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「年を取っていくと着られないものが増える…」どうすべきかファッションのプロが考察 «

時刻(time):2023-08-29 16:50源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
『 わたし史上最高のおしゃれになる! 』『 お金をかけずにシックなおしゃれ 』などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが、愛用しているアイテムをご紹介します。 夏のインナーはシルク素材を選ぶようになった 夏の暑さが厳しく、長くなってきている ※写真はイメージです(以下同じ) きっと地球温暖化の影響でしょう。夏の暑さが厳しく、そして長くな
わたし史上最高のおしゃれになる!』『お金をかけずにシックなおしゃれ』などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが、愛用しているアイテムをご紹介します。








夏のインナーはシルク素材を選ぶようになった


夏の強い日差し

夏の暑さが厳しく、長くなってきている
※写真はイメージです(以下同じ)

 きっと地球温暖化の影響でしょう。夏の暑さが厳しく、そして長くなってきているように感じます。私が小学生のときは、日中の気温が31度にでもなろうものなら、暑さに耐えきれず、庭に設置したビニールプールに飛び込んだりしたものでした。しかし今では、最高気温が35度以上の日は、真夏のごくありふれた日となりました。

 それほど気温が違うのですから、昔と同じものを同じように着ていたら、感じる暑さは増すばかりです。以前はなかった機能性素材もいろいろ出てきて、速乾性や冷感性のあるものもふえたため、そんなインナーを試してみたりもしましたが、ここ10年ほどは、夏のインナーはシルク素材を選ぶことで落ち着きました。





洗濯機でも洗えて長もちするシルク


 シルクは動物性の天然繊維です。私が小学生のころ、家の近くに桑畑がありました。桑畑があるということはきっと昔はどこかの農家が養蚕をしていたのでしょう。

 小学校の理科の時間、蚕(かいこ)がクラス全員に配られ、繭(まゆ)が作られるまでを観察するという授業がありました。小学生たちは学校の帰り道、桑畑から勝手に桑の葉を引きちぎり、家に持ち帰って、蚕に与え、繭になるまでを観察しました。蚕はその桑の葉をむしゃむしゃ食べ、そのうちにモスラのように、口から白い糸をはき出し、自分をくるむように繭を作りました。

 その繭糸で織られた織物がシルクです。絹糸は吸湿性、放湿性があり、タンパク質なので人の肌にも優しいとされています。難点は、取り扱いが少々面倒なことと、価格が高いこと。

蚕とシルクの布

繭糸で織られたシルクは人の肌に優しい

 そう思われているシルクですが、実際はそんなことはありません。シルクのキャミソールも、洗濯ネットに入れて、シルク素材の洗濯に適した洗剤を使えば洗濯機でも洗えます。

 また、買うときは高く感じるシルク製品はとても長もちです。私は1週間分のシルクのキャミソールを洗っては着ていますが、古いものはもう10年以上前に買ったものです。それでも見た目は全くくたびれていません。またポリウレタンが入っていないものを選んできたので、伸び切って着られなくなった、ということもありません。

 夏の最も暑い時期は、シルクのインナーに同じシルク、あるいはリネンのシャツやブラウスを組み合わせるというのが、自分が涼しく過ごせる定番の組み合わせとなりました。













1年を通して着られるシルクのインナーを探していたら


シルクのインナー

真夏の暑い時期にも涼しく過ごせるシルクのインナー

 1年を通して着ていたシルクのキャミソールですが、気温が少し下がり、風の中に冷たさを感じるようになると、キャミソールのケミカルレースの部分が肌に当たって、かゆく感じるようになってきました。

 私がインナーとして着用しているシルクのキャミソールはすべてケミカルレースで美しく縁どられたものばかりです。レースがついたキャミソールは美しいのですけれども、空気が乾燥してくると、肌のレースが当たる部分に赤く発疹があらわれます。そして、肌の一部にかゆいところが出ると、なんとなくほかの部分もかゆいような気がしてきます。もうそうなると、レースつきのキャミソールは着られません。

 もう少しふやしたい、そしてできれば冬の間も着ていたいシルクのインナー。そんなことを考えて探していたところ、こちらのシルクタンクトップにたどり着きました。

シルクタンクトップ

京都・西陣の中村忠三郎商店「絹糸屋さんの一軍、レギュラー。シルクタンクトップ」 6600円(税込)

 極細番手けんぼうシルクで編まれた素材で、織物ではなくニット素材。脇に縫い目もありませんから、肌当たりも着心地もよい。繊細な素材なので、手洗いになりますが、肌に当たってかゆいところはないので、1年を通して着られそうです。

シルクタンクトップ




そのときにしか着られないものがある


 年を取っていくと、着られないもの、履けないものがふえてきます。

 例えば今の私は8センチヒールの靴で家を出て、都内の地下鉄を乗り換えて目的地にたどりつくほどの体力はありません。またどんなにお腹の肌を見せるルックが流行っても、今からそれをやろうとは思いません。そして、肌が乾燥するため、冬場にケミカルレースがついたランジェリーは着られなくなりました。

 日本の気候も変わりました。ファッションには流行があります。そして自分自身も年を取ることにより変わっていき、着られないものがふえていきます。

 そう考えると、そのときにしか着られないものがあるとわかります。若い時には若い時なりの、年を取ってからは年を取ってからなりのものがあるでしょう。経験できる季節も毎年が同じものではない。流行りのシルエットと色も変わっていく。自分の肌に合うものがずっと合い続けるわけではない。ずっと同じように続くものなど何もない。












今着たいもの、今しか着られないものを着ておいたほうがいい


 過去に戻って自分に好きなものを着せることはできません。近いうちも、いつかも、来るとは限りません。だからこそ、今のうちに今着たいもの、今しか着られないものを着ておいたほうがいい。

 ケミカルレースがついたキャミソールさえ、ずっと心地よく着られるものではないのなら、着たいと思っていて、かつ着られるのなら、誰かの目も意見も気にせず着てしまうほうが幸せではないでしょうか。そして、それを着た思い出が、人生最後の日まで私を励まし続けてくれるに違いないと、私は考えています。

シルクタンクトップ 京都・西陣の中村忠三郎商店「絹糸屋さんの一軍、レギュラー。シルクタンクトップ」 6600円(税込)
◆筆者私物「京都・西陣 絹糸屋さんの一軍、レギュラー。シルクタンクトップ」6600円(税込み)中村忠三郎商店

<文/小林直子>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
小林直子
ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。著書『わたし史上最高のおしゃれになる!』など。




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