
しっかり睡眠時間をとっているはずなのにぐっすり寝た気がせず、日中の眠気もとれない。「もしかして年齢のせい?」なんて考えて、そのままにしてはいませんか? 眠気の原因の探り方と受診のタイミングについて、睡眠専門医の柳原万里子先生に教えていただきました。
眠くなり始めた心当たりはありますか?
「まず眠くなり始めたのはいつ頃か、またその頃に生活習慣や環境の変化がなかったか振り返ってみましょう」と語るのは睡眠専門医の柳原先生。
心当たりがある場合には、まずそこに改善のためのヒントがあるかもしれません。カフェインやアルコールなどの嗜好品、ストレスや身体の不調、湿度・温度などの寝室環境の変化も眠気へ関係している場合もあります。
「20~30代の美的世代に多い眠気の原因は“睡眠不足”と“睡眠覚醒リズム(体内時計)”の問題。毎日の目の前のことに追われて、実は自分で思っているよりも実際の睡眠時間が短い場合もありますし、夜勤や残業で毎日の睡眠時間が不規則になっていることもあります。
眠くなる心あたりがない場合には、形のない睡眠や眠気について記録をとって視覚化すると、なにか新しく気づくことがあるかもしれません。インターネットで“睡眠表”と検索をすると記憶をとるための用紙がみつかります」(柳原先生)
形のない眠気を視覚化するのもひとつの手!
美的世代の方にまず着目してもらいたいのは、“夜にまとめてとっている睡眠時間”そして“毎日規則正しく同じ時刻に睡眠をとっているかどうか”。 睡眠表を活用するとわかりやすく、その際には睡眠時間のほかに眠気のあった時間帯も記入するのがポイントとのこと。
「睡眠時間が7時間未満の日が散見される場合には、まずは2週間、7時間以上を目標に睡眠時間を延長して日中の眠気が変化するか確認をしましょう。
慢性の睡眠不足の場合、数日長く眠ったくらいでは眠気はとれません。2週間経った頃に眠気が減っていれば、減った分は睡眠不足による眠気です。残った眠気については睡眠不足以外の原因を考える必要があります。もし眠気が残った場合には、睡眠医療機関を受診しましょう」(柳原先生)
また、入眠や起床の時刻が日によってバラバラになってしまっている場合には、睡眠時間が十分に足りていても眠気を生じやすくなるそう。
「例えばシフトでときどき夜勤がある方の場合、夜勤明けの日中は数時間の仮眠をとるのにとどめ、できるだけ夜にまとめて長く眠るスタイルを保ったほうが睡眠覚醒リズムのバラつき(体内時計の時差ぼけ)にともなう眠気を軽減できます。
シフトワークのない方でも休日に遅寝遅起きの習慣があると平日の午前中に眠気や起床困難を生じやすくなります。休日でも起床時刻は普段よりも1時間半以上は遅くならないように心がけ、あまり夜更かしをせずにしっかり睡眠時間をとるようにしましょう」(柳原先生)
眠っているあいだのことは自分ではわからない! 困ったら受診を
眠気の原因としてもうひとつ、毎日の眠っている時間の“睡眠の質”の心配があります。睡眠の質とは、眠りの深さのこと。眠りが浅いと、十分な時間眠っているつもりでも、実質的な睡眠は不足してしまいます。
「眠っているあいだのことは自分ではわかりません。上手に眠っているつもりでも、歯ぎしりや足のぴくつき、いびきや無呼吸など、眠りを浅くさせるような睡眠中の身体の問題が隠れているかもしれません。
また、ぐっすりと深い睡眠をとれていて睡眠不足もないにもかかわらず自制のきかないレベルの強い眠気に襲われてしまう “中枢性過眠症”といった別の睡眠障害もあります。いずれの原因の場合にも、もし睡眠表を記録している場合には受診時に持参していただけると大変役立ちます」(柳原先生)
できる工夫を試みても眠気で困ってしまう場合には、睡眠外来を受診しましょう。眠気について診断と治療が受けられます。睡眠専門医のいる病院や睡眠医療機関認定施設は、日本睡眠学会のホームページで確認できます。

- コメント(comments)
-
- 最新コメント コメント詳細画面へ>>