
※写真はイメージです(以下、同じ)
ですが、本当にそこまでする必要があるのかと疑問に感じるような仕事もあるようです。
筒井真紀さん(40歳)は、小学生の子供がいます。人数が少ない学校だったので、保護者全員が何かしらの役員をやらなくてはならず、早めに済ませようとPTAに立候補することに。これが後に大変な事態になるのです。
知らなかった「推薦委員」の実情
「できるだけラクな仕事が良いな」と思っていたものの、そこから先の仕事の割り振りはくじ引きに。
いざくじを引いてみると、筒井さんは「推薦委員」という仕事が当たったそうです。
「仕事をしていたこともあり、定例会がなく、空き時間でできるのでやりやすそうなのかなと思い引き受けました。しかし、これがとんでもなくストレスフルでハードな仕事だったんです」
推薦委員とは、次年度にPTAの本部役員になってもらいたい人のアンケートを、自薦他薦問わずに取るのがメインの仕事だそうですが、その内情はひどいものでした。
想像を超えるめんどくささ
「確かに活動は秋のみで定例会もなし。ただ、この学校の本部役員は、ものすごくハードで、毎日のように学校に通わなくてはならない仕事らしく、なりたい人がいなくて、毎年ギリギリまで本部役員が決まらないそうなんです。そんな誰もが嫌がる役員をなんとか探し出すのが推薦委員の本当の仕事でした」
保護者全員に配られる推薦のアンケートも、下手に誰かの名前を書けば、書かれた側に恨まれるので、まともにアンケートの回答が返ってこず。
結局、推薦委員が今まで役員をやったことがない人をリストアップし、片っ端から電話をかけて本部役員を引き受けてくれるようにお願いするのだとか。
ストレスまみれの推薦委員にゲンナリ

「自分だったら絶対にやりたくない仕事を、電話をかけて、やってくれないかとお願いするんです。それだけでもストレスですよね。しかも今まで役員をやっていないということは、役員をやりたくない人たちがほとんど。当然快く引き受けてくださる方は見つかりません。ほとんどの人は『申し訳ないですが……』と丁重に断ってきますが、怒られたり、電話をガチャ切りされたりということもありました」
この推薦委員、活動のスタート時期は秋ですが、なんと翌年の役員が全員決まるまでは活動が終わりません。一度断られても、決まるまでは何度も電話をしなければならず、それがひどいストレスとなったようです。
「しつこく本部役員を頼まれるほうもストレスだと思いますが、頼むこちらも猛烈にストレスな仕事です。その時期、役員のことを考えるだけで憂鬱になり、胃が痛くなっていました。誰でもいいからやってくれ!と毎日思っていました」
胃痛を抱えながらも手分けしてあちこちに当たり、やっと次年度の本部役員が決まったのは年明けのこと。本部役員をやると、子どもが多い人は1回だけやれば済むため、子どもの多い家庭の方と、以前も本部役員をやった方があまりにやってくれる人がいないので仕方なく引き受けたようです。
病院に行くと、まさかの「胃に穴」
「推薦委員の仕事が終わったころ、ちょうど人間ドックに行ったのですが、なんと『胃に穴が空いています』と言われたんです!自分のPTAが終わってほっとしましたが、毎年身体を壊してまで決めなくてはいけないPTAなんて、存続する必要があるのかなと疑問に思いました」
共働き家庭が多い現在、わざわざ時間を割いて行うPTAの存在意義について論争が起こっていますが、あくまで基本はボランティアで、できる人ができるときにやれば良いはずのもの。
いま一度、PTAのあり方についてじっくり考える必要がありそうです。
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<文/塩辛いか乃>
塩辛いか乃
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako
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