
ヒトは、サルなど他の動物と比べ、論理的な考え方や、感情のコントロール、意欲ややる気を引き出す作用のある「前頭連合野」が特異的に発達しています。仕事や試験など、ここぞ!という時に気合いを入れることができるのも、この前頭連合野のお陰です。
しかしながら、睡眠や運動といった生活習慣改善の指導をしている筆者は、最近,前頭連合野がきちんと働いていない生徒さんが多いように感じます。
イライラしやすくなったり、人と衝突しやすくなったり、論理的に考えられなくなっていたり…。もしあなたが最近、このような状況にあるのであれば、何も梅雨が原因ではなく、もしかしたら前頭連合野の働きが鈍くなっているのかもしれません。
しかし、睡眠不足になれば、前頭連合野が十分な休息ができず、その結果、論理的な判断や計画、分析といったことが困難に。また、情緒中枢の大脳辺縁系は前頭連合野と密接な関係を持っているため、前頭連合野の働きが低下すると気分が不安定になり涙もろくなることも。感情をうまくコントロールするためにも、睡眠の質を高くすることが大切ですね。
徐波睡眠を出現させる必要があるノンレム睡眠には、睡眠段階1~睡眠段階4の階層があり、レム睡眠と合わせて約90分~100分周期で4~5回ほど繰り返しながら浅くなっていきます。
その中でも、前頭連合野をしっかり休息させることができるのは、睡眠段階3や4といった徐波睡眠中です。
そのため、ノンレム睡眠の中で最も深い徐波睡眠が出現しないような状況が続くと、前頭連合野を休息させることができずに、日中のパフォーマンスが落ちたり、感情のコントロールができなくなったりする可能性があるのです。
徐波睡眠は全ての方に出現するわけではないどんな方でも夜は眠ります。そして、当たり前のように、レム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されると考えている方は多いのではないでしょうか? しかしながら、全ての方に深い徐波睡眠が出現するわけではないのです。
もしあなたが、日中に強い眠気を感じたり、朝の寝起きや寝入りが困難であったり、中途覚醒や早朝覚醒など途中で目覚めてしまう方は、もしかしたら徐波睡眠が出現していないのかもしれません。
徐波睡眠が出現しにくい生活習慣以下は、徐波睡眠が出現しにくいと考えられる生活習慣です。当てはまるものが2つ以上ある方は注意が必要です。
□ 20分以上の昼寝(夕寝)を15時以降にしている
□ 歩く頻度が少ない
□ 運動の機会がない
□ 思考活動が少ない
□ 午前中に外出していない
□ 日中オフィスに光が入らない
□ 毎日3食同じ時刻に食事を摂取していない
□ 21時以降に夕食を食べている
□ シャワーのみで過ごしている
□ 就寝2時間以上前に入浴をしている
□ 就寝直前に入浴をしている
□ 就寝直前に筋トレをしている
□ 就寝直前までスマホやTVを見てしまう
□ 夜でも明るい照明を灯している
□ 寝る前、リラックスする時間を確保していない
まずは、上記チェック項目に当てはまった生活習慣の改善を今日から始めてみてください。
日中の運動量を増やしたり、勉強などで考える機会を増やしたりと脳と身体をフル稼働させることで、夜間の徐波睡眠の出現は優位に変わります。
そうすることで、重苦しい梅雨の季節でも、朝から爽快に仕事に取り組めるかもしれませんね。
≪プロフィール≫
小林麻利子
ナイトケアアドバイザー、生活習慣改善サロンFlura代表。睡眠・バスタイムから健康・キレイを手に入れる、夜のうっとり美容の第一人者。ボディメイクだけでなく、体と心の不調改善に重きをおき、健やかさを持続させるための習慣定着化の指導を行い、自律神経のバランスを考慮した女性らしい身づくりをサポート。睡眠改善インストラクター、ヨガインストラクター、アロマテラピーインストラクター、食生活管理士、メンタル心理カウンセラーなどの資格も保有する。