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ペットショップで出会った「耳が聞こえない猫」ココちゃん、病との闘い | ビューティーガ

時刻(time):2023-07-27 20:53源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
【 今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる 】 「最初に約束したんです。おいしいご飯や安心して眠れる場所、温かい布団を絶えず用意するよって。うちの子でよかったって思ってもらえるように」 愛猫ココちゃんとの出会いをそう振り返るかざみどりさん( @kazamidori37 )は現在3匹の猫たちと生活中。ココちゃんとは、先住猫キキちゃんの猫砂を買いに行っ

今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる

「最初に約束したんです。おいしいご飯や安心して眠れる場所、温かい布団を絶えず用意するよって。うちの子でよかったって思ってもらえるように」

 愛猫ココちゃんとの出会いをそう振り返るかざみどりさん(@kazamidori37)は現在3匹の猫たちと生活中。ココちゃんとは、先住猫キキちゃんの猫砂を買いに行ったペットショップで出会いました。(初公開日2020
年6月18日 情報は取材当時)






耳が聞こえないココちゃんとの出会い



 偶然目に留まったのは、キャットタワーも設置されるほど広いショーケースの中で、なぜか隅っこで丸くなる1匹のマンチカンの姿。「その子は1歳を過ぎていて、半年以上もショーケースの中にいました。キキと共通点が多くて不思議な縁を感じたので撫でさせてもらったんです。」

 店員さんいわく、そのマンチカンは一度家族が決まったものの、耳が聞こえないことが分かって返されてしまい、それ以来、お店でひっそりと成長してきたのだそう。あまりにも切ない生い立ちは、かざみどりさんの心を動かしました。

「ショーケースから出てくるまでは足が悪いのかなと思うくらい動かなかったのに、出てきた途端に商品棚の隙間から顔を出したり、元気いっぱいに歩き回ったりしてくれた。まるで一緒に帰りたいアピールみたいでした」

 そこでかざみどりさんは2歳の誕生日を迎える前に、「ココ」という名前とずっと安心して暮らせるおうちをプレゼントすることに。ワクチンを受けていなかったため、家に帰る途中に動物病院へ行き、不妊手術の相談もしました。

 しかし、耳が聞こえない理由が不明であるため、避妊手術はリスクが高いと獣医さんは指摘。

「歩き方が左に傾いているので、もし小脳による難聴だったら麻酔をしたときのリスクが高くて危険だと言われました。悩んだ末、不妊手術はせず、絶対に外へ出さないことを徹底しようと思いました」

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「これは個性ですから大事にしてください」


 難しい決断を迫られた動物病院で、かざみどりさんは心温まる経験もしたよう。

「ココにワクチンを打ってくれた先生が『ハンデはありますが、これは個性ですから大事にしてください』と言ってくれました」

 獣医さんの優しい障がいの捉え方はココちゃんにも響いたのか、それ以来、ココちゃんはその獣医さんのことが大好きになり、通院時は会えることを楽しみにするように。


 少し目を離すと、キャリーバッグを内側から器用に開け、他の診療室へ入ってお目当ての獣医さんを探そうとしたり、院長先生の部屋におしかけていったりしたこともあったそう。

「大型犬に挨拶に行ったこともあったので、車の中で診察待ちをするようになりました(笑)」













MRIで分かった愛猫の「奇形」


 しかし、おだやかな日々は昨年の春頃に一転。後ろ足に異変が見られ、ココちゃんは歩けなくなってしまいました。すぐに病院で検査をしてもらいましたが、脳や神経をMRIで調べなければ原因が分からないという結論に。麻酔のリスクを避けたいと思っていましたが、日に日に歩けなくなっていく姿に限界を感じ、かかりつけの獣医さんの紹介で神経外科専門の病院でMRIをしてもらうことに。

 すると、先天的な骨の奇形によって脊髄が損傷しているため歩けなくなったことが判明。脳に異常はありませんでしたが、奇形の場所が多すぎて治療ができないと言われました。

「あと、耳は小さい頃にかかったであろう中耳炎が酷くて鼓膜が機能しなくなったことも分かりました」

 また、この結果を知るための代償は大きく、恐れていた麻酔のリスクが現実のものとなりました。予定時間を2時間超えても目覚めなかったココちゃんは心臓の筋肉が炎症を起こし、肺炎にもなってしまったため、3人がかりで夜通し心肺蘇生を行い、命をつなぐことができたといいます。






適切ではない繁殖でハンデを背負わされる猫も



 一般的な猫とは違う外見的特徴が“ウリ”になる猫種は、適切ではない繁殖によって本来なら持たなくていいはずのハンデを背負わされることもあります。

 そうして生まれてきた子は「奇形だから……」と敬遠されやすいものですが、その命にはなんの罪もありません。そんな悲しい思いをする動物を増やさないためにも、人間の「かわいい」に翻弄される命がいる事実を私たちはもっとよく考え、小さな命を愛していく必要があるのではないでしょうか。

「もしかしたらココも無理な繁殖でハンデを持って生まれてきたのかもしれません。でも、ココにはそんなことどうでもよくて『聴力はママのお腹に置いてきちゃった』『歩けなくなったけど腕の筋肉がついたからまだ動けるよ』と言ってくれていそうです」

 かざみどりさんのこの言葉からは、どんな体でも前向きに生きようとする猫のたくましさが感じられ、胸が熱くなりました。

「いろいろありましたが、猫たちにはたくさんの幸せをもらっている。だから、“飼っている”ではなく、“一緒に暮らしている”と言いたい」


 愛猫たちへ惜しみない愛情を注ぐかざみどりさんは、今日も3つの命を優しい眼差しで見つめています。

<文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291




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