ニキビができるとそれだけでテンションが下がるのに、かゆみが出てきてイライラ…。でも、かきむしったらニキビが悪化しそうだし、傷にもなりそう…。 「あーもう、どうすればいいの!」なんて悩んでいませんか? 今回は、そんなやっかいな“かゆいニキビ”の対処法を、表参道にある人気クリニック『美容皮膚科タカミクリニック』の本田医師に教えていただきました。
【目次】
・白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビ…かゆみが出やすいのはどのニキビ?
・かゆいニキビが悪化!化膿した黄ニキビの対処法は?
・頬、顎、背中、鼻、フェイスライン、おでこ…かゆみが出たときの対策は?
・まずは皮膚科へ。スキンケアの見直しも必要!
白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビ…かゆみが出やすいのはどのニキビ?
お話を伺ったのは…本田えり医師
1日100名前後が来院する『美容皮膚科タカミクリニック』にて、ニキビ治療・毛穴治療をメインに、シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療まで一貫して治療を行っている。現在の肌トラブルの改善はもちろん、将来に向けて、より美しい肌で過ごせるよう治療計画の提案、スキンケア指導を含めた生活面でのアドバイスも好評。
ニキビは、症状が軽いものから順に、白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビと呼ばれています。

白ニキビは、肌表面がぽつんと小さく盛り上がった状態。痛みはなく、中に皮脂がつまっているのがわかりますが、赤みはありません。

この白ニキビが進行し、コメドが黒く酸化したのが黒ニキビ。ここからさらに炎症が進んで、赤く盛り上がってしまったのが赤ニキビ。赤ニキビの中に膿がたまったのが黄ニキビです。
このように、さまざまな段階があるニキビの中で、かゆみが出やすいニキビとはどの段階でしょうか。
炎症が進むとかゆみ出現! ニキビがかゆくなる理由とは…
ニキビがヒリヒリ痛いのもツライですが、かゆいのもまたツライものです。特に背中ニキビなどは、手が届かずにイライラしたり。
「じつはそのかゆみ、ニキビが原因ではないかもそれません。というのも、ニキビがかゆいケースと、肌の乾燥やアレルギーなどで肌がかゆいケースがあるためです。自分のかゆみがどっちのケースかをまず見極めたいですね。
ニキビに強い赤みがある、膿があるような炎症がひどい場合ですと、細胞からヒスタミンが出やすくなって、まわりの神経に作用するので、痛みやかゆみを伴うことがあります。
しかし、炎症が軽いニキビはかゆみが出にくいので、“白ニキビなのにかゆくてたまらない”といった場合なら、化粧品や花粉などのアレルギーや、乾燥肌を疑ったほうがいいと思います」(本田先生・以下「」内同)
アレルギーだったら、原因を取り除くことや飲み薬・塗り薬を使用する、乾燥肌だったら保湿剤を塗ったりスキンケアの見直しをするなど、対処法が変わってきます。自分のかゆみがどれに当たるのか、まずはそれを知ることが大切。
炎症がひどいときor治りかけ…どっちがかゆい?
「炎症がひどいときのほうが、かゆみが強いですね」
ただし、かゆみが強いといってもニキビの場合、強烈なかゆみが出ることはあまりないそう。
「うちの患者さんたちの声を聞くと、全員ではありませんが、ニキビでは“我慢できるかゆさ”という人が多いですね。“かかずにはいられない”というほど強いかゆみは、やはりじんましんや乾燥肌の方が多いですよ。薬の刺激でかゆみを訴える人もいます」
“私のかゆみはニキビ? それとも違う原因?”と迷うのであれば、このかゆみの度合いをヒントにしてもいいかもしれません。
ただし、これはあくまで本田先生の皮膚感覚だそうなので、自己判断で決めつけずに一度病院に足を運んでくださいとのことです。
かゆいニキビが悪化!化膿した黄ニキビの対処法は?
膿がたまった黄ニキビの治し方
膿んでいる黄ニキビはかなり悪化が進んだ状態!

赤ニキビが進行し、中に膿がたまった黄ニキビ(膿胞ニキビ)。
「ホルモンバランスの乱れなどで皮脂が過剰に分泌したり、角質が厚くなってしまっていたりすると、毛穴が皮脂で詰まってしまいます。そこに、皮脂を栄養として繁殖するアクネ菌が増殖、炎症を起こした状態が赤ニキビ。
赤ニキビがさらに進行してしまい、皮膚表面にいるブドウ球菌が悪さをした状態が、中に膿が溜まった黄色ニキビです」(本田先生・以下「」内同)
膿は、ニキビ菌と戦った白血球の残骸が溜まっている状態。ニキビがかなり悪化した状態なので、触ったら痛み、かゆみがあることも。
「ニキビ治療は、なるだけ早く皮膚科にかかるのが最善策。“このくらいじゃ、クリニックなんて”と思わず、気軽に来てください。膿胞ニキビになってからクリニックに行くより、クレーターなどの傷跡になるリスクが格段に違います」
膿んでいる黄ニキビは放置すべき?それとも潰して芯を出すべき?
“膿ができてくると、つい潰したくなってしまう”という人も多いかと思います。潰す行為はやはり避けるべき?
「クリニックでは、専用器具で圧出して中の膿を出す処置もあります。なので、潰すことは悪いことではありません。ただし、ご自身で潰すのは凹みなどの傷になるリスクが高いので、やめたほうがいいでしょう。場合によっては、赤くなって硬くなったまま残ってしまったり、余計に悪化してしまうので、なるべく触らないこと。タカミクリニックでは、圧出が可能なニキビか可能でないニキビか判断し、可能でないにニキビには注射を行うことがあります。黄ニキビには抗生剤の塗り薬が効果的です」
ニキビの膿が出た後は、どうすれば跡が残りにくい?
ニキビでいちばん心配なのが、治ったあとも肌が凹んだままになってしまったり、黒く色素沈着をすることです。どうすれば、こういった事態を防げるでしょうか。
「ギュウギュウと指で膿を押し出してしまうと、傷にもなりやすいし治りも悪くなります。ニキビを触れば触るだけ、傷が残りやすくなってしまうので、触らないように心がけて」
“ニキビ用コスメ”は乾燥肌では成分をよく見て
では、ニキビ用と謳っている化粧品を使うというのは効果としてどうでしょうか?
「“ニキビ肌用”と謳っているスキンケア製品の中で、エタノールが使用されていると、乾燥肌の方はしみるかもしれません。皮膚が腫れてまた違うところにニキビができたり、赤みが強くなるリスクがあります。皮脂が多くて若い世代の、エタノールによる刺激を受けない方が使うぶんにはいいんですが、30歳以降の女性で敏感肌や乾燥肌の方は避けたほうがいいでしょう。ニキビ用化粧品は、エタノールやサリチル酸を配合していることが多く、皮脂を抑える作用が強いので、肌を乾燥させます。すると、肌のバリア機能が低下、外的刺激をブロックできずにニキビを招いてしまう原因に。さらに、“乾燥するから”といってスキンケアでクリームをたっぷり塗ってしまうと、さらに毛穴を詰まらせてしまいニキビができやすくなるという悪循環を招きます」
ビタミンC誘導体の化粧水で色素沈着を予防!
では、跡が残らないようにするケアとして、どんなものがあげられますか?
「ニキビ跡が残らないようにケアしたいなら、ビタミンC誘導体が入っている化粧水でコットンパックすると、色素沈着を抑えられると思います。外からのケアだけでなく、ビタミンCやLシステイン、トラネキサム酸といったサプリを飲むのもいいと思いますよ。炎症も抑えますが、メラニンを作るのも抑制してくれるので、ニキビ跡の赤みが黒くなるのを防いでくれます」
ニキビ肌の人は敏感肌用コスメが正解
では、大人ニキビを繰り返す人が、普段のケアで使うべきおすすめアイテムを教えてください。
「30代以降の大人の女性なら、皮膚科のニキビ薬と一緒に、ニキビ用ではなく敏感肌用の化粧品メーカーさんが出しているスキンケアアイテムを使うのがおすすめです。グリチルリチン酸などの炎症を抑える成分を入れているため、ニキビを予防でき、薬の刺激も抑えることができます。ただし、クリームの使用は避けてください。油分が毛穴を詰まらせる原因になります」
“ニキビ用化粧品を使っているのに、なかなかニキビ肌が改善しない”という人は、皮膚科のニキビ薬と合わせて敏感肌用のコスメを試してみてはいかがでしょうか。
膿がたまった黄ニキビの治し方は? 跡が残りにくいケア方法を医師が伝授
頬、アゴ、背中、鼻、フェイスライン、おでこ…かゆみが出たときの対策は?
では続いて、かゆみが出たときの対処法について教えていただきました。
冷やすのは有効?・・・×
「刺激になる可能性があるので、あまりおすすめしません」(本田先生・以下「」内同)
かゆみ止めなど市販塗り薬は?・・・×
「かゆみの原因がよく分からないのであれば、塗らない方がいいと思います。クリーム状の薬などは油分が多くなってきますので、毛穴が詰まってしまうことに。それに、お薬の種類によっては、かゆみ止めの中に、ニキビの炎症が悪化するような成分が入っていることも考えられます」
化粧水は?・・・○
「消炎効果のある敏感肌用化粧水でコットンパックするのはいいと思います」
ただし、炎症効果のある化粧水を塗ってもさらにかゆみがひどくなるようなら、化粧品に肌に合わない成分が入っているということ。すぐに使用を中止してくださいね。
血行がよくなるとかゆみがひどくなる! かゆいときに絶対やってはいけないことは…
かゆみがあるとき、やってはいけないことを教えてください。
「お風呂に入るなど、温めるとよけいかゆみが増すのでやめたほうがいいでしょう。お酒を飲むのも血行がよくなってしまうので避けて」
もちろん、かくのも絶対にNG。
「かいてしまうと、ヒスタミンを誘発するので、またかゆくなります。さらに、かくことでまわりの皮膚が腫れて、毛穴がつまりやすくなるリスクも」
かくことは、ニキビにとって悪循環なんですね!
ニキビを作らないためにはスキンケアの見直しも必要!
患者さんには「触らないで、つぶさないで、と伝えています。“触らなきゃ、そんなに跡が残らないのに…”と、よく思っちゃいますね」(本田先生・以下「」内同)
大人ニキビの原因は、ストレスによるホルモンバランスの乱れや、外食が多いなどの不健康な食生活、睡眠不足など…。こういった生活習慣は、なかなか改善するのが難しいと思うんですが。
「仕事もプライベートも忙しく、変化の大きい20代、30代女性にとって、ストレスがない環境に身を置いたり、生活習慣を変えることはそう簡単なことではありません。簡単ですぐにでもスタートできるのは、ニキビ用の外用薬を使うのと、スキンケアを見直すこと。
大人ニキビは肌が乾燥してバリア機能が低下していることも一因なので、セラミドなどの細胞間脂質を補ってしっかり保湿してくれる、敏感肌用のコスメを使うのがおすすめです。そして、ニキビができやすいところには、油分をなるべく塗らないように心がけて」
“大人ニキビを繰り返す”という人は、肌が乾燥するからとクリームやオイルを使いすぎていたり、自分の肌に合わない成分を含んだ化粧品を使っていたり…、肌をこすり過ぎていたり、ピーリングをやり過ぎていたり…。気づかないうちに、自分でニキビを作るお手入れをしてしまっているかも。
自身のスキンケア方法を、一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。