ノーマスクが珍しくなくなり、自粛も解禁されましたが、“コロナ状況下の習慣”は意外と色濃く残っているようです。たとえば、友達や恋人と、「思うように会えなかったぶん、ビデオ通話や電話が以前よりも増えた」という人も多いはず。
なかには、「休みの日はほぼ24時間、通話し続けている」というカップルも存在するそうです。
「寝息やいびきを聞いていたい……」
スマホの通話し放題のプランや、ラインの無料通話(音声・ビデオ)などもあり、最近は「常に人とつながっていることが当たり前」という感覚の人もいるのだとか。なんだか気疲れしてしまいそうですが、実際に「つながり続けることが当たり前な人々」に、その驚きの日常を聞いてみました。
まずは朝起きてから。いや、起きたときにはすでに電話は“通話状態”だそう。一体どういうことでしょう?
「夜寝るときに、相手が電話越しに寝息をたてはじめたり、いびきをかいて寝たことを確認する“寝落ち電話”を彼氏とよくしています。ラインの音声通話だから無料だし、夜中にトイレに起きた方が切るルール。でもお互いに爆睡してしまうと、朝までそのまま通話がつながった状態ということも結構あるんです。スマホがめちゃくちゃ熱くなっていますが、無料なので、まあいいかなって。3日に一度はやっています」(28歳・女性)
寝言とか、歯ぎしりとか、おならとか。聞かれたら困ることはありそうですが……。
おやすみからおはようまでつながる関係
「朝から長時間の通話がスタートする」というケースもあります。
「起きてからすぐにお互いにモーニングコールして、そのまま歯磨きや洗顔、シャワーをして、スマホをスピーカーにして通話したまま生活してます。ラブラブとかそういうのじゃなくて、なんとなくBGMみたいな感じ。よく『ずっと通話状態にしていると、めんどくさくない?』って言われたり、理由を聞かれるんですが、スマホ越しに一緒に生活しているみたいだから、別にそれが自然なんです」(27歳・女性)
「歯磨きの音も、うがいの音も、聞かれることに抵抗はない」と。
「トイレに入るときや歯磨きするときは、気になればミュートにすればいいだけ。まあ、たまに忘れちゃうときもあります(笑)」(23歳・男性)

……聞きたくない音も、だだ漏れのようです。
「コロナ禍で電話する時間が圧倒的に増えて、スマホ越しに隣にいるのが当たり前になった。勉強したり、テレビみたり、ネイルしたりしながら、スピーカーにして普通に話してる。リアルに隣にいられたら生活リズムや価値観の違いでケンカしそうだけど、リモートなら都合悪くなったら切っちゃえばいい。だからこっちの方が平和です(笑)」(31歳・女性)
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外食でもリモートで“一緒に食べる”
もはや、つながったままの生活が当たり前の状態。「ひとりで外出するときは、以前よりも緊張する」「ぼっち(一人ぼっちの状態)に耐えられない」という声もありました。
しかし外出中でも“つながり続ける人たち”は存在するのです。
「最近は外食する機会も増えたから、友達や彼氏とオンラインで一緒に食べることも多い。簡易タイプの三脚は100円ショップでも売ってるし、インカメラにして、何人かで食べることもありますよ」(31歳・女性)

「一時期、オンラインで参加するZOOM飲みが流行って、なんとなくその流れで飲み会や女子会にオンラインで来る子もいる。ひとりでごはん食べるときは、外食でもスマホ越しに2人で食べることもある。長時間しゃべらないこともあるし、気が向いたら話しかけるとか。動画の生配信を見ている感覚。移動をしなくていいから、ラクです」(25歳・女性)
たしかにコロナ渦を経て、ビデオ通話やオンラインで人と繋がるという機会は、以前より圧倒的に増えたような気がします。
「ずっとつながれる生活」が招いた修羅場
ただ、一部ではトラブルも起きています。
「電車で移動しているとき、彼氏から『リモートで一緒にいたい』って言われてビデオ通話で会話をしてた。そしたら知らないおじさんから、『電車の中で電話で話すな!』『通話禁止だよ』って注意されたんです。……お互い声を出して話しているんだから、普通にその場にいる人と変わらないし。注意される意味が分からない」(23歳・女性)
電車では「通話はご遠慮下さい」がルール。音声だけの通話が禁止でも、画面越しの会話なら許されるという解釈なのか……?

ほかにも、こんな衝突が。
「コロナをすぎて、彼氏の束縛がひどくなった気がする。友達と買い物やごはんに行くだけなのに、『ほんとに? じゃあビデオ通話で見せて』とか、『証拠に、インスタのショート(動画を)アップしておいて』ってうるさい」(22歳・女性)
どこにいても、簡単に人とつながれるというのも考えものですね。
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「ひとりの時間がなくなってつらい」弊害も
最終的には、もはや本末転倒になってしまうケースも少なくないとか。
「常に音声や動画でつながっていたら、いつの間にか彼氏が鬱陶(うっとう)しくなって、相手をするのも面倒になっていて……。生理的にむり! という状態になってしまい、一方的にふってしまいました」(28歳・女性)
「家にいても、寝る時も、学校以外ずっと友達とつながれちゃうから、自分ひとりの時間がなくなったみたいでつらい。連絡を無視しているとあとでなに言われるかわからない。本当にきつい」(20歳・女性)
コロナ渦を経て、デジタルやオンラインで“密”になりすぎているこの現象。あらためて、人との距離感、“ソーシャルディスタンス”の難しさについて考えさせられました。
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<取材・文&イラスト 赤山ひかる>
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赤山ひかる
奇想天外な体験談、業界の裏話や、社会問題などを取材する女性ライター。週刊誌やWebサイトに寄稿している。元芸能・張り込み班。これまでの累計取材人数は1万人を超える。無類の猫好き。
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