたとき、ふと長女さんの発言に込められた意図を想像し、ぐっと心つかまれたのです。
辻家はすごい。そして長女さんも超すごかった
辻家の長女、のあさんは14歳の中学生。実はInstagramを開設していて、14歳とは思えないほど素敵な洋菓子やパンの写真を投稿しています。
すでにフォロワーは30万人超。普通の中学生で作れるレベルではありません。辻さんや杉浦さんの才能を受け継いだのでしょう、とても器用で盛り付けのセンスも抜群です。
ここからは想像の話ですが、これほどまでにお菓子に対する興味や技術に長けているのですから、「食」に対する知識やセンスは計り知れません。つまり栄養面における知識量もハイレベルな可能性が高いということ。
コロッケが炭水化物であるジャガイモが主材料であるため、ごはんとの栄養バランスに違和感を抱いた(炭水化物に偏った献立であることを指摘した)とすれば、安易なワガママではなく、彼女に栄養学的な基本知識があるからだと推測することができます。
食に対する主体性が表れた発言だった
のあさん世代の子どもたちを取り巻く情報環境を考えてみると、「バランスよく栄養を摂ろう」という考え方はひと昔前に比べて身近になっています。また、中学生になれば、自分の食事について考えることも少しずつできるようになるでしょう。
さらに子どもの栄養不足やバランスの崩れについて正しく教えてくれている食品メーカーや団体は多く、偏った食事に対する感度の高い子どもが増えていくことは、決して不自然な流れではありません。
ということで、最後に話を戻しましょう。辻さんが家族の食事を大切にしていること。長女さんの食に対する主体性を垣間見ることができたような気がして、今回の論争は非常に参考になるエピソードとなりました。
さあ、みなさんは、コロッケをいつどのように食べますか?
<取材・文/食文化研究家 スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。ビューティーガール連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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