
痛~い口内炎、やっかいですよね。とくによく動く舌にできると、どこかに当たる度に「痛ッ! 」と、気になって何も手につかないなんてこともあるのでは?
口内炎の中でも舌にできるタイプに注目し、なぜできてしまうのか、できてしまったらどうすればよいのか、特に注意すべき点は何かなどをじっくり探っていきましょう。
□ 口内炎にはいろいろなタイプ。症状と原因、対処法もそれぞれ
□ 口内炎は体の内からの原因と外からの原因が重なって起きる
□ 2週間以上長引いたら要診察、舌癌の恐れも
口内炎には原因と症状でいろいろなタイプがある
ひとくちに口内炎といっても、じつはいろいろなタイプがあります。原因も違えば症状も違います。当然治療法もひと通りではありません。
舌の口内炎に悩んでいる人は、自分の口内炎がどのタイプなのかを見極めて適切な対策を講じてください。
2mmから10mmほどの白っぽい丸い炎症ができていれば、アフタ性口内炎(潰瘍性口内炎)でしょう。もっとも起きやすい口内炎です。ひとつだけとは限らず、2~3個が近くにできることもあります。
体調を崩すとなりやすく、ストレスや疲れ、睡眠不足などによって免疫力が低下したり、ビタミンB2などが不足することが原因といわれています。
ウイルス性口内炎:小さな水ぶくれがたくさん
小さな水ぶくれのような炎症がたくさんできていたり、それがつぶれて「びらん」(ただれ)となっている場合はウイルスによる口内炎です。
ウイルスの感染によるものですが、ウイルスにも何種類もあり、たとえばヘルペスウイルス、カビ(真菌)の一種であるカンジダ菌、かぜの原因となるウイルスなどが知られています。
そのほか、クラミジア、梅毒、淋病といった性病に感染している場合も口内炎が起きる場合があります。発熱や強い痛みを伴う場合があります。
アレルギー性口内炎:広い範囲がただれる
果物などのアレルギーをもつ人、金属や化学物質のアレルギーをもつ人などに起きる口内炎です。アレルギーの原因となる食物としては果物が一般的ですが、ある種の野菜やチョコレート、そば、牛乳などで起きる人もいます。
口の中の広い範囲がただれたような炎症になるものが多いですが、アフタ性口内炎のように白い潰瘍ができたり水ぶくれになる場合もあります。口だけに限らず手足など体の他の部分にも炎症が起きる場合があります。
アレルギーが原因ですから、治療にはアレルギー症と同じ療法を用います。抗ヒスタミン剤の服用が一般的です。原因に心当たりがある場合でも、薬の服用に際しては医師に相談するのが安心です。
カタル性口内炎:外からの刺激や傷による炎症
入れ歯や矯正器具が当たったり下を歯で噛んでしまったりというような外的刺激や傷から口内炎になるものです。赤く腫れあがり、白くただれる場合やひび割れする場合もあります。
炎症が広範囲に起きることが多く、炎症部分の境界線がはっきりしません。痛みは強くありませんが、口臭が強くなる場合があります。
ニコチン性口内炎…タバコの有害物質が長期間粘膜を刺激して起きる
白く丸い潰瘍のタイプ、白い粘膜に赤い斑点が多数できるタイプがあります。長期間の喫煙により、タバコの有害物質が口の粘膜に刺激を与え続けることによって炎症になるものと考えられています。
ニコチン性口内炎が原因で癌になることがある一方、適切な治療と生活習慣の改善を行えば数週間から数カ月で完治することがほとんどです。
口内炎の外的要因

口内炎の原因は単純ではありません。ひとつだけの原因で起きるというよりも、体の調子が崩れているところに外的な要因が重なることで起きるケースが多いといえます。
体の外からの要因とは、以下のようなものです。
口のに入れている矯正器具や入れ歯が合わず、舌に当たっていると、傷となりそこから細菌が入って炎症となります。歯で舌を噛んでしまった場合や怪我の傷も同様です。
口内での雑菌の繁殖
口内に雑菌が多く繁殖していると、上のような傷ができたり粘膜が乾燥したりした場合に炎症が起きやすくなります。
ウイルス感染
ヘルペスウイルス、カビ(真菌)の一種であるカンジダ菌、かぜの原因となるウイルスへの感染が原因で口内炎が起きる場合があります。
その他
タバコの有害物質のような化学的刺激も要因のひとつです。
口内炎の内的要因

体の内からの要因とは、栄養の偏りや免疫力の低下などで、以下のような場合に起きます。
ストレスがたまるとアドレナリンの分泌が盛んになって、血圧が上昇します。また、ステロイドホルモンの分泌が増え、免疫力が低下する場合があります。
ストレスをためない生活スタイルを維持すること、自分なりのリラックス方法を見つけ実践することを心がけましょう。
疲れ、睡眠不足
肉体的な疲労は体力を奪い、体の免疫力を低下させます。
十分な休養をとり、体の活力を維持することが大切です。不規則な生活は避け、生活のリズムを守るようにしましょう。
栄養バランスの乱れ
ビタミンB2は皮膚や粘膜の成長・維持に欠かせない栄養素です。またビタミンB6は体をつくるアミノ酸代謝に深くかかわる栄養素です。
このふたつの栄養素が不足すると口内炎になりやすくなります。
日ごろから、ビタミンB2、B6 が多く含まれる以下のような食材を心がけて摂るようにしましょう。(数字は100g中に含まれる量、mg)
ビタミンB2
豚レバー(3.60)、牛レバー(3.00)、海苔(2.33)、鶏レバー(1.80)、うなぎ(0.74)、うずら卵(0.72)、すじこ(0.61)、さば開き(0.59)、納豆(0.56)、鶏卵卵黄(0.52)、まいたけ(0.49)
ビタミンB6
にんにく(1.50)、牛レバー(0.89)、マグロ赤身(0.85)、かつお(0.76)、鶏ひき肉(0.68)、いわし丸干(0.68)、鮭(0.64)、豚レバー(0.57)、さんま開き(0.54)、生ハム(0.52)、焼きあじ(0.52)
また、体の抵抗力を維持するのに必要なビタミンCも不足しないよう心がけてください。
口内炎の治療法
口内炎は、体の内からの原因と体の外からの原因が重なって引き起こされます。これらの原因を取り去ってしまえば、口内炎は治ります。
・口内の雑菌を除くため、こまめにうがいをする、のどを湿らせて雑菌の繁殖を防ぐ
・栄養バランスに注意し、ビタミンB2、B6、Cを含む食品を取る
・睡眠、休養をしっかりとり、ストレスや疲労を取り除き体力や免疫力を維持する
こうしたことをしっかりしていれば、口内炎は2週間程度で治癒します。それでも、痛みがひどい場合、早く治したい場合は、以下のような治療法を試してください。
塗り薬、貼り薬、スプレー薬
ステロイド剤入りの軟膏やシール状の貼り薬、スプレータイプなどがあり、治癒が早まります。
レーザー治療
CO2レーザーを患部に照射して炎症を除きます。短時間で完全に炎症をなくすことができます。
こんなときは要注意! 恐ろしい舌癌は早期発見が絶対
舌にできた口内炎が2週間以上たっても治らない場合は、耳鼻咽喉科などで診察してもらうことを強くお勧めします。命にかかわる舌癌の恐れがあるためです。
舌癌は、癌全体の中での発生率は低いのですが、初期には口内炎と似ていて軽く見過ごしてしまいがちです。
また進行が速い一方、早期に治療すれば治癒できる可能性が極めて高いので、早期発見が何より大切です。
リズムのある暮らしで口内炎をはねつけよう!
痛くてつらい舌の口内炎。ストレスや疲れのないライフスタイル、栄養バランスのとれた食生活が何よりの予防策です。
でも、万一できてしまったときは適切な対処が必要です。とくに、2週間以上長引くような時には要注意。
病院に行って診察を受けてください。何事もなければ一安心、万一舌癌と診断されても、早期発見できるので治癒できます。
(監修:Doctors Me 医師)