「子育てのピンチが笑いに変わる」こんなキャッチコピーではじまる『世界一楽しい子育てアイデア大全』(KADOKAWA、著:木下ゆーき、イラスト:モチコ)。笑いになんか変わるわけない!と、まさに子育て真っ最中のあなた。本書の著者は、SNS総フォロワー数36万人、笑いをまじえた子育て情報を発信するインフルエンサー、木下ゆーき氏。自身も3人の子供を持つ現役パパです。
子育ては“楽しい”と”大変”でできている
幼い子供が3人もいれば毎日が戦争に違いない、と誰もが思うはず。本書にも「子育ては割合で言うと、【楽しい1:大変9】くらい。カルピスだったら薄すぎてクレームが入る」とあります。が、楽しいのも大変なのも過ぎていく時間は平等ですよね。だからこそ、「せめて【楽しい2:大変8】という、ちょうどいいカルピスくらいにできたらいい」と、さまざまなアイデアで子供と向き合っているのです。
寝かしつけはギネス挑戦のつもりで挑む
生まれたばかりの赤ちゃんは、何をしても可愛いくて愛おしい存在。しかし! 赤ちゃんの可愛さに比例して、子育てで最も過酷なのもこの時期。赤ちゃんがなかなか寝てくれない、子供が泣き止まない、といった悩みは多いようです。
さて、そんな時はどうするか。なんと「寝かしつけのギネスに挑戦!? よ~い、スタート!」というアイデア。やり方は、「寝かしつけ開始から、寝かしつけ完了までの時間を計るだけ!」。単純な方法ですが、やってみると記録を付けたり、折れ線グラフにしたくなるもの。
何事も数字で表記し、図式化すると、尊い作業をしているような気がしてきます。いいえ、実際に子育ては尊いのです。さらに本書いわく、「時間がかかればかかるほど、自分を褒め称えたくなるよ!」というから一石二鳥ではありませんか。
ミルクはバーテンダーみたいにあげる
夜中でも早朝でも、赤ちゃんはお腹がすいて泣いたりしますよね。パパもママも疲労困憊、でも赤ちゃんは泣き止まない……、こんな時、あなたならどうしますか。本書の提案は、「バーテンダーみたいにミルクをあげてみよう!」。このアイデアが素晴らしいのは、夫婦でコント風に実践できること。
ママ「お待たせしました。粉ミルクのダブル、あちらのお客様からです」
パパ「隣いいですか? よかったら一緒に飲みません? 実は僕も若い頃、寝返りに苦労した時期があったんですよ」
こんな会話を繰り広げたら、ムーディーな音楽でもかけたくなりますね。もし真夜中だったら、あえて間接照明だけにして雰囲気を演出するのもありです。コントですから。
子どもたちをやる気にさせる、お片付けゲーム
遊んだあとのおもちゃの片付けが嫌いな子供、いますよね。大人だって整理整頓が苦手な世の中、子供ばかりをれません。そんな時、スマホひとつで解決するゲームがある!と本書がおしえてくれました。
名付けて「キレイなお部屋写真を見せて、同じお部屋に戻せるか?新感覚・お片付けゲームに挑戦!」。やり方を簡単に説明すると、「あらかじめ片付けた部屋におもちゃを数点配置し、写真を撮る。お片付けして欲しいタイミングに、その写真を子供に見せる」、これだけです。ここで大事なのが、子供のやる気スイッチをオンするかけ声。
「さあ、それでは! この写真と同じになるようにみんなを移動してくださ~い! 難しいけどできるかな~?? さあ、お片付けゲーム、スタート!!」
スタート!! と背中を押されてしまったら、きっと子供の身体は勝手に動くに違いありません。うま~く子供の気分をアップさせて、お片付けの楽しさを知ってもらいましょう。
これって大人にも応用できる、脳トレだと思うのですよ。子供はリビング、大人はキッチン、というように分担してどっちが早く片付けられるか競争してもいいですね。お互い、熱くなりすぎないよう、大人の節度も保ちたいです。
魔法の言葉、「全部低気圧のせい」

本書には、子育てにまつわるアイデアが126通り載っています。乳児期編にはじまり、パパママの気分アップテク編まで、8章に分かれていて至れり尽くせり。それでもやはり、思うようにいかないのが子育てです。「うまくいかないことが重なると、子供想いの優しいパパやママは『ダメな親だな……』なんて自分を責めてしまいます」と本書。いいえ、それは誰のせいでもないのです。
「低血圧のせい」
そう、子供のせいでも、パパやママのせいでもない。「全部低気圧のせいです。そういうことにしちゃいましょう」と本書。泣ける、魔法の言葉じゃありませんか。人生は、考え方ひとつで大変さを楽しさに変換できるのです。子育てを通して、日々の哲学をおしえてくれる、そんな1冊です。
<文/森美樹>
森美樹
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx
(エディタ(Editor):dutyadmin)



