月経、出産、更年期。女性のからだに変化はつきもの。自分の中に知らない自分が住んでいて、時にありえない言動を引き起こすことも。そんな時、『もし親友が婦人科医で、何でも聞けるとしたら?』(サンマーク出版)をひらいてください。悩みも不安も、親友のような気やすさで解決してくれるのです。
著者は医学博士のシーラ・デ・リス。「誰もが理解できる言葉で女性のからだの秘密をポジティブに暴いていくこと」を使命に活躍している婦人科医でもあります。「これって恥ずかしい?」といった疑問にも、ざっくばらんに答えてくれる姿は、全女性の心強い親友のよう。今回は女性の人生で長い付き合いになる、月経について取り上げます。
経血の色と量の関係
「女の子が初潮をむかえる年齢は、9歳から16歳までさまざまです」と本書。3~7日続く生理が、毎月同じ状態という人は少ないのではないでしょうか。色、量、周期、生理痛など、常に心配と隣り合わせですよね。

まず、一番わかりやすい「経血の色」ですが、そもそも生理期間中に血液の色は変化していくのです。本書によると、「茶色と黒は『経血量が少ない』サインで、赤い場合は反対に『経血量が多い』ことを示しています」。つまり、子宮内で排出される血液の色は同じ赤で、経血の量によって色が変化しているのです。
注目すべきは血液の流れで、「ゆっくり流れると、その分、空気に触れて酸化する時間が長くなるため、下着の中に到着するまでに茶色くなるのです」。このことをふまえると、生理の初日と最終日が茶色っぽい経血になるのが納得できますよね。
こんな経血の色は大丈夫?
女性のからだはとてもデリケート。生活や環境の変化、ストレスによって生理も影響を受けてしまいます。この色、この形状、何!?とトイレでギョッとした経験ありませんか。ここではインパクトのある経血と、その事情をいくつか本書からあげてみます。

・濃い赤色の血
外へ排出されるよりも早く流れ出てくるため、途中で渋滞が発生して、レバーのようなかたまりになることもある。
・レバー色のクラゲのようなかたまり
生のレバーのように見え、ときに手の平ほどの大きさになることもありますが、ただの血のかたまり。
・黒くて粘り気のある血
生理の終わりごろには、血が黒っぽくなることがあります。ただしそれが長く続く場合は、炎症の兆候である可能性もある。
いかがですか。特にレバー色のかたまりが付着した時は驚きますよね。しかし経血とは血液だけではなく、はがれ落ちた子宮内膜で構成されたもの。怪我などの出血とは異なるのです。ここを押さえておきたいです。
経血量が多い場合に考えられる原因
「生理期間中の出血の総量は平均して70ml、柔軟剤レノアのキャップとほぼ同量」と本書がおしえてくれました。個人差はあると思いますが、あまりにも量が多いと負担になります。「月経過多」と呼ばれる状態には5つの原因が考えられるそうです。以下、本書から3つ抜粋してまとめました。

・原因①筋腫がある
筋腫は子宮内にできた良性のこぶ。主な症状のひとつに経血量の増加がある。
・原因②排卵がなかった(システムのハングアップ)
ストレスなどによって無月経になり、月経周期が乱れた後に生理がくると、経血量が著しく増える可能性がある。
・原因③子宮内膜症
子宮内膜症は大量の経血、茶色い不正出血、ひどい生理痛など、さまざまな症状を引き起こす。
経血の色よりも量が、からだの変化のサインがありそうですね。普段あまり意識しない心因性のストレスを、経血が知らせてくれるかもしれません。
女性のからだのトリセツ

実は私も不正出血に苦しんだひとり。アラフィフという年齢から、更年期による不正出血と軽んじていたのですが、実際は子宮頚部のポリープが原因。ひと月のうち2~3週間は出血していて、生理と不正出血が渋滞しているありさま。婦人科医に相談し、切除するにいたりました。ポリープは良性でしたが、QOL(クオリティオブライフ)を考慮しての結論です。
月経を筆頭に、セックスや膣、デリケートゾーンや女性ホルモン等々、女性が快適に生きる上で欠かせない事柄って、たくさんあるのです。わかりやすく11章に分類された本書は、女性の人生によりそった1冊といえるでしょう。
<文/森美樹>
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx
(エディタ(Editor):dutyadmin)
