【○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.29】
動物愛護センターなどにいる子猫は里親と出会えず、弱ったり亡くなったりすることが多いもの。生まれて間もないような乳飲み子猫は2~3時間おきにミルクを飲ませなければならず、手がかかることから殺処分されやすいとも言われています。
こうした命を救おうと始まったのが、ミルクボランティア。これは子猫を引き取り、育て、里親を探すという取り組み。この猫助けに力を注ぎ、愛猫キウイくんと運命的な出会いを果たしたのが、おがわんち(@four_cat_s)さんです。
猫のために何かしたくて「ミルクボランティア」に
猫のためになにかしたい。そう思ったおがわんちさんは、自分にできる猫助けを模索。カメラで猫を撮影するのが好きだったため、初めは譲渡用の写真を撮るボランティアをしようと考えましたが、複数の団体から断られ、断念しました。
そんなときに知ったのが、ミルクボランティア。
「これまでに乳飲み子猫の育児をしたのは2回でしたが、力になりたいと思って、即応募しました」
先輩たちのサポートを受けつつ、おがわんちさんは新米ボランティアとして奮闘。行わなければならないルーティンを頭に叩き込みました。
「まず、人肌に温めたミルクを準備して、排泄させ、計測。そしてミルクを飲ませた後、また体重をはかって、何ミリリットル飲んだかを記録します。飲ませる子は大体3匹くらいいるので、3回同じことを繰り返した後、ミルクの容器を煮沸消毒して、終了です」
元気だった子が下痢になり、1日半で命を落としたことも
一連の作業を終えるまでにかかる時間は、20分ほど。
「記録をすることが、とても大事。病院で診てもらう時に役立ちますし、異変に気づくきっかけにもなります。体重が増えていないのは懸念事項ですし、下痢は命に関わります」
子猫の体はデリケート。時には急変し、尽力しても命を落としてしまうことがあります。
「元気だった子が1日半の間にいきなり下痢で、ミルクを飲まなくなって亡くなってしまったことがありました。あっという間の出来事で、とても悲しかったです」
ボランティア中に出会ったキウイくん
そんななか、運命的な出会いを果たし、愛猫となったのがキウイくん(1歳)。生後2日と幼かったキウイくんは兄弟と共に、おがわんちさんのお家へ。元気な兄弟猫とは違い、迎えた日から1か月半くらいまで毎日下痢をしていました。
通院や投薬を行っても体調はよくならず、生後1か月でも体重は250グラムほど。離乳食に切り替えたらよくなるかもしれないと淡い期待を抱いていましたが、下痢は止まりませんでした。
そんなとき、役立ったのが先輩ボランティアさんの話。過去に油が合わなかった子がいたという情報を聞き、試しに子猫用フードの油分を取ってみることにしました。
「フードをキッチンペーパーの上に並べて、1晩おいて油を減らし、そのフードをお湯でふやかしたあと、フードプロセッサーでペースト状にしました」
さっそく、キウイくんに与えてみると徐々に下痢がとまり、体重も増加。あっという間に、兄弟と同じサイズになってくれました。
「毎日心配ばかりだったので、普通のうんちが出たときは、本当に感動しました」
譲渡会でも「キウイを選ばないでほしい」と複雑
キウイくんは下痢をしていたこともあり、迎えたいという声がなかなか、かからなかったよう。そこで譲渡会に参加させ、里親を探すことにしました。ところが、会場に着くなり、キウイくんはおがわんちさんに抱きつき、離れることを拒否したのです。
心を鬼にし、ケージに入れましたが、来場者から「他の子と迷っているので抱っこさせてほしい」と言われたとき、おがわんちさんは自分の本音に気づきました。
「できたらキウイを選ばないでほしいと思ってしまった。今振り返れば、ボランティアとしてどうなんだろうと思いますが(笑)。結局、その方は他の子を迎えることになったので、キウイをうちの子にしようと思ったんです」
当時、自宅にはすでに3匹の猫がいたため、4匹に増えたときの責任や金銭面を熟考し、引き取りを申し出ました。
よわよわしかった子猫が、人好きな食いしん坊に
こうして家族の一員となったキウイくんは、おがわんちさんの後をついて回るほどの甘えん坊です。
「遊ぶのが大好きで、よくおもちゃを持ってきてくれます。リビングで昼寝していて起きたら、周りに3種類くらいおもちゃが置いてあったこともあります(笑)」
なお、先住猫たちとの関係も良好です。猫嫌いで人間好きな茶トラのはやねちゃんには適度な距離感を保って接し、他2匹とは一緒に寝たり遊んだりして交友を楽しんでいます。
「小さな頃、下痢でご飯に気を使っていたのに、今では人間の食べ物を何でも食べようとするほどの食いしん坊になりました。でも、よく目を見てくるところや甘えん坊なところは昔と変わっていません」
よわよわしかったキウイくんは、さまざまな人の深い愛情によって、たくましく立派に成長することができました。まだまだ認知度が低い、ミルクボランティア。その取り組みに少しでも興味を持ってくれる人が増えたら、今よりもっと猫に優しい社会になりそうです。
<文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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