―花房火月医師インタビュー その4―
「今まで愛用してきた基礎化粧品が最近、なんとなく合わなくなってきた」という、40代女性はけっこういるのではないでしょうか。
合わないとわかっていつつも、どのような化粧品に変えたらいいのか判断できない。サンプルを使っていた時点では肌が落ち着いたけれど、本品を使用してみたらなぜか合わない――。そんな女性のために、基礎化粧品の選び方をはなふさ皮膚科の理事長、花房火月(はなふさ・ひづき)医師にお伺いしました(以下、コメントはすべて花房医師)。
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病院向けに薬を卸している、老舗の製薬会社に注目

「イチオシは、病院向けに抗がん剤や抗生物質をつくり、卸しているのがメインの大手老舗企業の基礎化粧品です。私がそういった企業と、顧問契約やスポンサー契約をしているからオススメしているわけではありません(笑)。薬剤をつくるということは、社会的責任を問われる事業。そのマインドを持って正確な理論に基づき基礎化粧品をつくっているため、1つずつの商品のレベルが高く、安全性が高いからです。
ただし、たとえ企業名に『製薬』とついていても、新興企業は個人的に推奨していません。研究機関も所持していなければ、コンプライアンスを守っているかどうかも疑わしいケースがあるからです。選ぶときのポイントは3つ。『薬剤をつくっているのがメインの企業』であり、『大手』で『老舗』です」
化粧品は高ければ高いほどいい、わけじゃない
「化粧品は高いほうが効き目があるはず」と思い込んで大金をつぎこむ女性もいます。ですが花房医師は、その考え方に警鐘を鳴らします。

花房火月(はなふさ・ひづき)医師
「自然派化粧品なら安心」というカン違い
ほかにも花房医師は、化粧品の2つの“うたい文句”に注意喚起します。1つめは「自然派化粧品」とのこと。

「現在の日本の基準では、ほんのわずかでも自然の成分を使っていれば、『自然派』を名乗れてしまいます。実は、合成の化粧品とほとんど成分が変わらないものも少なくないのです。
また、『天然だから刺激が少ない』と考えるのも早計です。自然界を見渡してみれば、うるしなどのようにかぶれやすいもの、刺激の強いものがたくさんあります。そのままでは人体に害を及ぼす危険があるため、有効な成分だけを科学的に合成するなど、考えてつくられているものも数多くあるのです。
肌が敏感で、荒れたりかぶれやすい人は、無香料のものを。そして、アレルギーなどを起こす可能性がある、防腐剤や合成界面活性剤などを含む『旧表示指定成分』を除いた化粧品を選ぶようにしましょう。
ただし、厚生労働省により表示指定成分が定められたのは、1980年。その後、新しく登場した成分もありますので、肌トラブルが収まらないときは、どんな成分に反応しているのか、皮膚科で確認することをオススメします」
「幹細胞」というキャッチフレーズの化粧品にも注意
2つめの成分は、「幹細胞」とのことです。

「幹細胞とは、自ら細胞分裂によって増殖し(自己複製)、さまざまな機能を果たす組織細胞に分化する能力を持つ、すべての多細胞生物に存在する細胞を意味します。胚性幹細胞(ES細胞)、成体幹細胞、iPS細胞などであれば、どれか1種類は聞いたことがあるのではないでしょうか。
幹細胞は『生きている細胞』であるため、販売するためには再生医療法の許可が必要ですし、販売すること自体が違法です。ですから『幹細胞由来(あるいは配合)』と謳っている化粧品には、幹細胞そのものが入ってはいないのです。そもそも幹細胞は皮膚を通過できないうえに、通過したとしても拒絶反応を起こして皮膚から排除されるだけ。『幹細胞』というキャッチフレーズには注意してください」
花房医師の注目する成分は「ビタミンA誘導体」
一方で花房医師は、注目している成分があるといいます。

「つけ薬(外用薬)は現在、女性皮膚科医の間でもブームになっている『ビタミンA誘導体』です。
・肌のヒアルロン酸や水分量を増やし、肌をやわらかくする
・肌のハリ感がアップ
・シワの改善
などの効果が期待できるため、積極的にエイジングケアへ取り組みたい女性や、化粧品選びに困っている女性は一度、取り入れてみてはいかがでしょうか」
「ビタミンC」はサプリメントなどで補給を
「プラス、『ビタミンC』はサプリメントなどで補給を。
『ビタミンA誘導体』入りの化粧品を使用しつつ、『ビタミンC』に含まれる抗酸化物質を常に一定のレベルで体内に保つことができれば、加齢は若干抑えられるのではないか、というのが個人的な見解です」
勉強になりました。「薬剤をつくっているのがメイン」である「大手」で「老舗」の製薬会社、「ビタミンA誘導体」入りの化粧品、ビタミンCのサプリ…このキーワードを参考に探してみます。
<花房火月 取材・文/内埜さくら>
(エディタ(Editor):dutyadmin)
