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食料品や光熱費、値上げが進むワケと今後の見通しは | ビューティーガール

時刻(time):2022-03-03 20:58源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
< 女性が一生、お金に困らないためのレッスン vol.18/経済評論家・佐藤治彦> じわりと値上げが進んでます。 これからも毎月のように、食用油だトイレットペーパーだと食料品や生活必需品の値上げ予定がものすごいです。加えて、ガソリン、灯油、電気代、ガス代。光熱費も値上がりしています。 それでも、日本の消費者物価の上昇率はまだ年1%台で留まっていますが

女性が一生、お金に困らないためのレッスン vol.18/経済評論家・佐藤治彦>

 じわりと値上げが進んでます。

 これからも毎月のように、食用油だトイレットペーパーだと食料品や生活必需品の値上げ予定がものすごいです。加えて、ガソリン、灯油、電気代、ガス代。光熱費も値上がりしています。

家賃の値上げ それでも、日本の消費者物価の上昇率はまだ年1%台で留まっていますが、実はこれ菅前首相の置き土産、携帯電話料金の引き下げがあったからで、それがないと2%です。

 食料品と光熱費。生活に欠かせないものが中心の値上げはつらいですね。

この1年、確実にモノの価格が上がり始めた


 この数年、何回も値上げのニュースがありました。

 とは言っても、それはメーカー側から小売への卸売価格でした。卸売価格が上がっても、消費者が値上げを受け入れず、小売の価格は元のところに跳ね返されるという状況が何年も続きました。メーカー側、小売側が血みどろの努力を積み重ねてきたからです。

 しかし、それも限界にきたこと、さらにコロナ禍の巣ごもり需要もあって、スーパー小売の売上げは好調。この1年は日本でも値上げが小売価格に反映されるようになったのです。確実にモノの価格が上がり始めました。

 日本ではまだ2%程度でも、アメリカなどは7%ほどの大幅な物価上昇になっていてほぼ40年ぶり。アジアではシンガポールは4%で8年ぶり、タイは食料品を中心に3%上がっていて大騒ぎになっていると報道されています。

 特に豚肉が1か月で30%近くも上がって庶民生活を直撃。ヨーロッパも同様です。例えばイギリスも30年ぶりの5%台になっています。








今の物価上昇は、賃金は上がらず不健全


 ここで、思い出してほしいことがあります。

 それは、年率2%のインフレ(物の価格が上がること)。これは、アベノミクスを始めた頃の日本政府の政策目標であったことです。

 9年前、アベノミクスで年率2%の物価上昇を目指すとし、異次元の金融緩和をしたもののついに実現することがなかったことが、ここにきて実現しているのです。

 ですが、歓迎すべきこととは思えません。なぜなら、今の物価上昇は当初目的した物価上昇とは異なるものだからです。言ってみれば、不健全な物価上昇だと思うのです。

家計簿 健全な物価上昇とは、国内の景気が良くなり、賃金も上がり、消費者の購買力が上がることで物やサービスが健全に売れ、それに伴い物価も上がるもの。今回の物価上昇局面では賃金は上がっていません。それどころか、コロナで目の前の生活ができなくなっている人が多いのです。

 それも、物価が上がった理由は国内の景気とほとんど関係ないもの。その原因は海外にあるからです。

 言ってみれば、賃金は上がらず景気の悪い日本経済に、物価高だけが輸入された形です。

 海外の原因とはなんでしょうか?




原油、穀物の価格上昇


 まずは原油価格の上昇。2021年後半から各国がウィズコロナの経済政策に舵を切ったことから経済が少しづつ回るようになり、それに伴いエネルギー需要が増えたのです。

 しかし、産油国は一時的なものだとして原油の産出量を増やしていません。さらにウクライナ情勢が緊迫し、西ヨーロッパへの天然ガスなどのエネルギーの一大供給国であるロシアとの対立も、さらにエネルギー価格の上昇要因になっています。

 食料品は毎月のように小麦や大豆など穀物の価格上昇が続いていて、その影響を受けています。これらは、温暖化に伴う異常気象が第一義的な理由です。さらに加えてコロナ禍で減ったコンテナ船やトラック輸送などの物流の混乱が続いていて、輸送したくてもできない、予定通りにできないという状態が続いています。

 需給が崩れた上に、エネルギー価格も上がったので、輸送費も大幅に値上げしているのです。

 さらに決定的なのが穀物も原油も今やマネーゲームの投機の対象となってること。








円安で輸入品がどんどん高くなる


 新型コロナウィルスで世界中で行われた金融緩和。世界中にあふれ出たマネーの多くが株式市場だけでなく、市場で売買される原油や穀物など商品先物の投機資金となって流れ込み、それらが原油や穀物の実物価格を上げた側面もあるのです。

 そして、仕上げは何と言っても円安です。対ドルだけでなくユーロに対しても日本円は弱含み。このため海外から輸入されるものは、どんどん高くなるのです。

 この円安は目先では落ち着く要因が見当たりません。

コロナ、給付金、米ドル アメリカの国内事情を考えると、今年の秋にはアメリカバイデン大統領にとって重要な中間選挙があります。物価高とコロナで、バイデン大統領の支持率は40%ほどと非常に低いのです。そのため物価高を抑えるために3月から立て続けにアメリカの政策金利の引き上げが確実視されています。

 選挙に間に合わせるために前倒しで引き上げることになると、さらに大きく円安方向に触れることも予想されます。となると、日本の国内物価を直撃するはずです。




上げ底値上げなど、過去10年間も値上げの流れはあった


 すでにお話ししましたが、日本国内の値上げの流れは今に始まったことではありません。過去10年間もそういう素地はあったのです。

 海外からの原材料価格などの値上がりでメーカー側も、小売側も工夫に工夫を重ねてきたのです。小売価格を値上げしたら、購買力のない消費者から拒否されてしまう。そのため、利益幅を圧縮し、人件費を抑えて価格をできるだけ値上げしないようにしてきたのです。

 また値上げをするにしても消費者に見つからないように工夫してきたものも少なくありません。生産者側は涙ぐましい工夫をしたのです。

スーパーマーケット スーパー 買い物 それは上げ底値上げと言っていいもの。販売価格は変えずに、今までは1リットルのオレンジジュースなどのドリンクがいつの間にか900ミリリットルに。500グラムのヨーグルトからグラニュー糖が消え、容量は450グラム、400グラムと中身を減らしていった。

 納豆は1パック50グラムが当たり前だったのに、容器は変えずに、中身を45グラムどころか、40グラムや35グラムと限界ギリギリまで減らしてきた。今は蓋を開けるとスカスカの商品が増えました。

 冷凍食品も8つ入りを7つ入りにする。200グラムなら170グラムにする。ラーメンの麺も1人前120グラムだったものを100グラムに。

 価格は変えずに中身を減らす。そんな値上げがされてきたのです。








今や地方の物価のほうが高い


 そして、もう一つ筆者が感じるいびつさは、都市部と地方の価格逆転です。

 店舗運営コストは都市部より地方のほうが低い。テナント料も人件費も低いからです。

 しかし、販売競争の激しい都市部では無理してでも値上げを抑えている店が多いのに対し、人口が減っている地方は、地元のスーパーが1軒だけ。便利に物が売られているだけで助かるという地域も少なくありません。

 競合相手の店もないので価格も安定していて、都市部の私が地方に出かけてスーパーに入ったりすると、価格が都会と変わらないかそれ以上のことが多くて驚いています。今や地方の物価のほうが高いのです。

 この物価高にどう我々は対処していったらいいでしょうか。




賃上げ、個人消費の増加につながる政策が必要


 まずは政治に求めたいのは賃上げの実現です。今や国民の40%前後が生活苦。買いたいものが山ほどあるのにお金がなくて買えない層が多いのです。ここにもう少しお金が流れるようにしてもらいたいものです。

 さらに、分厚く豊かに消費者の購買意欲を上げるために、低所得層だけでなく年収500~800万円という中間層の所得も増やすべきです。それがあってこそ、初めて日本経済を復活の流れに乗せるための個人消費の増加につながるからです。

 個人の所得が増えて、物が売れて、景気が良くなり価格もジワリと上がっていく。健全な物価上昇の流れを作らなければなりません。

30~40代・年収ダダ下がりの現実 岸田首相は今年は3%の実質賃上げをしたいと言ってます。それならば、まずは低所得に甘んじている非正規の公務員、国の医療費や薬価など政策で大きく影響される、医療関係者、介護や保育、教育関係者の賃金水準を民間に率先してあげるべきでしょう。いや、あげられるような政策を進める必要があるはずです。








消費者はどうすればいい?


 賃金が上がるまで、我々、消費者はどうすればいいのでしょうか?

 まずはもう一度、買い物や生活を見直してみることでしょう。

 例えば、光熱費は今や電気もガスも会社を選べる時代です。一度選んだ人も、1~2年に一度は会社の見直しを考えてみましょう。

買い物 買い物も価格にもっとシビアになるべきでしょう。こっそりと事実上値上げされた上げ底値上げを見抜いて、本当の価格はいくらなのかをきちんと比較するようにしたいですね。

 この連載でもお伝えしていますが、スーパーのプライベートブランド、特に食品関係は製造メーカーが明記されており、それは超一流メーカーのことが多い。安心して比較的安価で買えるものばかりです。上手に活かすべきでしょう。

 クレジットカードやポイント制度の見直しや自分の生活に役立つお得情報の収集も続けましょう。




きちんと使い切っていますか?


 これだけ値上げが続いてくると、少しでも安く買いたいと思うもの。それを否定はしませんが、私たち消費者が気をつけたいことは、安く買うということ以上に、きちんと使い切っていくこと。安くついたなあと後で思える消費生活を実践することではないでしょうか。

 安心安全な食材を使って美味しい料理のレパートリーを増やし、手料理の冷凍食品を作ったりして食費を抑えるようにするのもいいでしょう。

 セールに3回行くのなら2回にして、1回分の時間は、冷蔵庫や食材の保管場所にある忘れられた食料品をチェック。消費期限がくる前にきちんと消費するということも心がけたいものです。安く買ったものの、食べずに捨ててしまうことになったら、それは安かったかもしれませんが、ゴミにお金を払ったのと同じことになるからです。

買い物 つまり、一番やってはいけないことは、値上げ前に買っておこうと必要以上に食料品などを買いダメすることです。少し多めに買うという程度にして買いすぎには注意しましょう。最終的にゴミになるリスクとなるからです。

 私たち日本人は平均して年間に45キロも食品、食料品を捨てるといいます。安く買うことも大切ですが、この45キロを減らすということこそ、値上げに対する一番の防御策だと思うのです。

 でも、やっぱりお給料は増えてほしいですよね。思い切りため息をつきたい気持ちです。

【他の記事を読む】⇒シリーズ「女性が一生、お金に困らないためのレッスン」の一覧はこちらへどうぞ

<文/佐藤治彦>
佐藤治彦
経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『年収300万~700万円 普通の人がケチらず貯まるお金の話』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』『急に仕事を失っても、1年間は困らない貯蓄術』など多数 twitter:@SatoHaruhiko




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