結婚した以上、避けて通れないのが義実家との付き合い。いくら良好な関係を築きたいと思っていても嫁姑の関係は、時代が変わってもトラブルは尽きないもののようです。
「ウチもお義母さんが同じ市内に住んでいるのに『顔を見せにいらっしゃい』と言われることもなければ、こっちの家に遊びに来ることも滅多にない。だから、ずっと嫌われていると思っていました」
そう話すのは、以前勤めていた会社の先輩と5年前に入籍した久住明日奈さん(仮名・34歳)。結婚後は互いの職場から近いとの理由で夫の地元で暮らしてますが、義実家から近いのに交流が少ないのは確かに不自然です。
めったに来ない姑。嫌われているかも?
それでも嫁いびりなど意地悪をされたことは一度もなく、逆に何かと気遣ってくれる“優しい姑”だったとか。そのため、自分が避けられている理由がまったくわかりませんでした。
「直接何かされたわけじゃないため、余計な心配をかけるだけだと思って夫や両親にも相談はしていませんでした。ただ、親しい友達にもランチやお茶をした際、グチ交じりに『避けられるみたいなんだよね~』って話したら『間違いなく嫌われてるわ』って言われちゃって。それで現状維持でこの距離感を保ったままで付き合いを続けることにしたんです」
そんな明日奈さんでしたが、それからしばらくして第一子の妊娠が発覚。元気な男の子を無事出産しましたが、義母が会いに来るのは3~4か月に一度。それも毎回30分ほど居ただけで足早に帰ってしまったそうです。
「いつもたくさんのベビー用品を持ってきてくれて、息子の顔をのぞき込んでは本当にうれしそうにしているのですが、私が『抱いてあげてください』って言うまで触ろうともしないんです。それで初めて夫にお義母さんのことを相談してみたんです」

義母は自分が姑からイビられトラウマ?
夫はずっと上手く付き合っていると思っていたようで大変驚いたそうですが、数秒間考え込んだ後、「もしかしたら……」と義母の若いころの話を始めます。
義母は自身の姑からもともと結婚を反対されていたらしく、結婚後もずっと一方的にいびられ続けていました。明日奈さんの夫が中学生のころに病気で他界したそうですが、生前はまだ幼かった彼の前でも平気で嫌味を口にするほど。子供ながらに「あれは見ているこっちもキツかった」と語っていたそうです。
これが原因で義母は自分の息子の妻(=明日奈さん)と距離を置いて付き合っているかもしれないと夫から言われ、彼女も納得します。
「もしお義母さんの立場だったらきっと耐えられないと思いました。ですが、私のことを気遣ってくれたのだとしてもせっかくご近所同士なのに孫にもたまにしか会えないのはかわいそうじゃないですか。
とはいえ、私から話して変に誤解されたら大変ですし、夫から伝えてもらった方がいい気がして彼に任せることにしました」
次の週末、訪ねてきた義母は「余計な気を遣わせちゃってごめんね」と謝られ、その様子にあわてた明日奈さんも「私のほうこそすみませんでした」となぜか謝罪。2人して頭を下げ合いますが、ふと目が合って急に笑い出します。
会う頻度は増えたけど、今も適度な距離感

「どっちも悪くないのに謝り合っているのがおかしく感じちゃって。お義母さんも同じだったらしく、言い過ぎかもしれませんが初めてわかり合えた気がしました」
義母は自分が必要以上に干渉すれば絶対に嫌われると強迫観念に似た考えを持っていたらしく、あえて距離を置いていたそうです。
そこで彼女が「私たちも息子を連れて遊びに行きますからお義母さんももっとウチに来てください!」と懇願。その結果、互いに行き来する頻度は増えましたが、それでも顔を合わすのは月1回程度だといいます。
「私としてもまだ少ない気がするし、それこそ同居してもいいと思ったのですが、『今の距離感、関係がちょうどいいのよ』って。最初は一人暮らしでさびしく過ごしていたら悪いと思いましたが、いろいろと趣味もあって楽しそうに暮らしているのがわかったし、これでいいのだと受け入れています」
実の親子みたいに仲良しってわけではないそうですが、これといったトラブルもなく嫁姑関係は「ほどほどに良好です」と明日奈さん。このくらいの関係が互いに気疲れもストレスもないのかもしれませんね。
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<文/トシタカマサ イラスト/ただりえこ>
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トシタカマサ
一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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