筆者は以前『ビューティーガール』で、実家のあるマンションで自殺の数が多すぎて超怖いという話を書いたことがあります。実は近年になって後日談が出来てしまったので、ここでご報告したいと思います。
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帰省中に母から「先週また階段のとこで飛び降りが」
同じマンションに住んでいたおばさんが、最上階にある我が実家の目の前の階段から飛び降りたと聞いてから、ちょうど一年後。私はまたお盆のシーズンにぬるっと帰省しました。ふと思い立っての突発的な来訪にも関わらず、母は快く迎えてくれて、得意料理の炊き込みご飯やコロッケを振舞ってくれたのです。
私は焼酎ハイボールを片手に久々の実家の味に舌つづみ。温かいもてなしにホクホク顔だったのですが、母がふと思い出したかのようにこう告げてきたのです。
「そういえば、先週また階段のとこで飛び降り自殺があったんだよね」
マンション住人は自殺の多さに疑問を持っていない
箸を持つ手が止まりました。昨年に引き続き、なんと全く同じ場所から人が飛び降りたというのです!
前回と違うのは、身元不明の外部からの侵入者だったということ。ただ、年齢が70歳前後の女性であり、その点は去年亡くなったおばさんと一致しています。
改めて、このマンションでの自殺量の多さに震えおののいたと同時に、この話を淡々と世間話のように語る母に違和感を覚えました。
改めて思い返すと、このマンションに住む人たちの自殺に対する反応って一環してこんな感じなんですよ。長年付き合いのある近所のおばさんたちも、そしてたぶんここに住んでいた当時の自分自身も。
感覚が麻痺してるというか、この自殺率に対して何の疑問も抱いてないんですよね。私も実家を出てから、ようやくこのマンションを「怖い」と思うようになりましたし。
マンションのことを霊能者に見てもらった
今回は具体的に幽霊っぽいものを見たりはしてないんですけど、やっぱりあのマンションには何かありそうだなぁと感じた出来事だったのです。
そういえば、二年にわたって続いた自殺騒ぎの翌年、私はスカパー!の恐怖専門チャンネル「Channel恐怖」で『田中俊行のオカルト・コレクション』という番組に、母の大事にしている日本人形とともに出演しました。
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母の大切にしている日本人形の実物です
死太郎くんはマンションの絵を通じて視てくれたのですが、ちょうど5階のあたりから何度も繰り返して飛び降り続ける男性の姿が見えると言いました。この人が一番強く出ているようでしたが、「正直言って、へたな心霊スポットの何倍も幽霊いるよ」と、ここが完全なるゴーストマンションであることを示唆しました。
相当なヤバさだという理由は
そして、マンション全体から強く燃えている「火」の存在を感じるとも。そもそも、実物でも写真でもない絵の状態でここまで読み取れるのは、相当なヤバさを孕んでると考えていいとのことでした。
また死太郎くんいわく、高い建物には外部から自殺志願者が集まってきてしまうことはよくあるそうなのですが、このマンションの怖いところは「住んでいる人間が死んでいる率が異様に高いこと」なのだそう。そう、実をいうと過去に飛び降り自殺した人のほとんどがマンションの住人なんですよね。
しかも、この情報は『大島てる』(事故物件の情報提供ウェブサイト)にも書かれていない。先ほど少し触れたように、実際に住んでいる人たちは、もはやそれが当たり前かのように疑問に思わない。ここまで徹底しているあたり、やはり土地自体に何かしらの因縁があるのではないかとの見解でした。
マンションが建つ前は大きな工場だった
その後、ちょっと調べてみたのですが、このマンションが建つ前は、かなり大きな工場であったことが判明しました。この辺りの地場産業を踏まえると、恐らくは火が使われていたのではないかと推測されます。
死太郎くんの言っていた燃えているイメージに繋がるうえに、過去に霊感のある友人からマンションに「黒い大きな人が覆いかぶさってるよね」と指摘されたことにもリンクします。
これはあくまで私なりの考察ですが、その工場で何か大きな事故があり、その後にあのマンションは建てられたのではなかろうか……?とはいえ、マンション自体のいわくと自殺の多さの関連性については不明のままです。
ただ、この一連の話の中で私が一番怖いと感じているのは、二度にわたる階段からの自殺の際に足場にされていた、隣のおばちゃんの家の外に設置されたゴミ箱が未だに現役で使われているということ。それ、捨てないんかーい!
……今日もきっとあそこの住人たちは、マンションの恐ろしさに気づくことなく淡々と生活しているのでしょう。
<文/もちづき千代子 イラスト/松井レナ>
もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。Twitter:@kyan__tama
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