恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。
これまで1000人以上の「出会いがない男女」の相談に乗ってきた筆者ですが、かつては髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”。「人は変われる」を自ら実践し、多くの方々の「もったいないところ」をご指摘してきた経験から、誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。

写真はイメージです(以下同じ)
男性の負担するデート代は平均8339円
いつか家族が欲しい。だから婚活しているけれど、婚活が辛い。そんな声が珍しくなくなりました。マッチングアプリが普及して出会う方法は増えたのに、そこは激しい競争の場なのです。
マッチングアプリ大学が、10代~40代の「現在恋人がいる、もしくは1年以内に恋人がいた男女282人」を対象に実施したアンケート調査(調査日:2023年9月5日~9月15日)によると、男性が支払う1回のデート代は平均8339円で女性の約2.5倍。また男性が1カ月間に払うデート出費は、平均で2万8353円だそうです。

これから恋人を探そうとしている恋活・婚活中の方の場合、もっと出費がかさむ場合があります。今の婚活は同時並行で複数人の異性と進み、恋人ができたとしても数十人の異性と会いることが多いのです。
今回は、デート代を負担する婚活中の男性に取材しました。取材に協力してくれた鈴木さん(仮名・28歳)は、東京ではない関東在住です。婚活開始は1年半前で、はじめはマッチングアプリだったそうです。アプリでうまくいかず、約半年前に結婚相談所に登録しました。
なお28歳は、結婚相談所の男性の中では若い部類です。
高級ホテルのラウンジ、コーヒーは残業代1時間分
「え! こんなに高いの! ドリンク1杯が残業代1時間分だ」

声には出さないまでも、初めて結婚相談所のお見合いをした鈴木さんがまず驚いたのは、新宿の某高級ホテルのラウンジのコーヒー代でした。
鈴木さんは婚活で初めてホテルのラウンジというところを利用。彼だけでなく、アラサーならホテルのラウンジを日常的に使ったことがない方が多数派なのではないでしょうか。
鈴木さんが初めて利用したホテルはお見合いのメッカで、ドリンクは1杯1500~1700円ぐらいします。私の記憶では、同じホテルをコロナ前に利用した時はコーヒー1杯1100円ぐらいだった気がします。それでも高いと思うのですが、ここ最近の値上がりの影響で1.5倍ぐらい高くなっているのです。給料が1.5倍になっているのならいざ知らず、収入は横ばいなのにラウンジのドリンク代は値上がりしています。
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いつも700円のラーメンを食べている僕なのに
これまで行った中でドリンクが一番高かったのは、帝国ホテルだそうです。最も安いコーヒーでも1杯2500円。鈴木さんが入会している結婚相談所では、お見合いのお茶代は男性側が負担するというルールです。そのため、ドリンクだけでも二人分で5000円の出費です。

鈴木さんは普段外食をすることがあまりなく、食べるとしてもラーメンやカレー等で1食700円前後。帝国ホテルのコーヒーはラーメン3杯分より高いのです。
「感覚が麻痺してしまって、大宮のホテルのラウンジがコーヒー900円ぐらいだったときに安いと感じてしまいました。東京は全般的に高いですが、帝国ホテルはさらに高いのでここを指定されると萎えますね」
結婚相談所の婚活ではたいてい、お見合いを申し込まれると、受けた側が場所を指定します。とはいえ女性会員が「お見合いは帝国ホテルがいい」と希望することはほぼありません。結婚相談所側が指定するのです。
高い上に混雑する場所が、お見合い向きとは思えない
鈴木さんがホテルのお見合いで萎えるのには別の事情もあります。
「ターミナル駅近くのホテルでお見合いする時は、30分前ぐらい前に到着するようにしています。とても混むので、10分前に着いても待たされるのです。帝国ホテルのラウンジが1時間待ちで、仕方なく近場のスターバックスに移動したこともありました。ホテルのラウンジって、予約ができないことが多いんです。
前には結婚相談所の担当者が『予約した』と言っていたのに予約が取れていなくて、お見合い開始が30分遅れたこともありました」

都内には海外からの観光客も増えています。特にターミナル駅近くの高級ホテルのラウンジには観光客が多く、もはや特別に静かで話しやすい雰囲気という訳ではありません。
鈴木さんは、そこまで高額ではなく、混みすぎないお見合い場所を探すことにしました。
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ラウンジお見合いでの“苦肉の節約術”
「飯田橋、水天宮などのターミナル駅ではないところだと、高級ホテルのラウンジも静かで、価格も新宿ほど高くなかったです。都内ならどこでも大丈夫ですという場合、お相手の女性が出やすいエリアでターミナル駅から少しずらした場所を提案することで少しお茶代が安くなりました」

鈴木さんは40人近い女性とお見合いをしてきました。仮交際の相手が5~6人になることもあるそうで、いわゆる人気会員だと思います。お見合いした中には鈴木さんより年上で年収が高い女性もいたそうですが、そんな女性の分まで男性が奢るルールに、疑問を感じることもあったそうです。
女性の分を支払うのが嫌なわけじゃない
有名マッチングアプリのプロフィールには「初デートの支払い」という項目があり、「男性が多めに払う」「割り勘」「相手と話し合って決める」などの選択肢があります。
とはいえ、ほとんどの男性は奢っていることが多いようです。割り勘でもいいという女性はいますが、それでも複数の男性と同時並行でデートしていく場合、“全奢り”の男性がいると“割り勘”の男性は優先順位が低くなりがち。
鈴木さんはマッチングアプリで「男が払うのが当然」という女性にも遭遇したそうですが、結婚相談所では非常識な女性には会わず、交際に進んでからはデート後のお会計で「私も出しますよ」という女性も多いといいます。
「女性が私も出しますと言ってくれると嬉しいですが、基本的には私が支払っています。支払いのルールが自由だと、男性間の格差が開くと思うので、男性が払うルール自体は仕方がないと思います。
ただ、お見合いがホテルのラウンジというのは見直してほしい。どうしてもホテルのラウンジがいいという女性なら仕方ないけど、あまりそういう女性もいませんでした。結婚相談所の風習というだけでホテルのラウンジなら、見直してもらいたいです」
鈴木さんはため息混じりに語りました。
お見合いのスタイルをそろそろ見直しませんか?
私も、ホテルのラウンジをあえて使わなくてもよいのではと思う方です。
前にSNSで「お見合いで高いロイヤルミルクティーを注文した女性がいた。男性が払うのだから、もっと安いメニューを注文すべき」という内容の投稿がバズっていたことがありました。
ロイヤルミルクティーはコーヒーより高かったのでしょう。とはいえ、コーヒーを飲みたくない時だってあります。そもそもホテルのラウンジではなく、コーヒー500円、ミルクティー700円ぐらいのカフェなら、初対面で揉めはしないはずなのです。
今、結婚相談所に登録する方はほぼ9割がマッチングアプリ経験者です。初デートは気軽なカフェだった方も多いでしょう。ホテルのラウンジでお見合いというスタイルはそろそろ見直してもいいのではないでしょうか。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
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<文/菊乃>
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
(エディタ(Editor):dutyadmin)