
電車のつり革をつかもうと腕を上げたら、脇の下にびっしょりと汗じみが……。
多くの人が一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
服に明らかに脇汗がついていたら、恥ずかしいですし、他人の目が気になりますよね。
そんな脇汗を抑えるためには、どのような対策法があるのかチェックしてみましょう。
脇汗が目立つ理由

人間の体でもっとも汗をかきやすい部分は、脇の下ではなく「額」です。
その次に、手足の甲が汗の量が多い場所といわれています。
意外なことに、脇の下は手の平よりも汗をかきにくい場所なのです。
脇汗が目立つ原因は、脇の下の通気性の悪さでしょう。
汗が蒸発しにくいため、一度汗をかくと洋服に染みて目立ってしまうのです。
■ 汗腺の種類

汗を分泌する「汗腺(かんせん)」には、「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があります。
エクリン腺は全身に分布しており、サラサラとしてほとんど臭わない汗を分泌。
一方、アポクリン腺は、脇の下や陰部など限られた部分にあり、体質や体調によっては臭いの強い脇汗を分泌することがあります。
脇汗の原因を知って対策をとろう
汗をかく原因を知れば、対策が取りやすくなるかもしれません。
では、どのような理由で、脇汗は出るのでしょうか?
■ 原因1:体温調節のため

気温が高いときや運動で体温が上昇すると汗をかきます。
水分が蒸発する際に周囲の熱を奪う「気化熱」という現象によって、体温を下げようとしているのです。
■ 原因2:精神的ストレス

「手に汗握る」という慣用句があるように、強い緊張を感じると気温が高くなくても汗をかきます。
特に、脇の下や手の平は、緊張による汗をかきやすい場所。
脇汗を気にするストレスでさらに汗をかくという、悪循環に陥ることもあるかもしれません。
■ 原因3:ホルモンバランスの乱れ

50歳前後の女性のホルモンバランスが乱れる現象を更年期障害と呼びます。
更年期障害にはさまざまな症状がありますが、多くの女性が感じるのが「ホットフラッシュ」と呼ばれる「のぼせ」や「ほてり」の症状です。
気温も高くなく、激しく動いてもいないのに脇汗をはじめ、全身に汗が吹き出すもの。
しかし、更年期障害の始まる前の世代である女性の場合にも、ホルモン分泌のバランスが乱れると同様の症状が起きることがあり、無理なダイエットや睡眠不足、不規則な生活などが原因とされています。
■ 原因4:遺伝・体質による多汗症

人よりも汗が多い体質の人のことを一般的に「汗っかき」といいますが、医学的には「多汗症(たかんしょう)」と呼びます。
多汗症の原因は遺伝的なものが多いそう。
日常生活に支障をきたすほどの多汗症の場合には、健康保険を適用した治療を受けられることもあるので、皮膚科医院に相談してみてくださいね。
■ 原因5:ワキガ体質

アポクリン腺から分泌される脇汗のニオイが強いことを、「ワキガ(腋臭)」といいます。
欧米の人は、7割以上がワキガ体質といわれており、ワキガは多数派です。
しかし、日本人の場合、ワキガ体質の人の割合は1割ほどなのだとか。
そのため、脇汗の臭いケアに敏感な人が多いのです。
お金をかけない脇汗対策1:ツボの刺激
脇汗対策として、お金をまったくかけずにすぐ実行できる方法がツボ押しです。
■ 屋翳(おくえい)

屋翳(おくえい)は、左右の乳首から3〜5センチほど上にあるツボ。
このツボを、2〜3分ほどギュッと指先やこぶしで押さえると、上半身の汗を抑える効果があります。
即効性のあるツボなので、脇汗が気になるときに試してみてください。
■ 合谷(ごうこく)

合谷は、親指と人差指の間のくぼみにあるツボで、押すとジワッと痛みを感じるはずです。
緊張やストレスを緩和する効果があり、「脇汗をかきそうだ」と感じたら小さな円を描くように押してみてください。
合谷のマッサージには、脇汗対策だけでなく頭痛や肩こりを緩和する効果もあります。
お金をかけない脇汗対策2:ミョウバン水
ミョウバン(明礬)は、薬局やドラッグストア、スーパーなどで購入できる結晶。
50gほどで100円前後ととってもお手頃な価格のため、お金をかけない脇汗対策におすすめです。
■ ミョウバンとは?

ミョウバン(明礬)とは、硫酸カリウムアルミニウムの結晶で、古代ローマ時代から染色剤や消火剤など、世界中でさまざまな目的に使用されている物質です。
身近な用途としては、漬物の色を良くすることや野菜のあくぬきなどに使用されます。
化学合成で作られるもののほか、天然の結晶として採掘されるものがあり、制汗作用・殺菌作用・収れん作用が高いため、デオドラント剤としても古くから愛されているもの。
ミョウバンは安全性の高い物質ですが、どうして脇汗対策に効果を発揮するのか、くわしいメカニズムはわかっていません。
■ ミョウバン水の作り方
それでは、市販のミョウバンで脇汗対策を行う方法をチェックしていきましょう。
□ ミョウバン水の材料
・ミョウバン 50g
・水道水 1500ml
材料も作り方もとてもシンプルで、ペットボトルの空容器に手で砕いたミョウバンと水道水を入れ、よく振って溶かすだけです。
すぐには完全に溶けきりませんが、そのまま一晩置くと透明な「ミョウバン水の原液」ができあがるでしょう。
■ ミョウバン水の使い方

ミョウバン水の原液を水道水でおよそ6〜10倍に薄め、スプレーボトルに入れて使用します。
好みに応じてアロマオイルをほんの1滴加え、香り付けをしても良いでしょう。
使い方は、お風呂あがりやお出かけ前などに、脇にシュッと吹きかけるのみ。
また、汗をかいたときは、ミョウバン水を吹きかけてタオルで拭き取り、再度スプレーすると効果的です。
ミョウバン水には保存料が入っていないので、原液は1か月、薄めたものは1週間ほどを目安に使いきりましょう。
冷暗所に保存し、特に夏場は冷蔵庫に入れると安心です。
市販の制汗剤のタイプをチェック

ドラッグストアや薬局などで購入できる脇汗対策の商品には、さまざまな種類があります。
それぞれの商品の特徴や使い心地から、自分に合う制汗剤を見つけましょう。
■ ロールオンタイプ
ロールオンタイプは、直接脇に塗りつける制汗剤です。
ボトルの先が大きなボールのようになっている液体タイプや、固形の制汗剤をくり出して使用するタイプなどがあります。
手を汚さないので手軽に使用できることがメリットでしょう。
■ クリームタイプ
チューブやジャーに入った、クリームタイプの制汗剤です。
指先に取り、脇に薄く塗ります。
■ パウダータイプ
パウダータイプは、粉状の制汗剤です。
大きめのパフでポンポンと脇になじませるようにはたき付けて使用します。
■ スプレータイプ
スプレーで吹き付けるタイプの制汗剤です。
無香料のものをはじめ、さまざまな香りのものが市販されており、リフレッシュ効果も期待できるかもしれません。
制汗剤以外の脇汗対策はある?
制汗剤ではあまり脇汗を抑える効果が感じられないという人は、ほかの対策を検討するといいかもしれません。
■ ボトックス注射

脇汗の治療は、医療機関で受けることもできます。
ボトックスとは、筋肉のはたらきを抑制する効果のある薬剤です。
脇の下に注射すると、汗腺の活動を抑制し、脇汗の分泌を抑えることができます。
ボトックス注射による脇汗抑制の効果は、およそ半年〜1年ほど。
気温が上がり始める季節に施術を受ければ、ひと夏の間は毎日制汗剤を塗ったり、パッドを貼ったりする手間から開放されるでしょう。
クリニックによりボトックス注射の施術料金に幅はありますが、両脇への施術で3〜10万円ほどです。
自分にあった脇汗対策を見つけよう

0円でできるツボ押しから、医療機関で受けるボトックス注まで、脇汗対策はさまざまなものがあります。
自分の生活スタイルや体質にあった脇汗対策を見つけて、薄着の季節ものびのびと過ごしたいものです。