
乾燥肌だと、「保湿クリームやオイルが手放せない」という人も多いはず。
スキンケアした直後は良いけれど、すぐに乾いてしまう人は、乾燥肌が一時的なものではなく慢性的な状態になっている可能性があります。
「自分は脂性肌だから大丈夫!」という人も要注意。肌は水分や油分が損なわれると、乾燥をカバーするために皮脂を多く分泌してそれを補おうとする性質があるからです。
テカりや化粧崩れを気にしすぎて、過剰なクレンジングや洗顔を繰り返してしまう「隠れ乾燥肌」になっていないか確認してみてくださいね。
肌の仕組みを理解しよう

正しい乾燥肌対策を知らないまま自己流のスキンケアを続けていると、乾燥肌が悪化してしまうことにもなりかねません。
まずは、わたしたちの肌がどのような仕組みになっているのかを見ていきましょう。
■ 正常な肌の状態:水分や天然の保湿因子が詰まっている
肌は、上から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層に分かれています。
そのなかでもっとも外側にあり、内部の組織を守る役割を担っているのが「表皮」。この表皮の外側を、「角質層」というたった0.02mmの膜が覆っています。
肌が正常な状態であれば、この角質層には水分や天然の保湿因子が詰まっています。皮膚から分泌された皮脂も膜となって、アレルギー物質や紫外線などといった刺激から内側の細胞を守る役割に。
また、角質層は内側の水分が蒸発してしまうのを防ぎ、肌にうるおいを閉じこめます。まさに、肌を守るバリアといえるでしょう。
角質層は約28日周期で生まれかわり、古くなった角質は垢となって自然にはがれ落ちていきます。これが、「ターンオーバー」と呼ばれる現象。
このターンオーバーが正常な周期で行われることで、肌は安定した状態を保つことができます。
■ 乾燥肌はバリア機能が低下している状態

正常な肌に対し、乾燥した肌とは角質層のバリア機能が衰えた状態のこと。
外部の刺激から内側を守っていた角質層が傷つくと、刺激が肌の内部まで届いてしまうことに……。
その結果、炎症やかゆみが引き起こされ、同時に肌内側の水分が蒸発するのを防ぐ機能も衰え、乾燥が進んでしまうのです。
乾燥が進むと、角質層そのものが正常に作られなくなってしまう角化異常に。症状はより慢性的になっていきます。
□ 乾燥肌が引き起こすさまざまなトラブルとは?
乾燥肌の初期段階では、以下のような症状を感じます。
「なんとなく肌がカサカサするかな?」「化粧ノリが悪いかな?」
そのまま放置したり間違ったケアを続けていると、乾燥がさらに進行してしまう可能性が。以下のような症状が出てきてしまいます。
・粉がふいたようになる。
・赤みやかゆみが出る。
・湿疹ができる。
こうなってしまうと、ふだのメイクや髪形も楽しめないと悩んでしまうことに……。
季節の変わり目や寒い時期に、一時的な乾燥を覚えるのは誰しもあること。
ただ、空気の乾燥などの外的要因以外の「自分のライフスタイルが乾燥肌の原因」となっている場合、慢性的な乾燥肌になり治りにくくなる傾向があるのです。
それではさっそく、乾燥肌の原因をチェックしてみましょう。
乾燥肌の原因1:間違ったスキンケア

良かれと思ってやっていた毎日のスキンケアが、乾燥肌を引き起こしたり加速させたりする原因のひとつとなってしまうことも。
これは、美意識の高い女性ほど陥りやすいといえます。間違ったスキンケアを細かく見ていきましょう。
■ 洗浄力の強い洗顔料は肌の水分を奪う
メイク落ちの良い洗浄力の強すぎるクレンジング剤や洗顔料を日常的に使っていると、肌からどんどん水分が奪われていくことに。
乾燥肌になってくると、手触りも悪くなっていきます。ピーリングなどをしたくなりますが、乾燥肌にとってこれらは刺激が強すぎるためあまりおすすめできません。また、本来であれば約28日の周期で行われる肌のターンオーバーが早まり、未熟な細胞が露出することも……。
肌の表面のバリアがどんどん薄くなっていくのです。
■ 乾燥肌に適したアイテムとは?
乾燥肌の人は、クレンジングや洗顔料といった「落とす」アイテムは必ず洗浄力のマイルドなものを選ぶようにしましょう。
【クレンジング】
オイルや油性のジェルではなく、クリームやミルクを。これらは洗浄力がやさしいため、アイメイクやリップメイクが落ちにくいときには専用リムーバーなどを使いましょう。擦らずにあらかじめ落としておくと、メイクが残ることがありません。
ダブル洗顔が不要なものを選べば、洗顔しない分だけ肌の負担を減らすことができます。
【洗顔料】
脱脂力の低いものがおすすめ。「ニキビケアやテカり予防」*などを謳っているものは、おおむね脱脂力が強く乾燥肌には強すぎます。
もしニキビが気になっていても、乾燥による皮脂の過剰分泌などによるニキビであれば、洗浄力が高い製品を使うのは避けるべき。「乾燥肌向け、敏感肌向け」といったものをチョイスしましょう。
■ 「メイクをしない日」をつくろう
そもそも肌がかなり乾燥に傾いている場合、本来であればクレンジングや洗顔自体を避けた方が良い場合もあります。
現代女性にとって、日常的にメイクをしないのは難しいかもしれませんが、以下のことも試してみましょう。
・休日はメイクをしない。
・ポイントメイクのみで肌全体に負担がかからないようにする。
■ スキンケアの方法を改めよう

汗や肌表面のほこりなどは、水だけでも落とすことができます。そのため、特にメイクをしていないときや朝の洗顔などは、洗顔料などを使わなくても十分かもしれません。
洗顔にはいくつかの注意点があるので、ポイントを押さえましょう。
□ ポイント:お湯の温度はぬるめに
洗顔する際、お湯の温度には要注意。手で触って「ぬるい」と感じる程度の温度がベストです。お湯の温度が高いと、それだけで肌の表面にある皮脂膜が流れてしまい、水分が蒸発する原因に。
また、冷たい水も肌にとって刺激が強く、敏感になっている肌には向きません。必ずぬるま湯で洗いましょう。
□ ポイント:顔を拭くときはやさしく
タオルで顔を拭く際は押さえるように拭き、ごしごしと擦らないように。角質層はわずか0.02mmしかありません。些細なことでも傷ついてしまうということを意識しましょう。
□ ポイント:洗顔後はすぐに保湿を
洗った直後、肌は残った水分でうるおっていますが、それはほんの一時のこと。あっと言う間に元の状態よりも乾燥してしまいます。
お風呂から上がったあとや洗顔後は、すぐに刺激の少ない化粧水で水分を補給し、その上から油分のあるクリームなどで薄く蓋をして水分の蒸発を防ぐことが重要。
その際も、パッティングしたり、ぬりこんだりせず、手に薄く延ばした油分を肌にそっとのせるような感覚で行いましょう。
バリア機能の衰えている肌には、美容成分なども刺激になってしまうことがあるのです。
乾燥肌の原因2:食生活の乱れ

わたしたちの肌は、日々食べたものからできているといっても過言ではありません。
食べ物は、乾燥肌にも大きな影響を及ぼします。特に女性は、ダイエットや生理の影響で食生活の変化が大きく、栄養が偏りがちに。
意識して肌に良い食べ物を摂取するよう心掛けてみましょう。
■ ダイエットが原因で乾燥肌に
ダイエット中に肌の調子が悪くなるということは、多くの人が経験しているかもしれませんね。
ダイエット中は、食べる食事の量そのものが減ることはもちろん、食べる内容も偏りがち。
カロリーを抑えようとして油を極端に控えたり、ひとつの食品を食べ続けたり……。これでは体が栄養不足になり、肌を守る機能も衰えてしまいます。
■ ジャンクフードは肌代謝が低下
また、ジャンクフードの食べ過ぎにも気をつけましょう。ジャンクフードはカロリーや脂質、塩分は多いものの、含まれている栄養素は少ないのです。
多く食べても実際に摂取できている栄養はわずかなばかりか、脂っこい食事は消化にエネルギーや酵素が多く使われ、肌の代謝が低下することにも。
これでは、いくら乾燥肌を治そうと努力しても効果が出ない可能性もあります。
それでは、具体的に肌のためには控えた方が良い食品を見ていきましょう。
□ 乾燥肌を招く避けるべき食べ物:お菓子や清涼飲料水
まず、甘いお菓子や清涼飲料水を常食するのは肌にとってNG!これらに多く含まれる糖分を代謝するとき、体内のビタミンが使われてしまい、皮膚を作り出したり保護するための栄養分が失われてしまうこと……。
特に避けたいのは、甘くて冷たいアイスクリーム。冷たいものは体を冷やし、血行が悪くなります。その結果、代謝が下がり肌の再生に影響してしまうのです。
□ 乾燥肌を招く避けるべき食べ物:インスタント食品
また、忙しいときに頼りがちなインスタント食品も要注意!過剰な油脂や添加物の摂取が良くないのはもちろん、必要な栄養素が足りずに肌はどんどん乾いてしまいます。
バランスの良い食事を毎日続けることが何よりも重要ですが、やはりどうしても頑張れない日も出てきますよね。
そのようなときは、乾燥肌をうるおす栄養分を多く含んだ食材を1品取り入れるようにしてみましょう!
■ うるおい肌をつくる食材はコレ!

肌の再生を助け、守ってくれる以下の栄養素を確認しましょう。
・ビタミンA・ビタミンB・ビタミンC・ビタミンEなどのビタミン類。
・セラミドの原料となるリノレン酸。
これらを効率良く摂取でき、かつ手に入りやすい食材を紹介します。
□ 卵
手に入りやすく、さまざまな料理に大活躍してくれる卵。実は、乾燥肌に効果的な優秀食材なのです。
卵には上述の栄養素のうち、特にビタミンAとビタミンBが豊富。卵黄にはリノレン酸まで含まれています。
コラーゲンの原料となるタンパク質も一緒に摂れるので、「1日1個の卵」を意識してみましょう。
□ アボカド
アボカドは、世界一栄養価の高い果物として知られているほど、栄養が豊富な食べ物。
ビタミンA、ビタミンE、ビタミンCをはじめ10種類以上のビタミンやミネラルを含み、リノレン酸も充実しています。
また、食物繊維も豊富で腸をきれいにしてくれる作用もあり、肌に良い効果が。摂取の目安は、1日にアボカド半分。カロリーが高い果物なので、摂り過ぎにも注意しましょう。
□ 納豆
納豆には、肉に負けないほどの良質なタンパク質が含まれています。
さらに、肌の内部でうるおいを保持するセラミド、納豆のねばねば成分で高い保湿効果のあるポリグルタミン酸、ビタミンB群をはじめとした栄養がぎゅっと詰まっている、日本の代表的な美容食材。
いつもの食事に1パックとプラスしやすいのも魅力ですね。
■ サプリを賢く活用しよう
「もっと手軽に毎日栄養素を摂りたい!」という人は、サプリや補助食品を活用するのもひとつの手といえます。
現在は単体の栄養素だけでなく、肌にとって良いとされる栄養素が詰まった美容系サプリメントが数多く発売されているほか、タンパク質を補給するプロテインなども手軽に生活に取り入れやすいです。
大切なのは、トータルバランス。できる限り自然の食品から栄養を摂りながら、補助的なものとして上手に取り入れるようにしましょう。
乾燥肌の原因3:生活習慣の乱れ

スキンケアや食生活だけでなく、忙しい毎日の生活習慣も肌に大きな影響を与えます。「疲れがとれにくい」「毎日忙しい」という人は気をつけたほうがいいかもしれません。
■ ストレスによりホルモンバランスが崩れる
「ストレスが肌や健康に良くない」と漠然と思っている人は多いかもしれませんが、これには確かな理由があります。
わたしたちの体は、ストレスを感じると「ストレスホルモン」や「男性ホルモン」を分泌します。
これにより、本来のホルモンバランスを崩してしまい肌のターンオーバーが狂い、乾燥肌を引き起こす原因に。
ストレスをゼロにするというのは、現代社会では非常に難しいこと。重要なのは、溜まったストレスやイライラをそのままにしておかないこと。
好きなことに打ち込める時間や、何も気にせずゆったりとできるひとりの時間を確保するなど、忙しい毎日のなかでも自分を労ることを忘れないようにしましょう。
■ 睡眠を充分にとってターンオーバーを活性化
「寝る子は育つ」と昔からいわれています。これは、寝ている間に「成長ホルモン」が分泌されるため。
成長ホルモンには、傷ついた細胞を修復する作用があります。つまり、しっかりと睡眠をとればお肌の細胞もどんどん修復されていくことに。
乾燥肌が気になるときは、いつもより早めにベッドに入ることを心掛けましょう。
■ 過剰なエアコンには保湿対策を
乾燥肌の人は、エアコンの強い風にも気をつけたいところですが、職場などにいるとなかなか回避できないものですよね。
そうしたときに、職場ではデスクに置ける「小型のパーソナル加湿器」を使ってみてはどうでしょう。また、お湯の入ったカップなどをそばに置いておくだけでも、周囲の空気をうるおしてくれます。
また、マスクをつけるのも良い対策。マスク内に呼気が溜まることで、自然と顔まわりを加湿してくれる効果があります。
バッグやデスクなどに常備しておくと、乾燥を感じたときにさっと使うことができるのでおすすめですよ。
■ 長時間の入浴にも注意が必要
美容のために良いからと、熱めのお湯で長湯している人もいるかもしれませんが、実はこれが乾燥の元!
38℃~40℃の少しぬるめの温度で、さっと浸かるようにしましょう。長湯は角質層の保湿成分が流れ出てしまったり、かゆみを誘発してしまうこともあるのです。
ぬるめの温度でも、15分ほども浸かれば体は芯から温めることができますから、安心してくださいね。
乾燥肌がなかなか改善しないなら迷わずクリニックへ!

乾燥肌がある程度まで悪化してしまうと、自分でケアしてもなかなか治らない場合があります。そのようなときは、クリニックを受診しましょう。
「乾燥肌ごときで受診しても良いの?」と迷ってしまう人も多いようですが、乾燥肌は進行してしまうと「皮脂欠乏性湿疹」や「アトピー性皮膚炎」などの診断が下されることもあり、油断は大敵!
多くの人が乾燥肌に悩みクリニック受診していますから、気になる場合は検討してみると良いでしょう。
クリニックでは問診の上、個人にあった塗り薬などの処方を受けることができます。
自己判断により、さまざまなスキンケア用品や化粧品を試すことが肌の負担になっていることもありますが、ドクターが診断のうえ処方した保湿剤なら安心して使うことができるでしょう。
乾燥肌の原因を知ってうるおい美肌になろう!

乾燥肌が気になったら、まずは生活のなかで乾燥肌の原因を探してみましょう。
肌は非常に敏感で傷つきやすいところ。優しく接していけば、きっと少しずつ効果が現われてくるはずです。
その際は、ターンオーバーに合わせ約1か月はこつこつと続けてみましょう!