
「冬の瓜(うり)」という名前から、冬の野菜と勘違いされがちな「冬瓜(とうがん)」。収穫時期は7月~8月なので、実は立派な夏野菜です。保存性が高く、夏のはじめに収穫して冬まで貯蔵できるため「冬瓜」と名付けられました。
冬瓜には体の熱を逃がす作用があるため、熱中症対策に効果的。また、さまざま栄養素が豊富に含まれているので、美肌づくりにも役立ちます。
それでは、冬瓜がどのように体や肌に良い影響をもたらすのか、くわしく紹介していきましょう。
水の代謝を整える

冬瓜には、体のほてりを抑えるふたつの理由があります。
まずひとつめは、豊富に含まれている水分。冬瓜は、約90%が水分でできているため、夏場に不足しがちな水分を吸収して、体温を低下させることができます。
ふたつめは、利尿作用のあるカリウム。尿には余分な水分を排出して、熱を下げる効果があります。
しかし、くれぐれも食べ過ぎには注意が必要です。特に、冷え性の女性は症状を悪化させてしまう可能性も。1度に摂りいれるのは約200gにとどめておくのが望ましいでしょう。
美肌に欠かせない「ビタミンC」も豊富

冬瓜に含まれる肌に良いとさせる成分のなかでも、代表的なのが「ビタミンC」。実は、冬瓜をひとつ食べるだけで、1日に必要なビタミンCの約1/2を摂取できると言われています。
ビタミンCは水溶性の「抗酸化ビタミン」。体内のあらゆる組織や器官で抗酸化作用を発揮します。そのなかには、美肌の天敵であるメラニンを抑制する作用も。
冬瓜を摂取して、シミの生成を根本から阻止しましょう。
便秘の解消に効果的な「食物繊維」には美肌効果が

冬瓜には、腸内環境を整える「食物繊維」も豊富に含まれています。大半の野菜は、便が硬くなりやすい不溶性食物繊維の方が多め。しかし、冬瓜は、水溶性食物繊維と不溶性の割合食物繊維が1:2の割合となっています。そして、この割合は便秘の解消に理想的と言われています。
便秘は、ニキビや肌荒れになる原因のひとつ。つまり、冬瓜に含まれる水溶性食物繊維を摂取すれば、便秘の解消だけでなく、美肌効果にもつながるのです。
また、水溶性食物繊維は、糖質の消化・吸収を緩やかにする「インスリン」の分泌を抑制する効果があります。インスリンは、太りやすい体になるだけでなく、ボコボコとしたセルライトも生成させるため、見た目もあまりよくありません。美しい肌づくりにはセルライト予防も必須だといえるでしょう。
DNA合成をサポートする「葉酸」

冬瓜に含まれている「葉酸」も美肌づくりに欠かせない成分。なぜなら古い細胞と新しい細胞を入れ代えるために必要な「DNA」の生成に作用するからです。人の体は、毛細血管が集中している部分や細胞の生まれ変わりの早い粘膜組織では少しの不足で炎症が起きやすくできています。葉酸を摂取して、肌トラブルを抑えていきたいですね。
また、冬瓜は赤血球のもとである赤芽球細胞の合成にも作用。貧血予防の効果も期待できます。
貧血予防と解毒のサポート

最後に紹介するのは、冬瓜にもっとも多く含まれているミネラルの「モリブデン」。血中の鉄が不足してきたときに、肝臓に蓄えられてる鉄の利用を促すので、貧血の中でも鉄欠乏性貧血を予防してくれます。
ただし、ごくまれに肝硬変や黄疸などの中毒症が起きる可能性も。モリブデンの摂りすぎには注意が必要です。
皮や種の部分にも栄養素が豊富

漢方や薬膳では、実の部分だけでなく、種や種も使われてきました。たとえば、種は「冬瓜子(とうがんし)」として、淡や膿出しの漢方薬に取り入れられています。
また、皮には実の部分以上に高い利尿効果が期待でき、むくみ解消の助けになります。家庭料理にはあまり馴染みはありませんが、レシピはそれほど難しくありません。細切りにしてきんぴらや酢の物にするとおいしく食べることができます。普段の冬瓜とは違った調理法が楽しめるだけでなく、美肌づくりにも役立つので、まさに一石二鳥といえます。
冬瓜でおいしく健康&美肌に

真夏の熱中症予防に大活躍の冬瓜。
暑さ対策だけでなく、美肌づくりのためにも、積極的に摂りいれてみてはいかがでしょうか。
(監修:管理栄養士 岩月啓四郎)