大人になると、知り合いと友達の線引きがだんだんと曖昧(あいまい)になってきませんか? SNSの「友達」って一体何なんだろうと思ったり。そして曖昧だからこそ、良くわからない人間関係が増えていき、気づくと負担になっていることもあります。
そんな人間関係を、コロナ禍を機にリセットしたというのが、桃子さん(29歳・仮名)。一体どんなきっかけがあったのでしょう。
「私は私のために生きているかな」と不安に
「人生の中で限られた時間とエネルギーを何にどう使うかで、人生そのものの質が変わってしまうと気づいたんです」
コロナ禍で友人を整理した理由について、桃子さんはこのように語りました。
「1日24時間のうち、何に時間とお金と労力を使うか……もっと言えば、何について考え事をするかも、意識しないといけないなって。これらの積み重ねが人生なわけで。そう考えると、本当に私は私のために人生を生きているかなって、コロナで家にこもっているときに不安になったんです」

人に流される自分の生き方が「もったいない」と気づく
桃子さんはどちらかといえば素直で人がよく断り下手で、頼まれ事を受けることも多い性格だそう。たとえば用事があったのにLINEの返事に対応していたら時間を使ってしまったとか、本当はあまり行きたくない用事でも、予定が空いているからついOKしてしまった、なんてことが多かったそうです。
「判断の基準がいつも自分ではなく、相手だったんです。相手が誘ってくれるなら予定が空いていたら行く。行きたいかより、空いているか、行かないと相手に角が立つかで決めていました」
微妙な窮屈さを覚える桃子さんの生き方。でも、コロナで人と会えない時間を取ったことで、こんな考え方するのはムダなのでは? エネルギーがもったいないのでは? と、彼女の中に疑問が浮かび、そして実行に移すことになったそうです。
思い切った“友達”の整理は3パターン!
桃子さんの人間関係の整理対象は、主に3パターンだったそうです。
・愚痴ってばかりで一緒にいるとつい不満の吐き出しあいになる女友達
・いつも言いたい事がある時だけ連絡してくる年上の友達
・セフレがいたり不倫をしていたりして、桃子さんと貞操観念が合わない男女の友達

「この3つに当てはまる人を、合計すると10~20人くらいを思いきってLINEから削除しました。それから、もう連絡を取らないであろう人のLINEも200人くらい削除しました(笑)」
なかなか大胆な決断です。その後、元彼からわざわざ別のSNS経由で「LINEブロックした?」から始まる不安そうな文面のメッセージが来たとか。
「連絡にびっくりしたと同時に、気づいてしまったんです。それまでは別れても友人として大切にされているような気でいたのですが、そうではなく、彼の未練と『過去の女といつでも連絡が取れる』という安心感を満たすためだけに繋がってたんだと。無駄だなーって思いました。もちろん彼のことはそのままスルーです」
大規模な“整理”で問題が起きないか多少不安もあったものの、その元彼以外特に誰からも連絡はなく、支障はないそう。人との繋がりなんて、本当に大切な人を除き、そんなものなのかもしれませんね。
都合の良い“発散”はもうやめた
大胆な人間関係の整理をした桃子さん。そこから約3ヶ月たった今、どんな変化があったのでしょうか。
「人間関係については、凄くスッキリ爽快です! ときには、前のようななんとなーくお互いその時の目的を満たすためだけの関係性が恋しくなることもあります。でもそれは、単なる一時的な発散の相手としてお互いを都合よく使っているだけだとわかっているので、戻ることはありません」
少しずつ、自分を優先できるようになった
「この人だからお付き合いしたい」という友人だけとの関係にきちんと向き合った結果、桃子さんは改めて感じることがあったといいます。
「今の人間関係を凄く大切にするようになりました。この人だから会いたい、この人だから話したい、聞きたい、って選択をきちんとできるようになったからこそ、相手としっかり向き合うというか。あと、自分を少しずつ優先する生活もでき始めたかなって思っています」

資格の勉強と、趣味を再開
緊急事態宣言が解除された頃、桃子さんはずっとやってみたかった資格の勉強と、学生の頃の趣味だったアクセサリー作りを再開させたそうです。
「今すぐお金になるってわけじゃないし、これが自分の人生にどう影響するかは分からないです。でも、今まで時間がないとか、やってうまくいかなかったら落ち込むからと自分に言い訳して避けていた事を、とりあえずやり始めるようにしています」
桃子さんの資格が取れるのは半年後ということで、その頃の彼女がどんな風になっているか、彼女自身も楽しみだといいます。
新型コロナ(COVID-19)の流行は、世界中の人々に価値観の変化をもたらしました。そんな中で、彼女の変化はハタから見たら小さなものかもしれません。だけど何年、何十年と経って振り返った時に、きっと「あのとき考え方を変えて良かった」と思える類の変化なのだと筆者は思います。
―私が「手放して」よかったもの―
<文/おおしまりえ イラスト/ただりえこ>
おおしまりえ
水商売やプロ雀士、素人モデルなどで、のべ1万人以上の男性を接客。現在は雑食系恋愛ジャーナリストとして年間100本以上恋愛コラムを執筆中。Twitter:@utena0518
(エディタ(Editor):dutyadmin)
