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老後のお金=カツカツと思ってない?「月12万円」で幸せに暮らす54歳の“リアルな支出”に

時刻(time):2023-12-18 13:45源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
40代、50代と年齢を重ねる中で、老後のお金の心配をしている人も多いのではないでしょうか。「お金のことが心配で仕方なかった」と話すのは、50歳を前に、母の介護がきっかけで都内のマンションから築50年の団地に移り住んだというブロガー・きんのさん。 現在は団地で日々節約や時短、インテリアの工夫を楽しみながらひとり暮らしをするきんのさんですが、どうやっ
40代、50代と年齢を重ねる中で、老後のお金の心配をしている人も多いのではないでしょうか。「お金のことが心配で仕方なかった」と話すのは、50歳を前に、母の介護がきっかけで都内のマンションから築50年の団地に移り住んだというブロガー・きんのさん。

現在は団地で日々節約や時短、インテリアの工夫を楽しみながらひとり暮らしをするきんのさんですが、どうやってお金の不安を乗り越えているのでしょうか?

54歳おひとりさま。古い団地で見つけた私らしい暮らし
54歳おひとりさま。古い団地で見つけた私らしい暮らし』より、老後に備えるための工夫を抜粋・再編集してご紹介します。








お金のことが心配で眠れない夜もありました


お金について不安を強く感じたのは、離婚したときでした。当時、当座の生活費程度の貯蓄はあったものの、派遣社員の月給では食べるのが精一杯。マンションから格安アパートへ引っ越し、学生時代のような6畳一間暮らしをしていました。狭いキッチンと小さなお風呂はあったものの、質素な暮らしに不安は募るばかり。この先のお金のことが心配で眠れない夜が続きました。

54歳おひとりさま。古い団地で見つけた私らしい暮らし
そんなある夜、自分はなにが不安なのか思うままに書き出してみたら、心がスッキリしたんです。不安を「見える化」したことで、「こうすれば案外大丈夫かも」と具体的に対処法を考えることができるように。それを行動に移すことで少しずつ不安が減っていきました。その後、友人からの励ましのおかげもあって希望する会社の正社員となり、収入も大幅アップ。1年経たずに駅近のUR賃貸に引っ越して、さらに数年後、貯めたお金で新築マンションを購入しました。





月12万円の「プレ年金生活」で不安を安心に


ところが、マンション購入とその後の団地引っ越し&フルリノベーションで貯蓄の大部分を使い果たし、老後の資金が足りないことに50代で気がつく愚かな私……。でも今度は立ち直りが早かった! あの6畳一間の夜に、不安から逃げるのではなく、向き合うことが不安解消につながるとわかったから。

老後の資金問題の解決策のひとつが、「月12万円のプレ年金生活」です。50代の今から月12万円の予算で暮らし、「大丈夫」を積み重ねていく。家計の問題を早期発見し、予算内で豊かに暮らす知恵を絞り、不安を安心に変えていく作業です。まだ50代。気力も体力もあるし、今動き出せば老後に向けてゆっくり準備を整えていけると考えました。年金生活の予習ができて貯蓄も順調に増えつつあり、始めてよかったと思っています。




















不安の前にまず試算。老後に月いくらあればいい?


私が今心配しているのは、老後の資金のこと。雑誌やテレビで「老後資金に2000万円必要」「将来、年金はもらえなくなる」なんて目にしては、お先真っ暗のような気になって……。

でもこんなときは、不安に向き合うためにまず情報収集。総務省のホームページで見られる「高齢ひとり暮らし世帯の支出」を参考に、自分の場合だと月にいくら必要か試算してみることに。

54歳おひとりさま。古い団地で見つけた私らしい暮らし

出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要」より

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◎高齢ひとり暮らし世帯の支出

住居       約1.3万円
食料       約3.6万円
教育娯楽     約1.2万円
水道光熱費    約1.3万円
保険医療     約0.8万円
交通・通信    約1.2万円
被服及び履物   約0.3万円
家具・家事用品  約0.5万円
その他      約2.9万円
   (うち交際費約1.5万円)

出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要」より
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「老後2000万円必要」の根拠ともなるこの統計。でも、平均値なので住居費が約1.3万円と激安だったり、「その他」の詳細が不明だったり、自分の場合に当てはめにくいので、自分流にアレンジが必要です。

54歳おひとりさま。古い団地で見つけた私らしい暮らし

食料、住居、水道光熱費をこれまでの家計簿から予算立て

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◎私の場合だと……

住居       2万円
食料       2.5万円
教育娯楽     2.5万円
水道光熱費    1.1万円
保険医療     0.8万円
交通・通信    1.5万円
被服及び履物   0.6万円
家具・家事用品  教育娯楽費に含む
その他      約1万円

食料、住居、水道光熱費をこれまでの家計簿から予算立て
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食費は自炊派だからこんなにかからないとか、住居費はもう少しかかるとか。楽しむこと、学ぶことは生きがいにつながるから教養娯楽はしっかり確保、その分「その他」は余剰金扱いにして少なめに設定。結果、月12万円もあれば慎ましくも私らしい暮らしができそうだと思えるようになり、老後の生活が具体的に見えてきました。






「私の場合」で考えれば意外と未来は明るい!?


老後の支出が月12万円とわかったら、次に将来受け取れる年金額を試算。私の場合は、10万円程度だから2万円ほど足りません。女性の平均寿命は約87歳。年金受給開始年齢の65歳から22年生きると考えると、老後の赤字額は合計528万円に。もっと生きる可能性と住居の修繕費や介護費、医療費、旅行代なども考慮すると、最低でも1000万あればなんとかなりそうです。

54歳おひとりさま。古い団地で見つけた私らしい暮らし

年1回送られてくる「ねんきん定期便」に記載された二次元コードを読み取ると、「公的年金シミュレーター」というサイトに飛び、簡単に将来の年金額がわかります。

「老後資金は2000万円必要」と巷のうわさを鵜呑みにしていたころより、ぐっとやる気が出てきました。「一般論」より「私の場合」で考えた方が具体的で、モチベーションもアップします。

54歳おひとりさま。古い団地で見つけた私らしい暮らし』では、団地での月12万円生活の工夫をさらに詳しく紹介しています。老後の不安やおひとりさまの不安を解消するためのお金の備え方や、困りごとや気持ちを整理する「じぶん会議」のやり方、介護士だからこそ分かった高齢の親との付き合い方なども収録。これからの暮らしを豊かにするためのヒントが詰まった一冊です。

<構成/女子SPA!編集部>
きんの
1969年生まれ。49歳の時、80代の母の介護をきっかけに都内の新築で購入したマンションから築50年越えの団地に引っ越し、母の介護をしながら自身も少し早めの老い支度を開始する。2020年、51歳で開設したブログ「団地日記」で、団地の魅力や年金暮らしを想定した月12万円生活、節約アイデア、時短家事や料理、趣味のことなど、日々自分と向き合いつつ、50代の今を楽しく快適にするための工夫を発信。37歳で離婚を経験。50歳で転職を決意し介護専門学校に入学、介護福祉士の資格を取得して52歳で正社員として介護の仕事に就く。現在は、同じ団地で別居する母親の介護、更年期障害、ストレスと闘いつつも地味で豊かな50代おひとり様生活を満喫している。




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