電車やバスが便利な東京などの大都市圏に住んでいれば、必要性をあまり感じない自家用車。でも、地方だと通勤や買い物などに欠かせない生活の足になっています。

写真はイメージです(以下同じ)
そう話すのは、住民1人あたりの自動車所有台数日本一の群馬県在住の松山晴美さん(仮名・28歳/医療事務)。大学卒業後に就職してひとり暮らしを始めた際、両親から実家の車をゆずってもらいましたが、乗る機会は少なかったといいます。
地方でも、車が必要だとは限らない
「マイカー通勤OKなので最初のうちは車で通っていたんです。でも、最寄り駅から歩いて10分程度ですし、車だと仕事帰りにお酒を飲むこともできないじゃないですか。
職場には同年代の人が多くて、仲良くなって食事やカラオケに誘われること増えたんです。はじめは運転代行サービスを利用していたんですけど、頼むと高くついちゃいますし、だったら電車通勤のほうがいいなって。結局、車で通っていたのは就職後の半年くらいで、それからはずっと電車通勤です」
通勤に車を使わなかったとしても地方だとスーパーなどの商業施設は、郊外に集中しているケースも多いはず。買い物はどうしていたのでしょうか?
「だから、車はほぼ買い物専用でした。食料は基本的にまとめ買いをしていたので、1か月の走行距離は30キロを超えない月も多かったです。しかも、ハイブリッド車だったからガソリン代は安くて助かりました」

約40万円で手放した
とはいえ、駐車場代や自動車保険、カー用品代などを含めると、車の維持費は月に1万円2000円~1万5000円。都会よりずっと安いとはいえ、ひとり暮らしの20代女性にとっては負担です。
「当時も今も手取りで20万円に届かない程度の収入しかなくて、家計を見直したとき、車を手放せば維持費が丸々かからないことに気がついたんです。2~3か月に一度、友達とドライブに行ってましたが毎回自分の車を出していたわけじゃないですし、必要になってもそのきだけ実家の車を借りれば済むかなって。
もちろん、自分で買った車ではないので勝手に処分するのはマズいと思って両親に相談しましたが、『私たちは要らないから売っても構わないわよ』と言ってくれたので就職2年目の冬に処分しちゃいました(笑)」
ちなみに車の査定額は約40万円。両親はそのお金も晴美さんが受け取って構わないと言ってくれたそうで、思わぬ臨時収入を手にすることに。
車を処分したことで考え方が変わった

「年2回のボーナスも給料ほぼ1か月分の額しかなく、こんなまとまったお金を手にしたのは生まれてはじめてのことでした。もらいっぱなしじゃ悪いと思い、両親には温泉旅行をプレゼントしましたがそれでも残金は30万円以上。
また、車の維持費にかかっていた分のお金も貯金に回せるようになり、それまでの倍以上のペースでお金を貯められるようになりました」
さらに車を手放したのを機に買い物はネットショッピングを積極的に活用。「買い物に行く手間が省け、その分好きに使える時間が増えました」とそのメリットを語ります。
仕事でもムダがなくなってきた
「車がなくなったっことで移動だけに限らず、物事を効率的に考えるきっかけになった気がします。
仕事でも私のやり方には無駄が多いことに気づき、エクセルのショートカットなど改めて勉強した結果、今まで以上のスピードで作業できるようになりました。残念ながら査定や給料にはあまり反映されていませんけど(苦笑)」
車社会で車を処分することは勇気が要ることです。彼女はたまたま処分しても生活できただけで誰もが真似できるわけではないでしょう。それでも車を手放したことを通して、いい意味で考え方を改めることができたようです。
―私が「手放して」よかったもの―
<文/トシタカマサ イラスト/ただりえこ>
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トシタカマサ
一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
(エディタ(Editor):dutyadmin)