子供は、大人には気づかないものに気付くのかもしれません。
その家ではいっぱい怖いめにあったけど、その子のことはちっとも怖く感じていなかった……。現在は結婚して都内で暮らしている彩子さん(40歳)が、埼玉県の実家で子どもの頃に体験したという不思議な現象について話してくれました。
「私の実家はそんなに広くはないマンションの最上階にあったんですが、なぜか夜中になると屋上から大勢の人の足音がしたり、隣の家が隣接しているわけでもないのに、壁の向こうからこちらが揺れるほど叩かれる音がしたり……ちょっと変なことがよく起こる家ではありました。
母はしょっちゅう夜中にリビングで人魂が飛んでるのを見ていたり、私も金縛りに遭うのが日常的でした」
それゆえに、家で一人で留守番をするのがずっと嫌だったという彩子さん。実家で体験した心霊現象は数知れずで、思い出したくないことも多いそうです。しかし、そんな中でもふとした時に現れたという謎の白い影のことだけは、恐怖心を一度も抱いたことがないと言うのです。
男の子の白い影が通りかかる
「自分の部屋からリビングに行こうと襖(ふすま)を開けた瞬間、ふわっと自然に通りかかるんですよ。ほんとに一瞬なんですが、自分と似たような背丈の男の子だというのが直感でわかるんです。初めて見たのは幼稚園くらいでしたね。
それから年に何回かのペースで同じことがありました。最初はびっくりしたんですが、ただ通り過ぎるだけっていうのもあって、途中からは『あ、またいる』みたいな感覚でしたね」

死産だった兄?!
この白い影、不思議なことに彩子さんが成長をするごとに大きくなっていったそうです。彩子さんが小学校高学年になった頃には明らかに自分よりも大きなサイズになっていて、それにはすごくビックリしたとか。
その頃には襖を開けた時だけでなく、リビングで寛いでいるタイミングでも現れるようになり、その気配に幼なじみの男の子が遊びに来たと勘違いして声を掛けてしまったこともあるそう。
「結論からいうと、どうやらその影は母が私より一年前に死産してしまっていた兄だったんじゃないかと……。その子がうちの中で私と同じように成長していってたんじゃないかなって。そう考えると、影の大きさとか急に私より背が高くなったのも納得できるんですよね」
中学以降見えなくなった
彩子さんがその白い影を最後に見たのは、中学生になる少し前のこと。ちょうどその頃に彩子さんは初潮を迎え、大人の女性の仲間入りを果たしていました。家の中での怪奇現象は相変わらずだったのですが、白い影はそれ以降は一切姿を現さなくなったといいます。
「もしかしたら私が大人になるまで見守ってくれてたのかなぁって思ってます。もしくは、お兄ちゃんも思春期になっちゃったから、出てくるのが恥ずかしくなっちゃったとか?(笑)。
でも、見えてないだけでまだ家にいるなら41歳かぁ。ちょっとまた、実家に帰った時にでも私の前を通り過ぎて欲しいですね」
―シリーズ「怪談・ゾッとする話/不思議な話」―
<文/もちづき千代子 イラスト/カツオ>
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もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。
(エディタ(Editor):dutyadmin)
