【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.124】
生きとし生けるものの寿命は、まちまち。「もっと長くそばにいたかった」と願いたくなるような別れを経験することもあります。
黒柴ちゆちゃんと暮らしている掃除魔さん(@nikai45)は2022年11月26日、愛猫のうたちゃんを悪性リンパ腫で亡くしました。

【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます
当時、うたちゃんは6歳。あまりにも早すぎる別れでした。
お世話係さんの入院を機に餓死寸前の野良猫を保護
うたちゃんは、野良猫が産んだ子猫。うたちゃんを含めた、きょうだい猫3匹はおじいさんからご飯を貰い、お世話されていました。
しかし、ある日、おじいさんが入院し、ご飯を貰えなくなってしまいます。厳しい外猫生活に耐え切れず、母猫と2匹の子猫は逝去。ひとり残ったうたちゃんは飼い主さん宅の物干し場に住み着くようになりました。
季節は、冬。寒さが厳しくなってきたため、飼い主さんはうたちゃんの保護を決意しました。
「うた」という名前は以前、お世話をしていたおじいさんの名前の一部を拝借して、つけたそう。保護当時、うたちゃんは餓死寸前で後ろ足に怪我をしていました。室内飼いをすることに決めた飼い主さんは動物病院でワクチン接種とノミ・ダニ駆除をしてもらうことに。
「すると、子宮に異常があることが分かったので、避妊も兼ねて手術をしました。猫エイズの検査は陽性でしたが、多頭飼いでなければ大丈夫だと獣医師に言われました」
人にも先住犬にも優しかった思い出ばかり……
母猫ときょうだいが一度に亡くなったことで寂しさを募らせていたのか、うたちゃんは人馴れが早かったそう。義父母の部屋で暮らし始めると、家族を気遣う行動を見せるようになりました。

「義父は糖尿病で毎食後にインスリン注射を打つのですが、準備を始めると、うたは横にやって来て、見守るようになったんです」
うたちゃんは先住犬のウォルちゃんにも、積極的に交流。弱点であるお腹を見せ、「遊ぼう」と誘うこともありました。
「うたのなにもかもが、かわいかったです。野良猫の時は薄汚れていたけど、トリマーさんにシャンプーしてもらうと真っ白になって……。トリマーさんを引っ掻くこともなく、毎回大人しくトリミングしてもらっていました」
天真爛漫な姿も愛おしい
一緒に暮らす中では、天真爛漫な姿も。後ろ足に怪我を負っていたからか、うたちゃんはちょっぴりおニブさんで、高い所に登り、ドテッと落ちることも。自宅に大きな蜘蛛が出た時には飼い主さんの目を盗んで食べ、嘔吐。

「野良猫時代を思い出して食べてみたけど、おいしくなかったのかな?と思いました」
温厚で誰に対しても怒らないうたちゃんは、放っておけない魅力がある大切な家族になっていったのです。
眉間にできた腫れが「悪性リンパ腫」だった……
しかし、病気の発覚を機に、穏やかな日常は一変。ある日、飼い主さんはうたちゃんの眉間が腫れてきたことに気づき、動物病院へ。詳しい検査の結果、悪性リンパ腫であることが判明しました。
うたちゃんの悪性リンパ腫は、完治が難しいとの判断。入院させて寂しい思いをしながら最期を迎えるより、我が家で看取りたい……。そう思った飼い主さんは自宅で緩和ケアをすることに決めました。

腫瘍は次第に、鼻腔を圧迫。うたちゃんは呼吸が苦しそうな姿を見せたこともありましたが、最期までお利口さんで、暴れず、自分の寝床で息を引き取りました。
「6歳とは、若すぎました。実はうたの亡くなる1ヶ月前、ウォルも同い年の6歳で亡くなりました。2匹を一度に失い、つらかったです」
ペットロスという言葉では決して片付けられないほどの悲しみを味わった、飼い主さん。心の中には、今もうたちゃんへの愛が溢れています。

「うたは、家族です。義父母も、うたに随分と癒やしてもらったことでしょう」
「ありがとう」という感謝をうたちゃんに贈り続けながら、愛犬・ちゆちゃんを愛でる飼い主さん。優しくお利口さんなうたちゃんは、天国から飼い主さんの幸せを願っていてくれるような気がします。
【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
(エディタ(Editor):dutyadmin)

