こんにちは、恋愛ジャーナリストの おおしまりえです。
誰でもDV当事者になりうる怖さ

3回にわたりDVやモラハラについて、2人の関係性に「支配とコントロールが生まれる」とDVは起こる、そして被害者と加害者の双方の意見を教えてもらいました。
元DV当事者でもある一般社団法人エフエフピー代表の中川さん夫婦の話はリアリティがあると同時に、不安感も残します。それは自分もDV加害者・被害者両方になる可能性があるし、恋愛相手に「暴力を振るわない人を選びたい」なんてことも、事前に判断するのは難しいということです。
またDVだけでなく、コミュニケーションを取る際は3つのことをより意識したいと思ったので、紹介していきます。
1.「彼氏なら〇〇して当然でしょ」と思ってない?
DVは、依存し合う気持ちが強く関係しています。これは、自分と相手の境界線を無視して踏み込みすぎていることに他なりません。
私は以前「アサーション」というコミュニケーション手法について学んだことがあります。これは、人には誰しも意見を発する権利があって、他人の主張を受け取るかを選ぶ権利もある、という考え方です。
例えば「私は◯◯して欲しい」は希望を伝えているだけですが、「◯◯してくれないなんてありえない」と要求すると、相手の境界線に迫っている感じがしませんか? これが境界線を超えるということです。
DVをこの構図に当てはめると、「◯◯しろ!」といったスタンスは、完全に受け手に選択肢を与えていないので、境界線を踏み越えています。
もっとライトなものだと、例えば彼氏に対して「彼氏なら〇〇して当然でしょ」という一方的な主張も、軽いものですが相手の境界線に踏み込みすぎと言えます。ちょっとむくれるくらいなら相手も流せるかもしれませんが、これに「だから男としてダメなんだよ!」と批判がついたら完全にアウト! 言葉のDVです。
こういった間違った距離感や偏ったジェンダー観は持たないよう心がけたい。私自身、取材を通じて改めて思いました。
2.「彼から連絡が来ないと不安」にひそむ心理
今回中川さん夫婦からは、「選択理論心理学」という方法論を教えてもらいました。感情は自分でコントロールできるものであって、外からの刺激で決定するものではないという考え方です。この仕組みのもと、ポジティブな思考を選択して感情をコントロールする方法論が選択理論心理学です。

中川拓さん、亜衣子さんご夫婦
例えば、彼から連絡が来なくて不安になる場合は、親(養育者)の愛情が安定して注がれている感覚がなかったことが起点となっていたりします。小さい頃からの愛情不安=大人になっても大事な人から愛されている自信が持てず、感情が揺らぎやすいというわけです。
改めて書いたのは、私自身も負の感情に振り回されないようにしたいと思ったと同時に、多くの人に感情との上手な付き合い方を知ってほしいからです。
ネガティブになってふさぎ込むくらいならまだしも、感情の暴走がDVとなり、周りに攻撃的になっては誰も幸せになりません。だからこそ、自分の感情との付き合い方には、より敏感になれたら良いなと思うのです。
3.パートナーを不必要にケナす人も危険
心を許した相手には、「あなたのために」という枕ことばをつけた自己満足な行動に走りがちです。それを「心を許しあった関係」とか「甘えられる関係」と言えばそれまでですが、ナチュラルに相手が傷つくことが含まれていたら、それは健康的とはいえません。

話は少し変わりますが、恋人の話の際に「俺の彼女ってマジデブでさ…」「私の彼って本当にバカなんだけど…」といった、パートナーを不必要に貶(おとし)めることでコミュニケーションを成立させる人がいます。
これは本人ではなく第三者との会話なので、本人の耳に入らなければ相手は傷つきません。しかし、心を許しあった関係ならば何をしてもよいのだろうかと、今回の取材の中でふと思い出されました。
相手を傷つけてまで成立させる関係とは?
相手が聞いたら傷つくような事を言ってまで成立させる人間関係って、一体何なのでしょうか。
DVは相手に直接的に浴びせる言葉や肉体の暴力ですが、他者の前で言う「パートナー落とし」の類も、間接的にはDVのようなものだなと私は思っています。されたくないし、自分がしていないか、ちょっとだけ敏感に生きたいなと思ったのでした。
大切な存在は、時に甘えることがあっても、大切に接し、そして大切に触れていきたい。多分最初は誰もがこう思い、人と一緒になるのに、どこかでボタンを掛け違えることでDVは生まれてしまいます。
もし記事を読み、自分はされているorしているかも、と感じる人がいたら、適切な判断のもと、早めに対策を考えていければと思います。
【話を聞いた方】
一般社団法人 エフエフピー
代表 中川拓さん、亜衣子さん
選択理論心理学をベースに人間関係修復の手伝いをする一般社団法人。過去のDV加害者/被害者の関係を乗り越えた夫婦が実践するDV加害者更生プログラムはおそらく日本唯一? オンラインと対面の両方でプログラムや面談を実施している。
<取材・文・イラスト/おおおしまりえ>
おおしまりえ
水商売やプロ雀士、素人モデルなどで、のべ1万人以上の男性を接客。現在は雑食系恋愛ジャーナリストとして年間100本以上恋愛コラムを執筆中。Twitter:@utena0518
(エディタ(Editor):dutyadmin)
