
果物はヘルシー?
秋は、果物の季節です。豊富な果物が出回り、秋の食卓を彩ります。
果物には、健康や美容に役立つ栄養素のビタミンC、カリウム、食物繊維などがたっぷり含まれています。これらは、普段の食生活で不足しやすい栄養素のため、補うには果物を用いるのも選択肢の一つです。
果物の1日の目安量は、200gといわれています。バナナ2本、もしくはリンゴ中1個、もしくはキウイ2個程度が目安ですが、ヘルシー志向が強い方は、目安量を優に越えて召し上がっていることも多いようです。
甘くて食べやすく、すぐに消化できる果物は、つい食べ過ぎてしまいがち。しかし、果物の摂り過ぎが生活習慣病を招く原因の一つであることも、無視できません。
メリットだけでなく、デメリットもきちんと知って、果物を賢く楽しみましょう。
果物の甘み「果糖」
果物を食べ過ぎてしまう理由、これは果物に含まれている果糖に原因があります。
果糖は、脳に満腹感を伝えるインスリン・レプチンの分泌促進や、空腹を教えるグレリンの抑制作用を持っていません。そのため、果物を食べたり、フルーツジュースを飲んだりしても満腹感が伝わらず、たくさん食べてしまう傾向に……。
果糖は肝臓に吸収され、すみやかに代謝されて中性脂肪になります。果物の食べ過ぎは、血液中の中性脂肪の増加を招くのです。
また、ブドウ糖と比べて、インスリン抵抗性や血中コレステロールを上げるともいわれています。果物の摂りすぎは、生活習慣病の原因にもなりうるため、注意が必要です。
果物がシミ、シワの原因に?
果糖は、ブドウ糖よりも7倍ものAGEs(糖化最終産物)を生産する、ともいわれています。AGEsは、体内のタンパク質に糖が結びついて、タンパク質が変性し、劣化してできた老化物質のこと。これを糖化現象とも呼びます。
糖化が、血管で起これば硬くなることにつながり、心筋梗塞や脳梗塞に。骨に蓄積すると骨粗しょう症、目に蓄積すると白内障、肌で起こればクスミやシミなどにつながるといわれています。
美容のみならず、全身の健康に影響を及ぼしてしまうのです。
果物の賢い食べ方
まず、糖分の高いフルーツジュースやドライフルーツは控えましょう。
果物も、果糖の少ないものを選び、食後ではなく空腹時に摂取するのがおすすめです。参考に、果物ごとの果糖含有量を少ない順にあげてみます。
美容のためにと食べ過ぎて、かえって「果物ブス」にならないように。賢く食べてすっぴん美人をめざしましょう。
<果物と果糖の含有量>
(果物100gあたりの果糖含有量g)
あんず 0.9g
もも 1.5g
パイナップル 1.8g
グレープフルーツ 1.8g
オレンジ 1.9g
いちご 2.1g
メロン 2.2g
マンゴー 2.7g
キウイ 3.9g
さくらんぼ 4.7g
ブルーベリー 5.5g
梨 6g
バナナ 6.2g
りんご 7.7g
洋ナシ 6.2g
ぶどう 7.3g
参考:NUTTAB 2010. Australia ほか
(オーソモレキュラー管理栄養士 / 穴山幸)