【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.123】
猫心地のいい場所を探求したり、知恵を使って遊んだりと豊かな日々を過ごすサビ猫のほたるちゃんは、頭の回転が速いおりこうさん。
持ち前の好奇心を発揮し、飼い主のすみれさん(@330smile330)を笑わせてもいます。

【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます
そんなほたるちゃん、実はブリーダーからレスキューされた子。保護団体の介入により、新しい“ニャン生”を手にいれることができたのです。
九州のブリーダーからレスキューされた長足マンチカン
ほたるちゃんは、九州のとあるブリーダーのもとで生まれ育ちました。猫種は、短足が特徴的なマンチカン。ほたるちゃんは長足タイプだったからか、十分にお世話をしてもらえず。

保護団体「この子のあした」が介入したときには栄養状態が悪く、目は癒着したまま放置されていました。
保護後、ほたるちゃんは目の癒着を剥がす手術を受け、大阪府泉大津市にある保護猫カフェ「ねこんチ」で生活。
当初、別の猫に一目惚れ
同時期、他県に住むすみれさんは旅行で泉大津市を訪れた際、「ねこんチ」に立ち寄り、すももちゃん(当時の名前は、ひらめちゃん)という猫に一目惚れします。
すももちゃんは水槽で育ち、悪徳ブリーダーからレスキューされた子でした。
「なんて可愛らしい子なんだろう」と思いつつ断念
「へその緒が付いた状態から心血注いで育てた、先代猫すみれを彷彿とさせました。神経質で気難しそうな印象だったので、『この子のあした』さんから、おおらかな男の子・虎太朗(当時の名前は家康)を紹介していただき、トライアルの代わりに、ねこんチさんで相性を確認することになりました」
相性確認のため、何度か「ねこんチ」を訪れるうちに、すみれさんは1匹の猫が気になるように。それが、ほたるちゃんでした。

なんて、愛らしい子なんだろう……。そう思ったものの、これまでの猫暮らし経験から、お迎えする頭数は偶数かつ異性であることを希望していたため、ほたるちゃんを迎えることは断念したのです。
トライアルが上手くいかなかった“あの子”に幸せになってほしい
しかし、すももちゃんと虎太朗くんを迎えてから4ヶ月ほど経った頃、胸が締め付けられる話を耳にします。なんと、気になっていたほたるちゃんがトライアルに出掛けたものの、半日で戻されてしまったというのです。

なんとか、ほたるを幸せにしてあげたい……。そう思ったすみれさんは、旦那さんを説得。ほたるちゃんも「うちの子」として迎え入れることにしました。
お迎え当初、ほたるちゃんはトライアルに失敗した直後だったため、大人しく振舞っていたそう。

「自分の立ち位置を確認していたのかなと思います。でも、ねこんチさんでずっと一緒だったすももが気遣ってくれて、虎太朗ともすぐに仲良くなりました」
懐に入り込むのが上手なほたるちゃん
ほたるちゃんは小さな頃から保護団体や保護猫カフェでかわいがってもらっていたことから、人見知りはまったくせず。すぐ、新しい環境に適応してくれました。
レスキュー時、炎症を起こしていた目は手術をしてもらえたおかげで、目やにがやや多い程度と日常生活に支障はありません。

「小さい頃から関わってくださった人や猫たちに守っていただけたおかげで、ほたるからは心の傷のようなものを感じたことはありません。子猫の時から多頭飼育で育ったので、懐に入り込むのも、すごく上手なんです」
シルキーな手ざわりの被毛を撫でるとすぐに声が出てしまうところや、座椅子の場所取りをして撫でて貰うのを待ち構えてるところなど、一緒に暮らす中で気づいた、ほたるちゃんのかわいさはたくさん。
日に日に甘えん坊さんに

「夜中にスイッチが入ると、丸めたスーパーの袋でキレッキレのドリブルを披露してくれます。あと、体感が素晴らしく、ちゅ~る一本分を立って食べられます。日に日に甘えん坊さんになってくれて、愛おしくて仕方ないです」
先住猫と相思相愛に!
ほたるちゃんが家族の仲間入りを果たすと、すももちゃんにべったり甘えていた虎太朗くんはお兄ちゃん風を吹かせ、面倒を見るように。2匹は大の仲良しになり、寒い時期には一緒に寝たり毛づくろいをしあったりします。

「虎太朗のご飯をかわいく横取りすることもあります(笑)。虎太朗は鼻腔内リンパ腫で闘病中なのですが、通院し始めた時、ほたるは玄関まで鳴きながら追って来たり、病院から帰ってくるのを探し歩いていたりしました」
そうした微笑ましい姿を見るたび、すみれさんは目を細め、改めて小さな命の重さに思いを馳せます。
病気になった愛猫を守る方法を考えるべき
「どんな命だって、愛情を持って育まれなくてはいけない。近ごろは、ブリーダーの締め付けが厳しくなってきているので、純血種が捨てられる案件も増えてきていると聞きました。また、重病を発症した子を育てきれず、飼い主さんが遺棄する例もあるそうです」
こうした現状があるからこそ、すみれさんは病気になった愛猫を守る方法を考えることの必要性を訴えかけます。

「私自身、虎太朗が5歳で鼻腔内リンパ腫と診断され、ペット保険が入りやすくなっていることを知りました。覚悟してお迎えしても治療費は嵩みますので、安心して最後まで治療できるよう、ご家族のために備えてほしいです」
辛抱強くて健気な、かけがえのない子たち――。そんな愛ある言葉をかけられながら、ほたるちゃんたち3匹はこれからも、ありのままの自分を受け入れてくれる“我が家”で、不自由のない日常を送っていきます。
【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
(エディタ(Editor):dutyadmin)


