
止まらない乳がん患者増加…30年前の5倍にも
「日本乳癌学会」の報告書によると、2011年の乳癌患者数は約48,500例。残念ながら乳がん患者は増加傾向にあり、30年前と比べて約5倍にもなります。日本人女性の18人に1人は一生のうちに乳がんになる、というショッキングな数字ですね。
「乳がんは遺伝だから、身内に患者がいなければ大丈夫だろう」と思う方がいるかもしれませんが、それは間違い。日本乳癌学会の統計では、83%の乳がん患者は家族に乳がんになった人がいない方でした。つまり、遺伝との関係が深いとは言いきれないのです。
乳がん増加の理由のひとつである食生活の欧米化は、高カロリー食による成長の早期化と初潮の低年齢化、肥満を加速させることにつながっています。初潮が早く、閉経が遅いほど乳がんリスクは高まるため、この30年でライフスタイルが大きく変わった日本で、乳がんの大幅な増加は避けがたい状況ともいえます。
半数はセルフチェックで発見!最善の乳がん対策とは
乳がんは早期発見・治療すれば90%以上の治癒が期待できる病気です。日常的なセルフチェックも有効で、乳がんの半数以上はセルフチェックから発見されています。早期乳がんはしこりの大きさが2cm以下ですが、自分の乳房を触診してみて気がつくことも多いのです。
しかも、やり方はとても簡単。月に1回、胸全体とわきの下にしこりができていないか触診でチェックすればOKです。生理前は乳房に痛みや張りがあり、正確な判断がしづらいため生理が終わって1週間前後がよいでしょう。乳房が張る乳腺症や、おはじきのような大きさのしこりがコロコロ動く線維腺腫など、女性なら誰でも経験があるこれらの症状は良性のしこりで、がんと勘違いしやすい代表的なものです。他には乳管内乳頭腫、脂肪腫、副乳などの場合もありますが、いずれも良性です。
しかし、触診では胸のしこりが良性か悪性かを確実に見分けることはできません。だからこそ、マンモグラフィーや超音波健診を定期的に受けることがとても重要です。しこりに加えて乳頭から血が出る、皮膚の引き攣れ、腋の下のリンパ節の腫れなど、少しでも異常があれば悪性の可能性が高いでしょう。一刻も早く乳腺外科を受診してください。
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(THE CLINIC 横浜院 院長 / 千葉明彦)