突然の発汗、イライラ、体重増加、抜け毛……、これって? 「私、いったいどうしちゃったの?」。こんな一言ではじまる、『死んでも女性ホルモン減らさない!』(著: 葉石 かおり、発行:KADOKAWA)。15年間婦人科に通い続けた著者による、女性ホルモンに特化した一冊。産婦人科医の吉野一枝先生とタッグを組んだ、女性のためのバイブルです。なんと、本書からマンガ1話を出張掲載。わかる!と共感する人もいるのでは。
身体の変化は突然やってくる












女性ホルモンの変化というと、40代~50代のイメージが強いのですが、著者は30代からはじまりました。そう、若年性更年期です。本書によると女性ホルモンの減少は、「身体的要因」「心理的要因」「社会的要因」の3つ。他に「職場におけるポジション、人間関係でのストレス、家庭におけるストレス」も要因の一端だそうです。女性の活動範囲が広がったぶん、女性ホルモンへの影響も多岐に渡るのでしょう。
まずはパートナードクターを見つけよう
婦人科は敷居が高い。そう感じる人もいますよね。とはいえ、身体の不調はプロに任せるのが早道。
失敗しないために、「口コミ、病院検索サイトの評判をチェック」「クリニックのホームページをチェック」が基本。さらに、「医師が何人も常駐し、受診の度に担当が代わる大きな病院はあまりおすすめしません」とのこと。
受診前に用意しておきたいメモが、「ここ半年の生理の状況(期間、頻度、出血量など)」「最終月経」「手術歴、病歴」「現在飲んでいる薬や、受けている治療など」「今いちばん困っている症状」「希望する治療」など。私の経験で恐縮ですが、生理状況や状態についてのカウンセリングに時間を取られました。
ここで更年期の主な治療方法を紹介しましょう。
主な治療方法は3つ

・HRT(Hormone Replacement Theapy:ホルモン補充療法)
原則的にエストロゲンが低下した女性、閉経後の女性が対象。飲み薬、貼り薬、ジェル剤の3タイプがある。
※低用量ピルは、原則的に閉経前の50歳までの女性が対象
・漢方療法
HRTに抵抗のある方、また血栓症や乳がん、子宮がんなどを患った方向け。
・サプリメント
「命の母」「エクオール」等、更年期症状を緩和するサプリメント。低用量ピルやHRTによる治療を行っている方は重複して使用する必要はありません。
薬には抵抗がある、なるべく自然な形で緩和させたい、等々。人にはそれぞれ好みがありますし、身体に合う、合わないも個人差があります。「婦人科での治療はオーダーメイドで」と本書がいうように、自分の意見を率直に伝えながら、医師と治療を決めていくのがベスト。そのためにも、パートナードクターは慎重に探したいですよね。
基礎知識だけでも網羅しよう
低用量ピルやHRTを服用すれば、症状が回復するかもしれません。でもれっきとした薬、副作用を懸念して踏み切れない人もいるはず。婦人科へ相談する前に、本書から基礎知識を抜粋しておきましょう。

・低用量ピルを飲むと太る?
ピルによって一時的に水分で体重が増えても、脂肪が増えて肥満になることはない。著者はむくみのために1週間で2㎏増。漢方薬で対処し2日間で元の体重に。
・HRTの副作用は?
HRTで現れやすい副作用は軽度の乳房の張り、性器出血、吐き気、頭痛など。ちなみにHRTと乳がんの関連性は、現在も国内外で調査が行われていている。
アラフィフの私ですが、少量の不正出血が続いた昨年に婦人科の扉を叩きました。結果、女性ホルモンの数値は足りていたので低用量ピルは使えず(当然HRTも無理)、漢方薬を処方されました。
ごくわずかとはいえ出血は不快、ラクになるなら女性ホルモンを投与したい!と安易に考えてしまいましたが、女性ホルモンは多いほどいいわけではないのです。逆に「不正出血の原因になりかねない」と本書が警告。やはりバランスが大切なのでしょう。
薬は必ず婦人科で処方してもらう
低用量ピルも個人輸入で簡単に入手できてしまいますが、「偽物の薬だったり、何かとリスクがあるから必ずお医者さんに処方してもらって」と本書。低用量ピルも漢方薬も種類が豊富ですし、継続するか変更するか、医師に見極めてもらうのが安心安全です。
これも私の経験ですが、2軒婦人科を回ったところ、低用量ピル&HRT推奨派、漢方薬推奨派、とお医者さんによって個性がありました。まずは自分がどうしたいのか、目的を把握しておくのも大事。私は漢方薬で解決し、他の不調は今のところありません。しかし、女性ホルモンの減少は誰にでも起こるもの。いざ、という時に慌てないために、基礎知識だけでもつけておきたいですね。
―小説家・森美樹のブックレビュー―
<文/森美樹>
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森美樹
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)を上梓。Twitter:@morimikixxx
(エディタ(Editor):dutyadmin)


