ハロウィンがここまで盛り上がっているのは、大人も本気で仮装ができる唯一の日だからなのかもしれません。
今回は、ハロウィンを毎年楽しみにしている田中由貴さん(仮名・28歳/独身)からコロナ前のハロウィンで体験した話を聞きました。
ハロウィン当日は渋谷で
由貴さんは、毎年ハロウィンの日を学生時代の友人と渋谷で過ごすそうです。
「ハロウィンの日だけは自分以外の何かに変身できるので、思いっきりハメを外せるんです。1年で一番、心を解放できる日なので大学時代の友人と仮装を楽しんでいます」
心許せる友人と仮装してパーティに参加するのを目標に、由貴さんは一年間仕事を頑張れるのだと言います。
「ハロウィンは、子どもだけじゃなくて、大人にも夢や楽しさをたくさんくれる最高の日です!」
抜け目ない仮装準備
「私、今まで割と男性キャラに仮装することが多かったんです。たとえば、マリオとかスポンジボブとか、は好評でしたね。女性が男性のキャラになると、意外と好感度も高くて注目されるんですよ」
そんな由貴さんが今年の仮装に選んだのが、これまでの男性キャラと違う「魔女」の仮装でした。
「実は、去年のハロウィンで魔女に仮装している人を渋谷でもたくさん見かけました。でも、みんなありきたりの魔女だったので、来年は私が誰よりも目立つ魔女になってやろうと決めていたんです」
特殊メイクに興味があった由貴さん。高額な特殊メイク専用の化粧品を買わず、百均などのメイク用品でリアルな魔女メイクの研究をしたそう。
「はじめは、百均のファンデーションやリップを使って自宅で魔女メイクを練習していました。でも、なんだか納得いかなくて……。絵の具を使い始めてからは、毎日のように絵の具で魔女メイクを描くのに夢中になっていました」
絵の具での魔女メイクは、日々上達していったそうです。
衣装もメイクも完璧!

魔女の仮装は、ヨレヨレのお婆さん魔女がミニタイプのブラックドレス姿に決定。足には黒タイツを履いて、タイツには所々に穴を開け、穴からは盛り上がった肉と血が見え隠れするよう特殊メイクをしました。
青白くシワシワにメイクした顔で、口からは血が垂れているような仕上がりにしたそう。
「出かける前に全身鏡でみたら、自分でもリアルな魔女感が出ていて達成感抜群でしたね。絵の具の特殊メイクが、あんなに楽しいとは思ってもいませんでした」
ハロウィン当日に起こった悲劇とは
ハロウィンのために購入した高さ10cmのヒール靴を履いて、集合場所の渋谷へと向かった由貴さん。
「この日のために、いろいろと用意してきたので集合場所へは出陣しに行くような気持ちでしたね。絶対私が一番の魔女になっていると確信していたので」
ところが、ハロウィンの渋谷は大混雑。いつもスニーカーしか履かない由貴さんは、高さ10cmのヒール靴が階段に引っかかり、改札へ向かう下り階段で足を滑らせてしまいます。
年に一度のビックイベントを諦めきれず……

「あの時、階段から落ちた瞬間のことは忘れられませんね。最後の8段目くらいでつまずいてしまって……。落下する時に壁に左頬が擦れて、最後は床に右頬を打ちつけたんです。ショックでしばらく立ち上がれませんでした」
由貴さんが履いていた黒ストッキングの両膝は破れ、膝から結構な流血があったと言います。
「めちゃくちゃ痛かったし、恥ずかしかったです。でも、気持ちは集合場所に向いていました。年に一度のハロウィンで、みんなに会いたい!って」
なんとか集合場所へ
足を引きずりながら、なんとか渋谷の改札を出て集合場所へと到着した由貴さん。
「ハロウィンの日は一日中、頭もズキズキとして痛かったし、身体のあちこちに擦り傷があって痛みました。でもみんな、ハロウィンの特殊メイクだと思っていたみたいです」
結局、友人たちには本格的なハロウィンメイクだと褒められることになったそう。由貴さんの仮装は、特殊メイクなのか、本当の傷口なのかはすでにわからない状態だったそうです。
「もっと心配してほしかったけど、なんか複雑です」と嘆く由貴さんでした。
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<取材・文/maki イラスト/カツオ>
(エディタ(Editor):dutyadmin)
